「君が代」のさざれ石 | 中島旻保の大人の絵日記

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医療者でありながら一方では、政治経済のことになると言いたい事が沢山あるそんな中島旻保のコラムとも言える絵日記

 

 オリンピックの表彰台や国事で歌われる国歌「君が代」に出てくるさざれ石は一体どんな石だろうかと思いたくなる。先日千葉のある公園に行ったら歌に出てくるさざれ石が祀られていた。

 

「君が代」は平安時代、文徳天皇の皇子に使えた藤原という人が、春日村のさざれ石を見て詠んだ歌が「わが君は千代に八千代にさざれ石の巌となりて苔のむすまで」の一首であった。さざれ石を漢字に書くと「細石」になる。この小さな石が長年をかけて巌のような石になる。なぜ小さな石が大きくなるのか、それはさざれ石の成分が炭酸カルシウムや水酸化鉄であり、これら小さな石と石の間にこのような成分がはさまってくることにより石同士がつながり、やがて大きな石になってくる。

 

学術的には「石灰質礫岩」といい、雨水によって石灰石の成分が溶け出すことで、粘着力のある乳状液が表面に流れ出てゆくことで周辺の小石がつなぐ役割をなすようだ。

小さな石は我々一人ひとりをさし、その石が思いを一つに国を敬愛し、もっともっと良くしていこうと願う尊い思いが長年かかって巌のような大きな力になるという意味が込められているようである。代表的なものとしては京都の護王神社、勧修寺、賀茂御祖神社、岐阜県の揖斐川町にあるさざれ公園、三重県二見浦の夫婦岩がある。

参考資料:和の心手帖 百科事典