前期最後の出校日(試験監督)なので、付属の美術館に入りました。
東京富士美術館「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」(~9/29)
ほぼ自由に撮影できます(フラッシュは不可)。
印象派絵画の展覧会なのですが、けっこう自分の印象派に対する「印象」とは違ってました。
アメリカの絵画作品が魅力です。
今年は「印象派」という呼び名が生まれてちょうど150年目です。
はじまりは、モネの「印象、日の出(Impression, soleil levant) 」(1872)。
1874年に公開されたこの絵に対する「確かに印象だ。いい加減すぎる。壁紙の方がまし」というルロワ氏による揶揄から「印象派」という名称が生まれました。この絵は出品されていませんが。
↓
今回の展覧会はアメリカのマサチューセッツ州にあるウスター美術館の所蔵品が中心です。
ウスター美術館は、世界で最初にモネの「睡蓮」連作の一つを購入しました。その「睡蓮」も展示されています。
(下の画像は展示部屋入り口にある大画面です)
素人の私にとって、フランス印象派のイメージは。
屋外
光(と水)
粗い筆致
日常的な題材
といったところです。
究極は点描かな
シニャックの「ゴルフ・ジュアン」(1896)
ゴルフ・ジュアンは彼がヨットを置いているリゾート地です。
アメリカでも多くは風景が題材になります。
チャイルド・ハッサム(アメリカ印象派の代表者)の「コロンバス大通り、雨の日」(1885)
今回の「目玉」、チャイルド・ハッサムの「花摘み、フランス式庭園にて」(1888)
私の勝手な印象派の「印象」は風景や風俗なのですが、心に残ったのは人物画でした。
室内に外光が入ってきた表現
いいですね。
エドマンド・チャールズ・ターベル(ボストン派と呼ばれるグループの代表者)の「ヴェネツィアン・ブラインド」(1898)
人物がいたり肖像画だったりしますが、味がありますね。
粗い筆致と外光の表現を通して人間性まで浮かび上がってくるような気がします。
マックス・スレークト(ベルリンの印象派)の「自画像」(1910)
フランク・ウェストン・ベンソン(アメリカ)の「ナタリー」(1917)
凛とした女性像。いいですね。
外光で描く人物画の魅力を発見したのは収穫でした。
印象派はさらに極東の日本にも影響を与えました。
今回は日本の絵画も展示されています。
黒田清輝の「草つむ女」(1892)
斎藤豊作の「風景」(1912)
今回の日本人画家の絵の中で一番好きです。
9月いっぱいの開催。