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「今、行っている能力者部隊養成プロジェクトはいよいよ 誘導兵器の管制訓練に入る、この取り組みの成功を前提に アメリカはハワイ沖での合同軍事演習を提案している」
「何?それは俺達を…」 大田は不信の表情を浮かべた。
「我々は、アメリカ部隊と共に反乱勢力への陽動を行う事になる」 ないのか!」 出さなければ奴らはまた地下に潜るぞ、敵は能力者部隊を 有している。我々とアメリカの正規部隊が共同して奴らを倒す」
「そんな、敵がノコノコそんなところに出てくるのか?」 小林は自信有り気だった。
「視察?…えっ!まさか…」 敵を誘い出す腹を固めている」 菊川も信じ難いという表情で小林を見た。 小細工はすぐバレるさ、大統領は国防長官と共に確実にやってくる」
「それは…リスクが大き過ぎるな、正規軍の方の能力者部隊は 信頼出来るのか?」 真喜志1尉が立ち上がった。 「部隊には自分くらいの実力のメンバーは10名近くいました、 その中のだれが味方でだれが敵かは分かりませんが、その 後の補充で、やはり10名くらいの実動戦力を有していると 思われます」
「そうか、こちらと合わせて15名か」 に食いつかせる」 敵をこちらが叩く、場合によってはエサごと殲滅する」
「おい、大統領はそこまでOKしてるのか?自分の部隊にも 同じ事を言って俺達をエサにするんじゃないのか?」 逃してはならない、これが至上命題だ」
「そうか、エサ同士疑い合っても得るところは無いか…分かった。 真喜志1尉、こちらの部隊は実戦投入出来るのか?」 みすみす壊滅させられる部隊を実戦には送りません、養成には 完璧を期します」
「それはあと4週間で間に合うのか?」 最悪、自分だけでも出撃します」 きみが立ち上がった。 「私達も全力を尽くします、決して美弥子さんだけを行かせる ような事はさせません」 四人は大きくうなずいた。 五島総理もためらわないだろう、我々は命令に従うだけだ。 真喜志1尉、今日からの訓練をよろしく頼む。但し、決して 無理をしてくれるなよ、我々が見て万全だと判断した時点で 政府には回答する。 最後の責任は全て私が持つという事を忘れないでくれ」 梅田が美弥子を見据えた。
「はっ、了解しました」 完了まで第2配備を維持する。取り立てて特別な動きをしない ように」 小林の号令で全員が敬礼した。 なっちが美弥子を見た。 を使います。こちらのミサイルを確実にターゲットに命中させて 下さい、各レベルは100%でなければクリアされませんので」
「えー、100%!」 なっちがびっくりした表情で叫んだ。 ミサイルがこちらに命中する確率が倍になるのよ、一発の はずれでゆきかぜが沈む事もあり得るわ。 私達は絶対完璧じゃないといけないの」
各自のモニターには軍艦の映像が浮かび上がった。 発射されるのでみなさんは迎撃攻撃を同時に管制して下さい。 基本的には敵艦の航行不能以上でクリアとなりますので、 ミサイルの迎撃だけで安心しないで下さい。 敵艦から発進する航空機、船舶は全て撃破して下さい」 四人はうなずいた。
途端に無数のミサイルが飛び交い始めた。 迎撃ミサイルが発射されるからなっちはそれを誘導してね」
なっちが目を閉じた。 迎撃ミサイルが20発の敵ミサイルを全て撃ち落とした! なっちがガッツポーズをとった。 気にしないでね。最初に把握出来たら全弾撃破出来るから」 なっちは夢中になって画面に見入っていた。 指示する為だったんだな」 釘を刺したらしくてな。だがきみさん達の経過が好調なので 喜んでたよ、俺達には大きな負担をかけると謝っておられた」 いう事はそれだけ戦力として認めて貰ってるという証拠だ」 大田は自分を納得させるように呟いた。 敵が警戒しないでしょうか?」
「うん、俺もそれは考えていた。小林2佐、官邸では他の作戦 については話は出なかったのか?」 いるのかも」 いや、事によるとロシアそのものが最大の脅威かも知れんな。
ソ連崩壊以来の経済低迷を石油資源の輸出でようやく挽回 したと思ったら今度のエネルギー転換だ、国連での対立を 見ていても大人しくアメリカ陣営に取り込まれるとは思えない。 クウェートの犯人もロシア内部の反乱勢力という見方が有力 だからな」
「しかし幸平、表立って攻撃は出来んぞ。決定的な証拠でも 出てこなければ」
「そいつを造り出すかだ」 二人は顔を見合わせた。だが各国の首脳部も大統領の行動には を破壊しようとする大きな潮流は既に流れ出し始めていたのだった。
つづく |