面白いというか興味あるニュースが入ってきた。野生のチンパンジーがヒョウの獲物を手に入れて食べるところが観察された。
人類(ホモ・サピエンス)が肉食獣を追い払って獲った獲物を横取りする「対峙(たいじ)的屍肉食」することは当たり前のように行われたが、人間に最も近縁なチンパンジーがそうしたことをする証拠が今までなかった。今回アフリカ東部のタンザニアにあるマハレ山塊国立公園の森林地帯でチンパンジーの群れがレイヨウ(羚羊)というアンテロープの屍体を木の上で食べていたという貴重な様子を観察した。
私もケニアに行ったとき、バブーン(マントヒヒに似た動物)がライオンやヒョウなどの獲物を食べていたのを見たように思う。ハイエナやリカオンは他の獲物を横取りするのは当たり前だが、チンパンジーが横取りした話は聞いたことがない。これは、これまで考えられていた以上に古く、人類の系統より以前に遡る貴重な発見である。
