新しいことはもちろん、昔に覚えたこと、知っているはずのことさえもけっこう忘れています。
「勉強法」の類はあまたあるんでしょうが、最近は歳のせいか、「記憶法」が気になります。
私は昔から「丸暗記」が苦手でした。
現代国語の名物講師、出口汪(でぐち ひろし)さんが「記憶術」の本を出しました。
『奇跡の記憶術』(フォレスト出版)
出口さんは、記憶と論理力と学習との三位一体を主張します。
特に、論理力と記憶術とは密接に関連しています。
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丸暗記では、(出口さんの引用した脳科学では)わずか20分の間に40%以上を忘れてしまうそうです。
「忘却曲線」(記憶量の減少曲線)とでもいうべきショッキングな理論を挙げながら、「だからこそ正しい記憶術を」と出口さんは力説するのです。
記憶には深さ(残る強さや時間)によって4段階あるそうです。
ファミリア:見たことがある程度。すぐ忘れる。
リコグニッション:選択肢など何かヒントがあれば思い出す水準。
リコール:ヒントなしでも思い出す水準。通常はこれが目標。
オートマティック:もはや一生もの。意識しなくても出てきて使える水準。
(海馬とか側頭葉とかの話は、ここでは省略します。)
出口さんは、「メタ記憶」という言葉も使います。
自分で自分の記憶を管理し計画することです。
(出口さんは「超自我」という言葉を一度だけ使いますが、「メタ自我」と言った方がいいでね。「超自我」だとフロイトだと思われちゃいますから。)
モニタリングとコントロール、そしてスケジューリングという作業を提案しています。
要するに自己チェックとか自己テストですね。
記憶は、反復が命です。ただ、反復の仕方が問題です。
忘却は指数曲線状に推移するので、早めに2回目の記憶作業をするとよいそうです。
目安は1時間後くらい。
3度目は次の日。
4度目は一週間後。
そして、丸暗記は効率が良くないし本当の意味で使える知識にならないので、出口さんは論理力との適切な連携を主張します。
本来、「分からなものは覚えられない」ものです。
出口さんは現代国語の先生らしく、「言語能力」と「論理力」を強調します。
その基礎は「他者意識」です。
つまり、「言わなくても分かり合える」ような「身内」ではなく、普遍的で論理的な説明をしないとわかってくれない「他者」を意識することがコミュニケーションでも学習でも必須の出発点になるということです。
記憶術に関心のある私は、この部分が長いので少し読了するかどうか迷いましたが、さすがにいいことを言ってます。
読解は(会話の理解も?)当然に論理的な作業です。
筆者の主張(A)を掴むことが目標です。
でも、その手前で文章や話はいろいろな「手続き」を経るものです。
それが「論理構造」です。
そこにある主に3つの「関係」を読み取ることが必須になります。
「イコールの関係」:A=A’(主張の言い換えや実例、他からの引用)
「対立関係」:対比となどによって主張(A)を際立たせます。
「因果関係」:日本人の評論ではA’で満足しがちな傾向があります。A’とAとの間には、さらに理論的な結びつきが必要です。
確かに、学術論文ですら、有名な偉い学者からの「引用」をすれば主張が「証明」されたかのように書かれている例は多いです。
出口さんは、記憶と論理を一体的に組み込んだ学習法を提唱しています。
さっそく授業でやってみよっかな。
いや、その前に、自分もちょっとは賢くならないと・・・
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