君は。
6月22日
少しだけ、手紙を書こうと思う
これはほんの気まぐれだから読まなくてもいいんだ
君は、負けず嫌いだったね
俺もそんな君に負けないように、必死で逃げていたと思う
24時間戦争コンビ、周りの奴等にはそう言われていたのを思い出すよ
全く狩沢達は迷惑なんだから、ねぇ?
今君はもういない、こんな現実
君から逃げてた俺が馬鹿みたいじゃないか。
もう会えないっていうのに、君は俺になにも告げずに死んでいくし
なんで俺に伝えなかったの?そこが凄く、不満だよ
新羅に聞いたんだ、この事は
ついに身体に限界が来たんだって?面白いね、化物の君でもこんな
病気にかかるだなんて、考えてもいなかった
最後の最後まで、俺にボロだけは見せたくないって
意地、張ってたらしいね。これも新羅から聞いたんだ…
本当になんで俺には言ってくれないの?
そりゃ俺達ずっとずっと争ってきたけど、俺は本気で嫌いな奴を構う人間だと思うのかい?
ねぇ、君はどうしていなくなったの?
俺を置いていって、最後の最後まで君の素顔。見れなかった事
悲しいです。
もう少し無駄話をしてもいいかな
新羅からは君の過去とか、色々聞かせてもらったよ
昔の写真も作文も全部見せてもらえるものは見せてもらった
俺も君の笑顔、一度でもいいから拝みたかった
この際だから打ち明けてしまおうと思う
俺は君、平和島静雄
シズちゃんの事大好きだったんだ
信じてくれないだろうけれど、大好きだった
愛していたんだよ。普通の人間とか違う感情で――
♂♀
「ははっ、シーズちゃん!今日はやけに体力ないんじゃない?化物でも体力の限界ってものがあるのかなぁ?」
6月15日
今日は池袋に用事があったので、静雄にでもちょっかいを出して行こうかな。とか思いつつ、軽い気持ちで池袋駅に降りた。用事の前に、シズちゃんに会っちゃったんだけどね?
「っは、…るせぇな……黙っとけや、殺すぞノミ蟲」
現在路地裏、そういえば、シズちゃんに会ったのは久しぶりだと思う。池袋にひょこひょこ顔は出していたけれど、今思えば一回も会っていない。見かけもしなかった。
なんだろう久々に会って心が少し軽くなったと感じるのは、気のせいだろうか
「ん~?殺すとかいって、辛そうじゃなぁい?今日はここで一時休戦ですかー弱虫のシズちゃーん」
返答が返って来ない。別に返答を待っているわけではないのだが、いつもなら「五月蝿ぇ!!」と怒鳴られるのがオチなのだが。どうも今日の静雄の様子は可笑しいようだ。何かあったのかな?
相手を見やると、胸の辺りを押さえ、苦しそうに俯いている。呼吸もいつもより激しい様子だ。恋煩いとか?そんな事は考えていない、この様子は専門家でなくとも何か身体の調子が悪いことが解るだろう。
「…ちょっと、俺がわざわざ来てやったってのに何、その様は」
「……か、えれ。いいから、きょ…今日はも、…」
言葉に混じって、ひゅ。という音が微かに聞える。
額には普段俺といるときと違った青筋ではないもの、無数の汗の粒が絶え間なく静雄の顎から滴り落ち、首筋から下へと流れている。
「帰れってなにさ、シズちゃんついに降参?っはっはは、無様だねぇ!!今まで君が……ちょっと、聞いてる?」
先程から無言でこちらを睨んでいるが、鋭い光を宿していた目はだんだんと虚ろになってきて、今では焦点が合っていないように眼球が震えて見える、どうしたのだろうか、一体。
「おい、シズちゃん。どうし――
刹那
思いがけない事が起こる。静雄がそのまま地面へと突っ伏したのだ。
(――は?)
そのままピクリとも動かない様子で、流石の臨也も表情筋が強張る。
取り敢えず落ち着いて思考を巡らせようと必死になる、が、結果は残念ながら焦りと動揺という残念なことになってしまう。
(どうしよう、取り敢えず新羅かな?アイツなら、)
臨也は縺れる指先で、友人の岸谷新羅に電話をかけたのである。
♂♀
新羅宅
「気にしないで、特に問題はないよ。ちょっと風邪でも拗らせたんじゃないかな?」
「…そう。まぁ俺が着にかける事じゃぁないんだけど、目の前で倒れられたらどうもね」
特に問題なし―その言葉を聴いた瞬間、ほっとした。不覚だが安心してしまった
自分の可能ながら、真意が読めない。可笑しいだろうとは自覚しているが今回ばかりは、自分がわからない。
「それにしても、君は静雄をつれてくるとは思わなかったよ。これぞまさに天変地異!君の未来は明るくなったかもね!いやぁ僕としては感激だよ、これを機に静雄にもうちょっとやさし―」
「うっるさいなぁ、俺がシズちゃんに優しく?ありえないね、それじゃぁ俺は帰るよ。」
この時気付いておけばよかった、君の未来は明るくなったかもね!この言葉
シズちゃんの未来は?そこを含めるとすれば、きっと違う言葉だったのだろう。
「臨也、一応。お見舞いとか…」
「しないね。」
「…そう」
新羅はずっと前から知っている、静雄の身体の限界が近づいている事を
臨也はまだ知らない、静雄の身体の限界が近づき、静雄がこの世からいなくなる事を
静雄はもう知っていた、自分の体にガタが来て命があと僅かなこと。
静雄はまだ知らなかった、臨也も知らなかった、新羅は知っていた。
ふたりは、お互い想いあってるくせに、それに気付かず後悔することを―
続くかもしれません、お目汚しスマソww
久々の小説!!!