死生観について | 中島旻保の大人の絵日記

中島旻保の大人の絵日記

医療者でありながら一方では、政治経済のことになると言いたい事が沢山あるそんな中島旻保のコラムとも言える絵日記

人間の「誕生と死」の両方について知ることは大切である。誕生の瞬間を覚えている人は誰もいない。また死の瞬間もまた体験困難である。テレビで見るような頭ががっくり落ちる最期の場面に出会ったことは一度もない。これは、メディアと大衆が作り上げた死のイメージである。

一般的に病院で見られる死では、死の直前ないし数日前から譫妄や昏睡に陥る。この時点で意識水準と認知能力の低下をきたし、現実能力が損なわれて言動にまとまりを欠き、幻覚と妄想を伴い、朦朧としてうわごとを言っている状態になる。このように人生の最期では、死に瀕している事態を本人が正確には把握することができない。

 

参考資料:医学哲学・医学倫理