IFRSを適用した場合に要求される注記(前編) | 癒しの会計士の財務レッスン

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注記がとにかくたくさん要求されるのは USGAAP その次に IFRS そして少ないのが日本基準(現行)といわれています

IFRSが適用された場合経理の方は激務になるであろうと言われている理由の一つに要求される中期事項が多いことがあげられます


では具体的にどのような事項を開示しなければいけないのんでしょうか?
金融庁が好評した、2010年3月期に連結FSをIFRSで作成した場合の雛形を参考に要約してみましょう


1.報告企業に関する事項

いわゆるホームページに記載される企業概要の内容の他、財務諸表が連結か単体かがかかれます
(でも現在単体はIFRS基準で作れないのだから、必要ないような。。(笑))

2、作成の基礎

 (1)IFRS基準で作成している旨
    ここIFRS1号に基づいてで初度適用に関する事項が記載されます
    また、財務諸表をいつ誰が承認したかも記載されます

 (2)表示通貨および機能通貨
    
    財務諸表の通貨単位と帳簿の通貨単位に関する事項が記載されます

 (3)新基準の早期適用

3、重要な会計方針
 実はこれってIFRSで特に求められていないんですが、財務諸表を理解するための今までの名残ですかね(笑)

 (1)連結の基礎
   ・子会社も関連会社も実質的基準により判断されるので、それが支配基準によった場合と異な    る場合、なぜそうなったかの理由
   ・IFRSでは親会社と子会社・関連会社の決算期が異なる場合、基本的に今までのように
    ずれて連結することは認められない。でもどうしてもずらしてしか作れなかった場合、
    その理由
   ・子会社・関連会社の財務制限事情
   ・関連会社につき持分法ではなく比例連結を採用している場合、その旨
   ・ジョイントベンチャーに関してはどんな風に持分を認識したか

 (2)企業結合

 (3)外貨換算

 (4)金融商品
   ・測定基礎や会計方針
   ・種類ごとの正味利得・損失
   ・減損損失の認識基準
   ・取引条件が再交渉された金融商品にかかる事項
   ・現金および現金同等物を定義する上での方針
  
 (5)有形固定資産
   各種類ごとに測定基礎、減価償却方法、耐用年数、減価償却率

 (6)無形固定資産
   各種類ごとに自己創設かその他か、或いは耐用年数が確定可能か不可能か、可能であれば
   耐用年数・償却率・償却方法

 (7)リース資産

 (8)投資不動産
   原価モデルか公正価値モデルか 原価モデルがほとんどなんだろうな。。
   原価モデルの場合は減価償却方法・耐用年数・減価償却率

 (9)棚卸資産
   原価配分方法などの会計方針

 (10)減損
  
 (11)従業員退職給付
    数理計算上の差異に関する会計方針

 (12)株式報酬

 (13)引当金

 (14)収益認識
    物品の販売や役務の提供のみならず、投資不動産や配当利息に関する会計方針   
    (役務提供に関しては進捗度測定の方法も)

 (15)政府補助金
    財務諸表における表示方法を含んだ、政府補助金に関する会計方針

 (16)法人所得税

 (17)非継続事業

4 重要な会計上の見積もりおよび見積もりを伴う判断
  見積もりプラス、重要な会計方針を適用する過程で行った経営者の判断も
  将来に関する想定事項や不確定事項も開示が要求される

5 未適用の新基準
  公表はされているが適用されていないIFRSの強制適用日、適用予定日などの事項

6 事業セグメント

7 企業結合および非支配持分の取得
  非支配持分は今までいう少数株主持分

8 有形固定資産
 ・減損損失および減損の戻し入れ なんと減損が戻し入れられる事もあるわけですが、その場合詳細はここに。。。
 ・リース資産
 ・担保
 ・建設中の固定資産

9 無形資産
 ・償却
 ・重要な無形資産
 ・減損損失および減損の戻し入れ

10 投資不動産

11 持分法で処理されている投資
  関連会社・ジョイントベンチャーの要約財務情報などが記載されます

12 その他の投資
  流動資産・非流動資産別に公正価値で評価するもの、売却可能金融資産、満期保有投資の別
  および担保に関する事項が記載されます。

13 法人所得是税
  未認識のものも含んだ、繰延税金資産負債に関する事項、純損益を通じて認識される法人所得税
  、その他包括利益の各内訳項目関連する法人所得税、資本に直接認識された法人所得税および
  実効税率の調整に関する事項が記載されます。

14 棚卸資産

15 売掛金およびその他の債権

16 現金および現金同等物
 
17 売却目的で保有する非流動資産

18 資本及びその他の資本項目  
  授権株式数、発行済株式数、全額払込済の発行済株式、未払込額のある発行済株式数、自己株式

19 配当金



これでようやく約半分です(笑)

続きは次回(*^^;;


なお、細かい部分注意すべき点はいっぱいありますが、概略ということでご了承ください
実際に作成する際は原文に注意!