2011年3月26日(土)アメリカ東部時間
今日はボストン美術館に行ってみよう。開館は10時なので、9時の朝食を食べたらすぐに出かけるとしよう。食堂のテーブルにつくと、まだ他のお客は出てきていなかった。食べていると、後ろから若い男性が「おはようございます」と声をかけてきた。
いつもより30分ほど早く宿を出て、9時45分くらいの車両に乗ったら、South
Stationまでノンストップだった。土曜日だからか? Park StreetでグリーンラインのOutboundのEという線に乗り換える。Heath street 行きの線である。グリーンラインは方面が多いので間違えやすい。以前のとおり、Northeastの手前で窓が明るくなった。そのまま地上を走って、Museum of
Fine Arts駅で降りると目の前にある。今回は正面から入った。ボストン美術館は改築して新館ができていた。新館ではAmerican Art専門の部署になっている。大人一般客は20ドルした。閉館は4時半くらいだったか?新館の1階は広い空間が開けていて、New American Cafeという名のカフェになっている。本当は屋内なのだが、あまりに天井が高いので外にいるかのようだ。周りから(上からも)見られながら飲み食いするのは苦手だ。アメリカ美術は地下も入れて4層の展示フロアになっている。地下は、マヤ文明や古代ネイティヴ文化の展示もある。ざっと駆け足で見まわることにした。絵画や彫刻だけでなく、調度や日用品が必ずと言ってよいほど各展示部屋に置いてある。椅子、机、暖炉といったものに絵画を併せて展示するスタイルが多く見られた。また、銀食器の類が多い。以前来たときに見た記憶があるポール・リヴィア2世の作品も最初に目に付くところに置いてある。
下から階を上がっていくにつれて時代が下るようにしてある。ピューリタン移民時代、独立前後、新国家建設、南北戦争後(アメリカン・ルネサンス)、19世紀から20世紀をまたぐあたり、20世紀前半、第二次大戦後、そして現代とかなり細かく区分されている。ボストンの美術学校出身の作家にも光を当てている。すべて見たわけではないが、印象に残った作家と作品がいくつもある。肖像画ではコプレーとサージェント、特にサージェントである。風景画ではレインとヘイズ、ホーマー、ホッパーなど。アメリカの風景画は好きだ。そもそもヨーロッパの風景とは質が違う。荒くて力強く、しかしどこか寂しさがある。ワイエスの絵もひとつだけあった。男の子が2人で海岸近く(だろう)に座っているだけの絵である。以前、彼の絵によって初めてアメリカの絵画を見直したのだが、石や貝殻や荒れ果てた土がどうしてこんなにも精神性を持つのかと驚異を感じたものだ。抽象的なところでは、オキーフ、シーラーなどが良かった。
今回も日本庭園には入れなかった。まだ時期が早く、もう少し暖かくなってから公開するそうである。ギャラリア・カフェ(1階のミュージアム・ショップの前)でクッキーとスニッカーズ(チョコバー)とクランベリージュースを買って一休みした。2階にレストランがあるが、どうも昼間たくさんは食べない習慣がついてしまったようだ。日本美術を覗いてみた。以前はたくさん出ていた日本刀が今日はひとつもない。日本刀の付属品である鍔とか懐剣などは展示してあるが、抜き身の名刀はどこにも見当たらない。浮世絵はいくつか出ていた。もちろん、本来所蔵している量にはまったく見合わない数であるが、現在は他に貸出しているのだろう。仏像の展示も、以前と変わらず少数かつ非体系的である。楽器展示室も見たが、ウィーンの王宮のものとは天地の違いである。しかし、ヨーロッパ絵画はすごい。狭い廊下で、ふと見るとミレーだったりする。ゴーギャンの「我々はどこから来て・・・」など有名な所蔵品はだいたい前回見ているが、それでもまだ見切れないほどの名作がうなるほどある。ショップでは、気に入った画家の絵ハガキを15枚ほど買った。
帰りの地下鉄は「各駅」だった。ただ、Museum of
Fine Arts駅では改札も何もなかった。車内でもチェックがなかった。尤も、これだけ混みあうと、それはできそうもない。自分は7日間パスを買っているが、他の人たちは基本的にフリーパスの可能性がある。Park
StreetでBrain Tree方面に乗り換える。Ashmont行きには乗らないように気をつける。JFK/UMASSでいったん降りればいいのだが。Park Streetのホームで目の前の白人のカップルに黒人とおぼしきフードの男が何やら声をかけている。声をかけられた方の男性が1ドルか5ドルかの札を出していた。もう一人か二人に声をかけていたが、こちらには来なかった。6年前には見なかった光景である。ただ、こうしたことが増えているかどうか旅行者の印象で断言できないが。
宿にはまっすぐ帰った。明日は日曜日、さてどうするか。買い物か、翻訳か、それとも惰眠か。