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フルニェ先生に
フェイスオフ
してもらい

元気を取り戻した僕が
最初に
働きにいったのは

ローマで
一番
治療費の高い
ドクター・ジョルジォ・・フィッシャー

高級住宅街の邸宅が
仕事場

紹介がなければ
診察予約も取れない
誇り高い美容外科医

自分のこと
外科医ではなく
芸術家と思っているらしい

ローマのセレブに

「あの芸術家気取りのジョルジォ」って言えば

それは
あの
日焼けした労働者の
アルマーニじいさん
ではなく

この
フイッシャー先生のことなんだ

アルマーニじいさんと
フィッシャー先生は
同じ星のもとに
生まれたんじゃないかと思うくらい
よく似ている

まず
二人とも
イタリーの三流大学の医学部の卒業生で

二人とも
労働者みたいな
ラフなかっこうが好きで

いいものをでれっと着こなし

若い女が大好きで

仕事はマニアックなほどデザインにこだわり

自分が世界一だと
信じている

フイッシャー先生は
脂肪吸引するまえに
どこから
吸引するか
デザインする

「デブの脂肪のなかにヴィーナスが埋まっている。それをきれいに掘り出すのが、天才芸術家の自分である」
すごい自信

フイッシャー先生は
脂肪吸引するとき
患者を手術台に
寝かせたりしない

「オルソスタンディングテーブル」と言う
立たせたままで手術する
特殊な手術台を使う

これまた
ジョルジォ・アルマーニじいさんの
立体裁断みたい

就職試験は
デザイナーとしての
僕のセンスのテスト


緊張して
デッサンする僕

めでたく合格


話し変わって
明日は
僕の
脂肪のかたまりから
かっちゃんダビデを掘り出す

デザイナーは僕

イタリー仕込みの
センス
見せるぜ