アイドルが小説を書く理由
加藤シゲアキ×櫻井翔
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
すごい不思議な感じする。
不思議っすね~
かしこまるとやりづらいので、いつも通りな感じで話させていただきますので。
最新作、読ませてもらった…
ありがとうございます
初めて読ませてもらったんたけど、あれ、本当に書いてるんだよね?

書いてるんですよ、僕。
僕、本当ずーっと言われてるんですよ。
ゴーストライターいるんじゃないかって。
ハハハハハ
でも、最近は、そのゴーストライターがいるっていうのは褒め言葉だなって思って。
加藤は「アイドルだから書けないだろう」。
書けなかったら「やっぱりアイドル面白いもの書けないんだね」ってなるんで。
書けたらゴーストライターって、そうやって褒められるのかなって思って。

そもそもさ、なんで…書こうと思ったの?
もともと本が好きなの?
全然好きじゃないです
いや、嘘だろ…えっ!?
本当に本が好きじゃなくて、国語の成績が一番悪かったんです。
本は友達との会話のツールに必要だから、流行物しか読んでなかったんです。
12、13歳からジャニーズ事務所に入って仕事していく中で、きっと一般的な学生生活を同じように過ごせなかった部分は少なくないと思う。
はい、終わって…そうなると、すぐ仕事へ行くんすよね、学校生活。
友達と過ごす時間が、学校でしかなくなっていくんです。
それが、すごい寂しくって。だから、みんなが見ている、例えばドラマとか小説とか映画とかは、仲良くいたいから一生懸命ついて行こうと思って観てました。
ふーん
それが凄い今になって小説では生きているのかなと思います。
本格的にこれ書きたいと思うのは、一番は…なんだったの?
当時…いろいろ…なんかこう、メンバー内ももめてたときに、自分が何か…武器みたいな物が欲しい、っていう事もあったし、
歌も僕よりうまい人もいるし、ダンスもうまい人いるし、お芝居もうまい人いるし、おしゃべりももっとうまいやつがいるし、自分…が、の存在価値に凄く伸び悩んでいた。
「自分が出来る事って、何かありますかね?」みたいな話を事務所の方と話してて。
自分に出来ることが本当に小説しかなかったし、小説書きたいって言ってんだったら、来月末までに書いてこいって言われたんすよ。
凄い会社だね
コレが出来なかったら俺一生何も出来ないなと思って書いたんです。
もし…グループがうまく行ってたら、そん時。小説家なりたいとは思わなかった?
思ってなかったと思いますね。

勝手に重ねちゃって読んでるからかもしれないんだけど、加藤のなんだろうかな…「出来なかったこと」「叶えられなかったこと」、そのコンプレックスみたいなのが作品に投じられる瞬間ってのがあるのかなって思ったんだけど。
自分が好きなのは「葛藤してる小説」だったり、主人公が苦しんでもがき苦しんで、そっからまぁ、どういう風に生きていくかっていう小説が好きになっているので、最初はどうやってこの主人公を苦しめてやろう…フッ…で、書いてるうちに
そうなんだ…
思ってます。
そこにまた感情移入していくの?
あ、時々こう…主人公が勝手にしゃべりだす…んですよね。勝手に動きだしたりとか。
僕がコントロールしなくても、その主人公が勝手に海に行ったりとかする…んですよ。海でなんかぼやいてる…んですよ。
大丈夫だよね?
ハハハハハ
いや、その…幻覚とか幻聴とかじゃないんです。
本当?
そうなんです。作家さんと何度か対談させてもらったことがあって、みんな同じ事おっしゃるんです。

あれ、なんでわざわざさ~、その…性描写のところいったの?別に…究極ではいかなくてもよかったじゃん。
そうなんですかね。やっぱり、まぁ、僕一番最初は、書きたい物語に必要だっただけなんですけど、そこを避けて作るということが、もしジャニーズだからという理由だったらいらないと思ったんすよね。
作家として忠実に誠実にやりたいという自覚があって、もし自分がジャニーズじゃなかった場合に、書きたかったらそれは書くべきだと思う…ったんすよ。
とにかく書きたい物に、なんかブレーキとかバイアスみたいなものは必要ないな、って思ったんすよね、今回。
ジャニーズだからタブーっていうものは「僕は大丈夫です」って言って、「それで出してください」ってお願いしてます。
どんな作家になっていきたいってのは自分の中でこう…あるの?
僕は賞を貰ってないんですよ。書き下ろしで、芸能人だから本を出してるだけで。
普通は新人賞取って小説家になるんですよね。その段取りをふんでないので。別に賞が欲しいって意味じゃなく、賞が取れるくらいの作家にならないと、自分はまだ半人前だなって…思ってしまう。
本を出版出来てってことの、整合性がとれない?
とれないんですよね。
やっぱりそれは、「ジャニーズだから」という物をまだ僕が超えられてないっていうことになってしまうので。
ちゃんと作品として世に出ても恥ずかしくない物を作るって事が、やっぱり最初の目標なのかなって思ってます。

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彼の属する“NEWS”というグループなんですけど、デビューのときは9人のメンバーでスタートしたんです。およそ10年たったら4人にまで減ってしまった。そんな中でいろいろ大変だったと思いますし、同じ事務所の人間として、加藤君の葛藤というのも近くで見てきたつもりではいるんです。
今回話をうかがって、加藤君の目が輝いていて、本を書く、また小説を書くという事で、自信を取り戻したのかなとも思いました。彼の作品みると、葛藤や苦悩っていうの、作品の主人公に表現されていて、読者の方、ファンの方、そこに共感したりするのではないかなと思います。
でも、楽しい時間でした。

