先週、「ユベール・ロベール展」を見たばかりですが、そういえばもうひとつ特別展があったなあ。
ピラネージ『牢獄』展
ジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージ(Giovanni Battista Piranesi, 1720-1778)という作家の牢獄ばかりの版画展があったはず。
ピラネージは、自分では建築家を名乗っていたそうです。
ただ、牢獄といっても、まったく架空の風景です。
廃墟のロベールに似てますね。
その版画はかなりリアルに描かれていますが、あまり機能的には見えません。
彼の巨大な「監獄」は地下にあって、上を見上げるように描かれています。
ピラネージは、古代ローマの建築が好きだったようです。
巨大なアーチ、渡橋、古代ローマ風の(ライオンなどの)彫刻を施した柱、大きな鉄の鎖、処刑のため(?)の地下広場、炎と煙・・・。
モノクロで殺風景で、いかにも非人間的な風景です。
なぜこんなものをせっせと描いたのか。
地味で暗くて不気味なうえに「ワンパターン」です。
そのせいかどうか、ショップにも絵葉書などはありません。
図録もありませんでした。
しかし、ロベールの廃墟とはまた違った迫力があります。
ロベールの廃墟と同時に展示なんて何か意味があるんではと思ってしまいます。
どちらも古代ローマを模しています。
地上の陽光の下には神々や美女が輝く肢体を見せていますが、その地下には暗い監獄があって・・・。
ロベールの廃墟はユートピアを、ピラネージの監獄はディストピア(逆ユートピア)を表している・・・そんなふうに妄想してしまいました。
物事には二面があるのです。
ローマにも、女性にも。
監獄の版画が思いのほか少なかったので、久しぶりに「常設展示」も見ました。
何度も見ているのですが、やはり傑作ぞろいです。
女性の肖像画だけ見てまわりました。
様々な表情があります。どれも美しい。
①聖母の気高い悲しみ。
②祈る少女の澄んだ瞳。
③自らの美貌と才能を満面に見せる誇らしげな美女。
④妖しくも儚い表情の裸婦。
⑤満ち足りた表情でポーズをとる貴婦人。
①カルロ・ドルチ「悲しみの聖母」 (左上)
②ウィリアム=アドルフ・グーグロー「少女」(右上)
③マリー=ガブリエル・カペ「自画像」(左下)
④グイド・レーニ「ルクレティア」

⑤ジャン=マルク・ナティア「マリー=アンリエット・ベルトロ・ド・プレヌフ夫人の肖像」
今まで人物画にはあまり興味はなかったのですが、女性のものだけは集めてみようかな。
やはり、私、廃墟より、もちろん監獄より、美女が好きです。
今年だけ?
梅と桜の共演(いわき)




