症状を治せずに悩むことは今でも時々ある。そんな時は師匠のノートや医案、先達が書いた本を紐解く。例えば最近では口渇を主訴に来た人に対して、知る限りこれでもかと口渇の方剤を用いても効果はイマイチ。
そういうことで、他に口渇の病機や方意あるかと探してみる。すると口渇の分類が一覧されている文献がいくつか見つかる。
これまでなら、それらを全てコピペするのがEvernote。勿論それはそれで必要だと今でも思う。しかし、zは違う。悩ましい患者さんに関連した部分だけをメモする。例えば感冒や下痢不明熱での口渇に対する方剤は除外する。またこれまですでに試した方意は敢えて書かない。勿論、思いつかなかった方意との鑑別のため、付記程度書く部分はある。
Zettelkastenはあくまで思考の道具、いうならば考える相手であることを徹底する。晩年ルーマン先生は自分より利口になったZettelkastenを相談相手にしていたという。それはいたったいどういうことか、雲を掴むような話である。しかし私はそれを目指したい。
とりあえずこの患者さんを治すために情報を集め検討して配薬することに集中する。そうしているうちに方剤の候補を見つけた。得られた知見を他人に説明できるような文章に整形して永久保存版メモに入れつつ、次回処方してみよう。