必ず便を出してからもう一度診察する理由 | みのり先生の診察室

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5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

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うちの診療所では肛門の診察を丁寧に時間をかけて行っています。

 

色々な肛門科(を掲げる施設)を何軒も回ってから来られる患者さんから

 

「こんなに時間をかけて診察してもらったのは初めてです」

 

とよく言われます。

 

私たちは自分たちの診察が普通だと思っているので一体何がどう違うのか患者さんに尋ねてみると

 

「今までの先生はササッと指を入れてすぐに抜いて終わりでした。こんなに奥の方までグリグリと指を入れてないし、便があるとか無いとか、そんなことも何も言ってくれませんでした」

 

と。

 

なるほど・・・。

だから奥にある直腸癌を見つけてもらってないんだ・・・と納得。

 

 

肛門科なので主に痔疾患を中心に診療をしているのですが、指で届く範囲、肛門鏡で見える範囲は肛門の数cm奥まであるので、そこもしっかりとチェックしています。

 

皮膚科医から肛門科医に転身して、肛門の診察を教わったとき「肛門から触れる直腸癌だけは見逃すな」「奥に癌があると思って必死で触りにいけ」と言われました。

 

指の長さは医師によっても違いますが、しっかり奥まで突っ込むと予想外に届きます。

 

何度、直腸癌を見つけてきたことか・・・。

 

 

だいたい診察に来られる患者さんを診察すると肛門や直腸に便があるので、新レシカルボン坐剤や浣腸を使って、便を出し切ってからもう一度診察をします。

 

必ず。

 

便があると癌やポリープが分からない、癌なのか便なのか分からないことも往々にしてありましたから。

 

トイレで排便をすませてからもう一度診察すると、直腸がおりてくるので、さっき触らなかった癌やポリープを触知できることが結構あるのです。

 

もちろん病理組織を調べてみないと癌であるのか良性のポリープであるのかは分かりません。

 

でも直腸癌の場合は触診で分かります。

 

今まで外れたことがありません。

 

 

すぐに外科を紹介し、急いで受診してもらわなければならないので、患者さんには正直に説明しています。

 

結構、大きな癌でも手術で切除すれば予後も良く、皆さん元気に過ごされています。

 

「先生が見つけてくれたおかげで命拾いした」とお礼を言いに来られた患者さんもたくさんおられました。

 

いまだに年に1回のオシリ検診に来られている患者さんもおられます。

 

わざわざ遠方から。

 

 

先日来られた若い女性患者さん。

 

診察すると直腸に何か触れたのです。

 

便かな・・・と思って新レシカルボン坐剤を入れて残便を出して来てもらいました。

 

キレイに空っぽになった直腸をもう一度診察すると・・・便はキレイに出し切れているのですが、やはり何か触れます。

 

癌のような硬さはありません。

 

ポリープかな・・・若いから大丈夫だろうけど、これは大腸内視鏡検査を受けてもらって切除してもらったほうがいいと判断し、患者さんに説明しすぐに検査に行くよう言いました。

 

 

初診から2週間後。

 

診察室に入って来られるなりお礼を言われました。

 

「先生に診てもらって本当に良かったです。あれからすぐに検査を受けたら放置すると癌になる腫瘍だったんです。幸い内視鏡で切除してもらって手術も必要なく、今は何もありません。あの時、見つけてもらってなかったら大変なことになってました。感謝です。」

 

 

手触りでは悪性のものとは思わなかっただけに、本当に検査を勧めて良かったと思いました。

 

腫瘍がある場所も具体的にお伝えして検査してもらったのですが「よく見つけてもらえたね。見つけてもらって良かったね」と医師にも言われたそうで、自分の感触と勘を信じて本当に良かったと思った出来事でした。

 

 

一般の肛門科では指診もやっていますが、指を入れてただ抜くだけだと直腸にある癌は発見しにくいです。

 

ましてや直腸に便があるとさらに難しくなります。

 

 

だから今まで、肛門科(を掲げる施設)で診察してもらっているのに、すぐそこにある直腸癌を見つけてもらってないケースを山ほど診てきました。

 

 

ササッと指を入れるだけで、しかも便を出さずに診察していたら直腸の病変は見落とされがち。

 

忙しい3分診療では難しいのかもしれませんが、せめて便を出してから直腸をしっかり診てほしいな・・・と思いました汗

 

 

私の指は男性医師に比べると細くて短いです。

 

それでもしっかり届いて診断できるので、しつこく、時間をかけて、癌があると思って触診して頂きたい。

 

痔はどこまでいっても良性疾患なので放置しても命に関わることはまずないです。

 

だけど癌は放置すると進行し命に関わります。

 

 

だからしっかりと診てくれる肛門を専門にしている先生を選んで受診して下さいね。

 

探し方はこちらの記事を参考にして下さい↓

日本の肛門科の歴史と現状〜専門の医師を見分ける〜

 
あなたの近くにもきっといるはず。
 
まじめに良心的に肛門診療をやっている先生が。
 
 
肛門科に行くことに抵抗がある方は消化器内科を受診して大腸内視鏡検査を受けられるといいでしょう。
 
40歳を過ぎたら何も症状がなくても2〜3年に1回、大腸内視鏡検査を受けて下さいね。
 
大腸癌は早期発見すれば完治します。
 
小さなポリープだと内視鏡で切除して終わりです。
 
手術も必要ないことも多いです。
 
一度も受けたことがない人は是非一度受けて下さい。
 
 
最近、コロナワクチン接種者の大腸癌が多発しています。
 
コロナワクチンを一度でも接種された方は年齢関係なく受けて下さい。
 
 

 

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