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漫画ときどき研究者

読んだ漫画と論文の感想を書いていくブログです。
ジャンプを読むように論文を読めるようになることが目標です。

評価:★★★★★★★★☆☆

ダブル・フェイス 24 (ビッグコミックス)/細野 不二彦
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ずっとよんでいた作品がついに最終回を迎えたので久々の漫画レビューです。
表は消費者金融の営業、裏では社会の悪を退治する“奇術師”というふたつの顔を持つ男の話です。
最初は数話完結型で水戸黄門的な型どおりの話なんですが、最終話に向けての段々と真相が明らかになって盛り上がっていくので、毎回次の巻が出るのが待ち遠しい作品でした。

元妻、そして小泉くんとの関係をどうやってうまくまとめるのかが気になっていましたが、個人的にはこれ以上ないすばらしい結末だったと思います。
ギャラリーフェイクに匹敵する、細野先生の代表作と呼べるこの作品、お時間があればぜひご一読を。


に参加してきました。
Yuh Nung JanとNobert PerrimonのKeynoteを初めとして、著名なハエ研究者のトークを聞けて大興奮でした。
未発表のようなので詳しくは書きませんが、個人的にはTian Xuさんの話がすごく面白かったです。
たくさん消化してあんまり吸収しないようにしたらダイエットになるやん、というキャッチコピーが魅力的で、とてもエンターテイニングな発表でした。
自分の研究に対しても色々示唆に富むアドバイスをもらい、やる気を充電して帰ってきました。
また、台湾で同じ系を使って研究している院生と友達になれたんで、これだけでも参加した甲斐がありました。

ただ、、、学会中ビデオをまわしているような輩がいたそうで、そういう点はかなり残念ですね。
こっちは遺伝子の名前とか包み隠さず出してしまいましたし、気合いを入れなおして早く論文になるようにがんばらねば。

Flies without centrioles.

Basto R, Lau J, Vinogradova T, Gardiol A, Woods CG, Khodjakov A, Raff JW.

Cell. 2006 Jun 30;125(7):1375-86.


気になっていた論文その2です。
古い論文ですが、歴史的な論文なので一度きちんと読んでみたいと思っていました。
中心体は動物細胞において重要な細胞内小器官の一つです。
中心体は微小管の伸びる“核”として働くことで、細胞の極性、細胞内輸送、細胞分裂etc...といった多くの現象に重要な役割を果たすと言われています。
しかし、中心体やその構成因子の中心小体が個体の発生に必要かどうかについては、ほとんど研究がなされていませんでした。
というよりも、中心体がなくなれば、もちろん個体も死ぬと思っていたんじゃないでしょうか。実際、線虫において、中心体の分裂に必要な遺伝子の機能を阻害すると、1細胞もしくは2細胞期で発生が止まってしまうそうです。ただし、あまりに早く発生が止まってしまうために発生のもっと後期の現象であったり、大人になってからも中心体が必要なのかについては調べられていませんでした。

そこで、筆者たちは、中心体を持たないハエを探し、解析しました。
まず、線虫で中心小体の複製に必要であるSas-4のショウジョウバエホモログDSas-4を同定し、その変異体(DSas-4[S2214])の幼虫脳では中心小体がなくなっていることを明らかにしました(ちゃんと電顕でも撮影して確認しています)。

DSas-4変異体のホモの個体は、大人まで発生するものの交尾ができずに子孫を残せません。そのため実際にはヘテロの個体同士を交配させてホモの個体を産ませているので、母性のタンパク質が残ってしまいます。その結果、中心小体が完全になくなるのは産まれて約一日経った、一齢幼虫のころからです。

逆に言えば、それ以降は中心小体がないのに幼虫と蛹を経て大人まで発生してしまったわけです。しかし、大人になるとうまく動けずにすぐに死んでしまいました。この原因として、機械刺激を受け取る感覚細胞が繊毛を形成できていないためであると議論しています。また、変異体の精子は鞭毛をもっていなかったので、やはり中心体は繊毛や鞭毛の形成には必須であることが確認されました。

また、neuroblastの非対称分裂への影響を調べたところ、Mirandaの局在が一部異常になる上に、紡錘体の向きも異常になり、30%くらいが対称に分裂してしまうようになります。
しかしながら、脳全体の構造や、さらには軸索の伸長方向にも大きな異常は確認されませんでした。

ということで細胞レベルではやっぱり中心小体は大事なんですが、個体レベルではある程度異常でも何とかやっていけるようです。また、中心小体がないからといって、全ての細胞の非対称分裂が異常になるわけではないので、代わりの役割を果たすものが存在するのでしょうか。

タイトルもキャッチーで本文も読みやすい、まさに一流の論文でした。
いや、面白かったです。