「よし、では他のメンバーを紹介する」

 

シャープ大尉に続いてきみ達は基地内の訓練区域にやってきた。

区域の出入り口には自動小銃を構えた歩哨が3人立っていた。

 

シャープ大尉達の姿を見ると、歩哨達は一斉に敬礼し内部に

電話を入れた。

 

「新入りの2名だ、すぐ訓練に入る」
「はっ、」

三人はそのまま訓練区域に入った。中はゆきかぜのCICを

10倍したような広いエリアで、5名のメンバーが誘導訓練

受けていた。

「みんな、注目してくれ」

大尉が声をかけるとメンバーが一斉に顔を上げた。
「本日付で日本から派遣された2名だ、明日には君達と共に

ステーションに発つ。ジョーンズ」
名前を呼ばれた士官が三人に近づいてきた。

 

「訓練担当のファイン少尉だ。具体的な作戦は明日説明する

それまでに顔合わせをやっておいてくれ」
「はっ、了解しました」

三人が敬礼する中、シャ-プは部屋を出て行った。

 

 

ジョーンズは二人に敬礼した。
「ジョーンズ・ファイン少尉であります、遠路ごくろうさまでした。

メンバーを紹介したら簡単な同調訓練だけ受けて頂きます、

後はタンクベッドで睡眠をとって頂きますのでお疲れでしょうが
後しばらくお付き合い下さい」

 

「ありがとう、少尉」

美弥子が笑顔で返した。
「みんな、10分間休憩する。集まってくれ」

少尉の声でメンバーが集まってきた。

「美弥子!あんた本当に美弥子?」

 

「ジョディ?えー、ここにいたの?」

二人は抱き合った。
「ああ、ジョディはフロリダにいたんだったな、二人は知り合いか?」
「ええ、1年間一緒に訓練を受けたわ。まさかまた会えるなんて

思ってもいなかった!」

「ジョディ元気そうね(笑)」
「ううん、そうでもない。他の仲間は世界中に散らばってるわ、

それに、この間シャトルで…」
「そう、大変だったわね。元気出して、またチームが組めて

嬉しいわ。ジョディ、こちらが仲間のきみさん」

 

「き・み・さ・ん?」
「ああ、きみって呼んで下さい、よろしく」

きみはジョディと握手した。
「OK。よろしくね、キミ(笑)じゃあこっちの仲間よ、マイク、

ピーター、マリンとカリン。この娘達は双子の姉妹よ」

紹介された四人はまだ10代に見える下士官だった。

 

「みんな士官じゃないのね」
「まだここに来て3ヶ月なんでね、いきなり少尉という訳にも

いかないのよ」
「そう…分かった。みんな、私はミヤコ、彼女はキミよ。よろしくね」

四人は一斉に敬礼した。

訓練が終わった後、チームは休憩室で食事をとった。

食事は宇宙空間を想定したチューブ食だった。早速、

双子の姉妹が口にチューブをくわえたまま興味津々で

美弥子に絡んできた。

「ねえねえ、ミヤコは日本の撃墜王なんでしょ?」

二人は声を揃えて同じ質問をした。

「あー、子供の頃を思い出すわ(笑)同じ顔が二つ並んで

同じ事を言うのね。私も双子なのよ」
「えー!本当?もう一人は?」
「日本に残ってるわ。ねえ、あんた達も軍人なら不確かな情報を

軽々しく信じちゃダメよ。私は撃墜王なんかじゃないの」

 

「えー?ミヤコはF-15を20機落としたってみんな言ってるわよ」
「あらあら、本土に来たら話が7倍になるのね。

良い?私が落としたのは3機だけ、実戦に出たのも1回きりよ」

 

「ウッソー!でも1回で3機落としたの?スッゴーイ!」
「まあ、アメリカにもなっちがいるのね(笑)」

きみが笑顔で姉妹を見た。
「ああ、キミはね、四人も妹がいるのよ」

美弥子の言葉に二人はまた反応した。

 

「エー!スッゴーイ!」

姉妹は何にでも感動するタイプのようだった。

 

「ねえジョディ、3ヶ月で何処まで養成出来たの?」

美弥子は真顔でジョディを見た。
「うん、一通りはね。シャトルの操縦は何とかなるわ、でも元々の

シンクロ率がね。合衆国もいよいよ能力者が不足してきた感じ」
「そうか、それで私達にお呼びが掛かったのね」
「はっきり言ってこのチームは正規軍とは言えないわ、まだ
候補生

の実習中ってとこね。でも、明日には上に上がらなければならない」

 

「補充兵はいないの?」
「この娘達が入ってきてからは全然。私達がやられたら終りね」
「そんな、」

きみが表情を曇らせた。

 

「分かった、シャトルは何処から出るの?」
「うん?ここからよ」
「ここ!?」

 

「明日になれば分かるわ(笑)さあ、しばらく地上ともお別れよ。

みんな、今日はゆっくり眠って体調を整えてね」

「ハーイ!」

双子が手を振りながら部屋を出て行った。他のメンバーも各々

居住区に引き上げて行った。

 

「さあ、きみさん、私達も行きましょうか」

 

 

互いにうなずいた二人だったが、先行きへの不安は隠せない

ままだった。

 

                                   つづく