「便秘なんて病気じゃないから・・・」お尻の悩みだけは誰にも言えなかった | みのり先生の診察室

みのり先生の診察室

5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

溜まりに溜まっている患者さんが書いて下さったアンケート。

 

やっと2023年分に突入しました。

 

患者さんから要望が多く、楽しみにしている方も多いので頑張ってご紹介していきますね。

 

今日ご紹介する患者さんは60代女性。

 

肛門のかゆみに悩み受診されました。

 

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この患者さんは小学校の頃から症状があったそうです。

 

かゆみがでてきたのは5年前から。

 

残便感があり、たまに激しい運動をするとショーツに少し便が付くことがありました。

 

ウォシュレットは排便に関係なく使っておられます。

 

洗い過ぎなのか皮膚が赤くなってきたとのこと。

 

市販のかゆみ止めを塗ってもなかなか効かないので婦人科で診察してもらいステロイドを出され塗っておられました。

 

塗るとすぐにかゆみはおさまるのですが、やめるとしばらくしたら再発。

 

また塗る→治る→再発・・・を繰り返しておられました。

 

便通は毎日はありませんが週に5日くらいは出ています。

 

診察すると肛門周囲の皮膚がただれて真っ赤でした。

 

そしてコロコロ便が出口に溜まっています。

 

今日はまだ便が出てないとのこと。

 

便が溜まっているけれど便意はありません。

 

昨日は排便があったとのことなので、このコロコロ便は昨日の出残り便でしょう。

 

昨日はやわらかかったけれど、一晩寝かせて熟成された便は古くなって固まります。

 

坐剤を入れて出して来てもらい肛門を空っぽにしました。

 

かゆみの原因は便なので、肛門に残ったり溜まったりした便を出さなければか完治しません。

 

典型的な「肛門そう痒症」です。

 

皮疹もあるので肛門そう痒症に対するステロイド外用剤漸減療法をすることにしました。

 

 

そしてこの患者さんの肛門のしまりが年齢の割にゆるかったのです。

 

実は長年、肛門のかゆみで悩んでいる患者さんの肛門のしまりがゆるいということはよくあることでして・・・。

 

直腸や肛門に便があると、排便反射が起こり内肛門括約筋が弛緩します。

 

これは自分で意識して弛緩させているのではなく自律神経の反射で起こるため、便がずっと出口にあると、この反射で内肛門括約筋は弛緩した状態となります。

 

それが日常的に長年起きると肛門がゆるみっぱなしの状態になり、しまりがゆるくなっていきます。

 

出口の便をちゃんと出し切るようにしたら、しまりが元に戻るケースも多いですが、この方の場合は、小学生の頃からの便秘だったせいか完全には戻ってくれませんでした。

 

 

ステロイド外用剤漸減療法で皮疹が完全に消失し、ステロイド治療も終了し、あとは検診だけ・・・だったのですが、なんと、肛門ヘルペス汗

 

肛門ヘルペスの治療とかゆみ治療の両方をしなければなりません。

 

栄養状態も悪く、コロナワクチンを4回接種されたあとだったのでワクチン後遺症と診断し治療、再度ステロイドを使いました。

 

その後は順調に経過し完治終了となったのですが、ワクチン接種者の治療の難しさを感じた症例でした。

 

一筋縄ではいかないことが多いのですタラー

 

 

肛門ヘルペスも多いですし帯状疱疹もいっぱい診ましたから。

 

 

残念ながら便をちゃんと出すようにしたけれど肛門のしまりは戻りませんでした。

 

 

肛門は便の通り道です。

 

便が通過していく所であって便を溜めておく場所ではありません。

 

いつも空っぽなんです。

 

そこに便はありません。

 

私が診察しても無いはずだし、坐剤を使用しても何も出ないという反応が正常です。

 

 

肛門を空っぽにする習慣を付けると、鈍っていた肛門や直腸の感覚が元に戻り、便が下りてきたら分かる、便意を感じる、排便反射が起こって便が出るようになります。

 

そうなるまで頑張って坐剤を使い続けることです。

 

 

完治終了して通院が終わったあとも出口の便秘が治るまで続けて下さいねウインク

 

 

肛門のかゆみは排泄の結果です。

 

間違った排泄を繰り返せば、また肛門に症状が表れます。

 

 

だからかゆみの根本治療は薬を塗ることではなく、便を出し切って肛門の中を空っぽにすること

 

 

この患者さんは年1検診に来られていないのでその後の経過は不明です。

 

コロナワクチンをまた追加で接種されているかも分かりません。

 

私が時間をかけてワクチンのことを説明しても、予防効果を信じて接種する患者さんもおられますからあせる

 

そこは本人の選択ですからね。

 

ただ私は伝え続けます。

 

知った上で選択してほしいから。

 

 

 

肛門そう痒症に関しては学会のホームページに市民向けの記事を執筆しています。

 

「怖いかゆみ」もありますので是非お読み下さい↓

 

 

この患者さんが観られた石黒先生のYouTubeライブはコチラですね↓

 

 

 

 

 

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