ネットなどで書かれていた八冠陥落という書き方は将棋界の第一人者に対して失礼である。

 

 ボクシングで統一王者がタイトルマッチで全てを失う敗北によって陥落するのとは意味が違う。

 

 八冠という全部のタイトルを制覇するのがいかにすごい業績かを理解していない。たとえ今回一つを失ってもまだ七冠である。依然としてほとんどのタイトルを保持している。そもそも歴史から言っても別格である名人は防衛に成功しているし。

 

 たしかに一つ失うことがニュースにはなるが、失うことを期待していたようであまり気分が良くない。

 

 しかしなんだな、いままでタイトルを獲得したことのある棋士は伊藤叡王で46人目とか。棋士番号を有する棋士だけでも340人以上います。棋士番号のない時代に引退、死亡の棋士もいますからなあ。

 

 そう考えるとタイトル一つとるだけでもすごいことだ。

 

 かつて羽生七冠からタイトル奪ったのは三浦九段。三浦九段別件でいろいろ言われたが、あのころAIなんかないけどね。その三浦九段も羽生七冠から奪ったタイトル一つだけ。

 

 タイトル獲得数二桁とか永世称号(資格)を持っている棋士は一桁。ぜひ、伊藤新叡王もタイトル数二桁獲得あるいは永世称号を目指し、藤井七冠と競ってもらいたい。