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「行っちゃった。…小林君、これで良かったの?」
「自分には何も言う資格がありません。本当なら、ここに あの人を呼んでくる事などあり得ない話でした」
「全ては運命よ、人間死ぬ時は何処にいようと助からない。 あんたも覚悟を決めるのね、いろいろと乗っかってるのよ、 あんたの肩にはね」
「神食満君、軍人になんかなっちゃダメよ。こんな思いを するのは私達だけで良いわ、この戦いのケリがついたら 反戦運動でもする?」
「おや、フリーライターって左翼の仕事かと思ってたのに、 あんたは違うのね」 ないつもりです」
「あらあら、この不器用な人達が集まって、よくこの船まともに 浮かんでられるわね。あの二人も不器用さにかけては引けを とらないけど、本当に大丈夫かしら?…」
「きみさん、後悔はしてないですか?」 でないならあの方の迷惑になるだけです。昔からそうでした 私に関わった人達はいつも不幸になる。 もうそんな繰り返しはしたくないんです」
「私達って、お互いに生き方が下手なようですね(笑)」 してますね。敵も世界中にジャミングをかける事は出来 ないみたいです」
「美弥子さん、感じますか?」 OKです、応答がありました。このまま電波に乗っていきます」
やがて、前方の海上には退役空母のキティイーグルが 見えてきた。 護衛艦ゆきかぜ所属の連絡機です、貴艦への着艦を申請 します」
「きみさん、お疲れ様です。やっと休憩出来ますよ」
二人は艦橋のキャビンで30分の休憩を取っていた。 三人は握手を交わした。
「大統領の特別コールでゆきかぜからのお客をお迎えする とは本艦も自衛隊とは余程の縁があるようですね。真喜志 1尉の勇名は我々の間でも知れ渡っていますよ」
「今回も大役を命じられていると思いますが、どうか頑張って 下さい。我々も期待しています」 二人は改めて敬礼し、ゼンダーはブリッジに戻っていった。
「艦長自らあいさつに来るなんて、美弥子さん凄いですね」 F-15を10機落とした撃墜王という事になっているようです。 実際には3機で、能力を使っただけなんですけどね(笑)」 二人は並んでオスプレイに向かった。 甲板の整備員のGOサインを受けて美弥子は機体を上昇 させた。ブリッジではゼンダーらが敬礼して見送っていた。
きみ達はいよいよ、試練の待ち受けるアラスカへ飛び立って いった。
つづく 第十四章 「北限」 EPS:79 ノーラッド |