7月15日から渋谷のBunkamuraミュージアムで「ベルギー奇想の系譜」展が開幕しました。
9/24まで。
15世紀から現代までのベルギー美術を「奇想(Fantasie)」というテーマでまとめて見せてくれます。
展示は三章構成です。
第1章:15−17世紀のフランドル美術
第2章:19世紀末から2004年世紀初頭のベルギー象徴派・表現主義
第3章:20世紀のシュルレアリスムから現代まで
入るなり、けっこうショッキングなオブジェが見られます。
ヤン・ファーブルの「フランダースの戦士(絶望の戦士)」(1996)
甲冑の胴のうえに長い耳(角?)の生えた頭が乗り、甲冑は細い2本の木材が支えます。
その「頭」は、無数の虫からできています。青や緑の光沢ある甲虫たちです。思わず、玉虫厨子を思い浮かべてしまいました。
展示本体は、章立て通り、15〜16世紀から始まります。
期待していたヒエロニムス・ボスその人の作品はあまりなかったですが、「ボス派」と称される作家や工房のおどろおどろしい(でもどこかユーモラスな)怪物たちが見られて楽しかったです。
目玉は、やはりボス派工房の作品「トゥヌグダルスの幻視」(1490-1500)でしょう。フライヤーのトップ飾っています。
放蕩の騎士トゥヌグダルスが天使に導かれて天国と地獄をめぐる話がモチーフです。
絵柄はユーモラスですが、教訓はけっこう真面目です。
いわゆる7つの大罪(激怒、嫉妬、怠惰、強欲、大食、邪婬、傲慢)のうち、左上に傲慢、下に嫉妬、中央に貪欲(硬貨のたらいに浸かっている人々)、中央下に邪淫(サイコロに座っている)、右上に怠惰(寝ている人物)、下に激怒(刀が刺さっている)と大食(酒を飲まされている)。
随分とおだやかな地獄ですね。
ピーテル・ブリューゲル(父)の「ボス風」奇想画もありました。ペーター・ルーベンスさえ、当時は奇想風の絵を描いていたそうです。
P・ブリューゲル(父)とファン・デル・ヘイゲンの「聖アントニウスの誘惑」(1556)
その後、19世紀〜20世紀初めにいたるまで、ベルギーでは様々な不思議な絵たちが生まれます。
ベルギーの不思議な絵といえば、何と言ってもデルヴォーとマグリットです。
両者ともに色々な機会に作品を見かけていますが、何度見ても不思議な魅力があります。
デルヴォーは古代と現代の混在した風景に表情の曖昧な裸婦たちが群れているというのが多いのですが、今回もそうでした。
「水のニンフ(セイレン)」(1937)
マグリットはご存知のとおり「だまし絵」風です。
「9月16日」(1968)
19世紀の幻想的な絵画には美しい作品が多いです。
今回は、これ。
ド・ヌンクの「黒鳥」(1895)
そして、フェルナン・クノップフ「捧げもの」(1891)
今回の展示で新鮮だったのは、ベルギーの現代作品です。
冒頭に挙げた「戦士」よりも衝撃だったのが、「逆さ髑髏」。
レオ・コーペルス「ティンパニー」(2006-2010)
肋骨の中に金塊を抱えた骸骨が口に絵筆をくわえて逆さに吊るされ、頭のすぐ下にはティンパニーが。
会場では実際にティンパニーを鳴らしませんでしたが。頭蓋骨が落ちてきてリズムよろしく演奏をする映像が流れてました。(何とも言えない気分)
考えさせられるなあと思ったのは、トマス・ルルイの「生き残るには脳が足らない」(2000) 。
小さな体に大きすぎる頭。
人類の現状? それとも、私?
本当に動く大型水上乗り物(パナマレンコ作「スコッチ・ギャンビット」(2004))の原型モデルや音声だけの展示(マルセル・ブロータールスの「猫とのインタビュー」(1970))など、かなりユニークな作品もあります。
展覧会の後は、いつもの名曲喫茶「ライオン」
定時コンサートは、フルトヴェングラーでブラームスの交響曲4番

家に帰ってきて、調子に乗ってちょっと練習。
お酒を飲んでの練習はいけません。
僕って上手だなあって、勘違いします。













