東京駅近くの三菱一号館美術館で「シャルダン展―静寂の巨匠」を見ました。
今回の展示は、日本で始めての個展だそうです。
名前はまったく記憶にないのに、絵は確実にどこかで見ている・・・そんな作家っているものですが、私にとってジャン・シメオン・シャルダン(Jean-Baptiste Siméon Chardin、1699-1799)はそういう存在です。フランス18世紀の「静物画」「風俗画」の巨匠だそうですが、この時代のヨーロッパ美術は古典主義の歴史画やロココの華やかな人物画しか知らない私は、この手の絵画には疎いです。
当時のアカデミーでは静物画の地位は低く、シャルダンはかなり成功した作家だったはずが、歴史画の画家に比べて収入などで格差があったそうです。途中で風俗画に転換し、国王に作品を献上するまでになりますが、晩年また静物画に戻ります。
もうすでに大家になり、アカデミーで職(展示コーディネート役など)を得ているので自分の描きたいものに戻ったように見えます。でも、それにしても、なぜ静物画なんでしょうか。
個人的な趣味だけで言えば、彼の静物画はどうも地味にすぎます。
花をほとんど描いていません。
食卓や台所の器や食材が今回の展示では中心を占めています。
有名な(私すらよく目にした)ところでは、死んだ野兎や魚、肉の塊、桃、李、ぶどう、銀のゴブレット、ナイフ、白い陶器、ナプキン、籠、など。
野兎はシャルダンの原点?
花瓶を描いた唯一(と言われる)絵。
「カーネーションの花瓶」

個人蔵の貴重な静物画も展示されました。
「木いちごの籠」

これらは、色彩が比較的鮮やかな方の絵です。
今回、初来日の「羽をもつ少女」
当時、大人気を博し、貴人からの注文があいついだ「食前の祈り」
可愛いですね。

「教育」と題された2枚。
「デッサンの勉強」
「良き教育」
聖書を暗唱する少女
今回の展示では少なかったのですが、シャルダンの描く人物は「まなざし」が優しいです。
彼の最初の結婚は不幸でした。妻と娘を一度に失くします。画家として期待した息子にも先立たれます。
彼の二度目の結婚は、彼に生活の余裕をもたらしました。相手が資産家の未亡人でしたから。
(いいな・・・(^-^;))
私は、彼の風俗画の方が好きです。
頭が単純ですから。
三菱一号館美術館「シャルダン展」
来年の1月6日までやってます。


