【62】いしい看護婦 | タイムスリップ闘病記

タイムスリップ闘病記

このブログでは30年以上前にタイムスリップして、闘病生活を振り返ります。
完璧な記憶ではないので、そこらへんはご容赦下さい。
沢山の先生方や看護婦さん、友人そして家族、一丸となって私を助けてくれたのです。
あの時、諦めていたら、自分は今存在していない。

521号室に引っ越してから、二人部屋に一人入院という状況で私はとても寂しかった。
特に二人部屋の広さに一人だけ入院していると夜は本当に寂しい。
空いている隣のベッドは大人用の大きさのベッドで、私は無理やり小児用ベッドを突っ込んでもらったこともあり、スペースが通常より余っている状態だ。

ある日の部屋担当の看護婦さんは、いしいさんだった。
いしいさんは背が低めのつぶらな瞳の少し化粧濃いめの看護婦さんであった。
髪型は肩ぐらいの長さでウェーブがかかった感じ、少し茶色だった。
体系はグラマーな感じで、好きなタイプであった。

小学三年生ではあったが、そんな女性が好きだったのだ。
夜の病室は特に寂しい。
小児科の消灯時間は夜の8時だった。
ただ、二人部屋は一人部屋の個室は、大きな子も多く、静かにするという約束で9時ぐらいまでは起きていた。
9時が過ぎると、看護婦さんが回ってきて、

「いつまで起きてるの~電気消すよ~」と消しにきた。
部屋の電気が消されると個室などはドアの上のガラスから差し込む廊下の光だけが、唯一の明りだった。
時々看護婦さんが廊下を通る足音はするが・・・。

この日、いしいさんは少し添い寝をしてくれた。
添い寝といっても、手を握ってくれるだけだ。
看護婦さんの仕事はハードだ、少し休みたかったのもあるのだろう。
でも、嬉しかった。

何か赤ちゃんにでもなった様な心地だった。
もう、小学3年生の9歳になるのだが・・。

私は仕事に戻ろうとするいしいさんに何度も
「もう少し」「あと5分」
などと呼び止めた。

いしいさんは何度かは一緒にいてくれたが、やる事は沢山ある、、、看護婦さんだ。
それも夜勤は3、4人しかいない

 でも、嬉しかった。
いしいさんが大好きになった。
少し安心した私は、誕生日に買ってもらった
白熊のぬいぐるみ、くまさんと眠った・・・。

もうすぐ退院だ・・。
入院生活、楽しいこともあった・・少し寂しい気持ちもある。