大学の後輩たちが多く参加しているアマオケ「アンサンブル・クオーレ」の定期演奏会に行きました。
プログラムは、
1)ヨアヒム・ラフ作曲「管楽器のためのシンフォニエッタ」(第一楽章)
2)ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン作曲、ヴァイオリン協奏曲
3)ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン作曲、交響曲第6番「田園」
このオケは、指揮者も独奏者も自分たちで出すという方針でいるそうです。
今回のソリストはオケの相談役でもある古株メンバー、大野晶弘くんが務めました。
ラフ(Joachim Raff, 1822-1882)はスイス出身のピアニストで作曲家です。
フランツ・リストに私淑してドイツに渡り、ハンス・フォン・ビューローと知り合います。
リストの助手としてリストの曲を編曲することで認められ、自作曲を発表し始めます。
交響曲は11曲、ピアノ協奏曲が1曲、ヴァイオリン協奏曲が2曲、チェロ協奏曲が2曲、弦楽四重奏曲が8曲、その他多数。
管楽器のためのシンフォニエッタは、5種類の管楽器が2つずつ計10人の合奏曲です。
フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルンの5種類です。
大野くんのソロはまさに全力の挑戦でした。大野くんのハイトーンはすこぶる美しいです。指もよくまわりますしリズムも正確です。
当日のテンポはかなりゆっくりしたものでした。ベートーヴェンのこの曲って(どの難曲でもそうですが)オクターブジャンプ(第一楽章の冒頭)や同一弦のポジションジャンプ(第三楽章の主題)がやたら出てきます。ポジションジャンプでは、たとえば最初のAとジャンプして戻ってきたAとがちょっとずれていたりします。でも、第二楽章は素晴らしい演奏でした。(カデンツァはすべて大野くんのオリジナルでした。これも挑戦ですね。どこかで聴いたようなメロディが・・・)
ユーチューブで見つけたなかでは最高の演奏、ヒラリー・ハーンでベートーヴェンの協奏曲
田園のテンポもかなり遅いほうでした。
田園(田園に限りませんが)は同じフレーズの繰り返しが多いです。
聴いている方としては快くても、弾いている側はどうなのでしょうか。
(コンサート後の飲み会でも、「この曲、長すぎ!」って声が何人かからあがりました)
ワルター指揮のコロンビアで「田園」
ワルターの演奏を聴いて改めて感じたのですが、オーケストラといえども、やはり「歌」がないと・・・
飲み会でも話が出たのですが、確かに田園の第五楽章のテンポはかなり遅いものでした。
遅いなら遅いなりに表現がしやすい部分もあるのですが、どうもピンとこないなあ・・・
そうか、「歌」がないんだ。(ヴァイオリンのトラの人もそう言ってました)
リズムの感覚も関係があるかもしれません。
第一楽章のテンポが遅くてちょっとモタれ気味に聞こえたのは、休符も含めて「拍」の感じ方に原因があるのでは? これは、やはりトラで乗っていたヴィオラの先生が言っていたことですが、日本の農耕型の動作は拍の感じ方が独特で、一拍打つと落ち着いてしまって次の拍の準備が遅い傾向があります。一歩進むと両足で踏んでしまうのです。でも、欧米の拍は常に片足が浮いている感じで、次の拍の準備ができています。田園第一楽章冒頭の「ン・A・Bb・D」の「ン」で落ち着いてしまって次の「ABbD」への流れが固くなってしまいます。たまたま私が北海道で撮影してきたアイヌ協会の「ポロリムセ」(輪踊り)の動画を見せたところ、「リズム感が違う」という感想が得られました。アイヌの踊りは狩猟の動作から来ているのでしょう。
「歌(カンタービレ)」と「動きのある拍感覚」・・・
テンポの速い遅いではなく、この2つこそ快い演奏のカギなのですね。
ラフにはヴァイオリン曲のけっこうあります。
ピアノとヴァイオリンのための「カヴァティーナ」
カヴァティーナとは、「歌のような」という意味だそうです。



