患者さんやオンラインショップのお客様からトラネキサム酸の内服薬についての質問が最近多いのでブログでお答えしたいと思います。
実は私自身が皮膚科医時代に肝斑で悩んでいてトランサミンとシナールを服用しておりました。
「トランサミン」というのは第一三共が出しているトラネキサム酸の薬の名前です。
「シナール」というのは塩野義製薬が出しているビタミンCの製剤名です。
つまりトラネキサム酸とビタミンCが肝斑、色素沈着に効くということで治療薬として保険適応となり、皮膚科ではシミや色素沈着、肝斑の患者さんに処方されていました。
自分自身、服用してみて劇的な変化を感じました。
本当に肝斑が消えましたから。
正直、すごいと思いましたね。
抗炎症作用があるから肌の炎症もおさまりキレイになるんです。
やったー
シミが消えたー
肝斑が治った〜
と服用を中止すると・・・悲しいことに再発しました
だからずーっと服用してましたね。
当然、患者さんも薬が無くなったら取りに来られていたので継続処方で通院されていました。
それが当たり前だと思って、特に何も考えたことがなかったのですが、肛門科医に転身して、手術後の患者さんにトランサミンが処方されているのを見て「なぜ」と指導医に訊いたところ「手術後の大量出血予防のため」という答えが返ってきました。
「止血剤だから」
の言葉に衝撃を受けたのです
ええっ
止血剤
「私、肝斑の治療と予防のためにずっと飲んでるんですけど・・・」と言ったら、「血液が固まりやすくなって血栓ができやすいから気を付けた方がいいよ」と言われ、怖くなって服用するのをやめました。
何年も飲んでたんですけど・・・。
服用を中止すると当然、肝斑は再発します。
30代でしたね。
肝斑の人なら分かってくれると思うのですが、いわゆる日焼けでできるシミと違って、ホルモンのバランスも関係しているのか月経の周期で濃くなったり薄くなったりするんですよね。
あと寝不足やストレスでも濃くなる。
肌の調子が本当に変動が大きくて、これ、なんとかできないかな・・・と思って取り入れたのがトラネキサム酸の外用でした。
皮膚科で患者さん向けにトラネキサム酸ローションを出していたので早速自分が使うために買いました。
トラネキサム酸を飲むのと違って塗ってどれだけの効果があるんだ
と最初、疑心暗鬼だったのですが、これが結構、効いたのです。
メーカーの担当者にその話をしたところ
「濃度が結構高いから、治療レベルのローションになってます」と。
なるほど。
やはり高濃度に入ってるから効くのだなと納得。
それから同じような悩みを抱える患者さんに診療所で処方をしてきました。
皆さん、一様に効果を感じられ、ずっとメーカーのものを使っていても良かったのですが、アスタキサンチンジェルとレチノールクリームをオリジナルで作った経験があったので、もしかしてトラネキサム酸ローションも作れないかと思い至りました。
濃度は同じで、成分もかなり近付けて、しかも保湿作用のあるものをたっぷり入れて、敏感肌でも使える内容にしたのがMinori Doctor's Cosmeticsのトラネキサム酸ローションです。
当時、患者さんに処方していたトラネキサム酸ローションは30mlで5千円でした。
販売価格はクリニックで決められないので、高いなぁ・・・と思いつつ出していたのですが、30mlだとすぐに無くなるし、普通に100mlの化粧水として、もう少し安価に出せないか・・・と考えて価格を決めました。
30mlが5千円(税抜)だから、100mlだと16000円(税抜)ちょっと。
それはいくらなんでも高すぎる
それよりも安くして今の価格になっています。
初めて購入される方は「化粧水で13000円(税抜)高い
」と思われる方も多いでしょう。
でも診療所でトラネキサム酸ローションをずっと購入されてきた患者さんにしたら「安くて嬉しい」という反応なんです
開発の経緯をご存知の患者さんにしたら「今まで買ってた化粧品よりも格安で嬉しいわ〜」なんです
患者さん価格はオンライン価格よりも安いですから。
というわけでして・・・
私自身、副作用のことを考えてトラネキサム酸の内服をやめたんです。
皮膚につけるトラネキサム酸でも十分、肝斑はおさえられているので満足しています。
でもね
例えば一時的に服用するのであればいいと思うんです。
術後の止血や風邪を引いたときののどの炎症をおさえるためなど、毎日ずーっと服用するわけじゃないので、短期的に使うのは抗炎症作用がありますから必要なケースには使用するのは適切でしょう。
白血病、再生不良性貧血、紫斑病、手術中や術後の出血予防、鼻出血、性器出血など出血に対して保険適応があります。
また湿疹や蕁麻疹、薬疹、中毒疹や、耳鼻科疾患では扁桃炎や咽喉頭炎にも使われています。
また口内炎や口内炎の痛みにも有効です。
医療現場では保険適応で使われている薬ですが、市販の風邪薬や美肌サプリの中にも配合されています。
ただ市販のものは配合量が少ないです。
医療機関から処方されるトラネキサム酸は1日750〜2000mgと市販薬とは比べものにならないくらい容量が多いので効果も感じやすいのでしょう。
ただ治療のために一時的に服用するのと、美容のために毎日ずーっと服用するのとでは大きく違いますので、副作用のことも考えて私は中止しました。
幸い、トラネキサム酸ローションで肝斑は再発してません。
外用でも効果が期待できますし、内服と違って副作用を気にする必要もありません。
肝斑やシミの程度にもよりますが、多くの症例で使ってきて内服と同等の効果を感じています。
内服薬に不安がある人は外用を検討されるといいでしょう。
皮膚科でもトラネキサム酸ローションは出してくれると思います。
もしもずーっと毎日服用されている場合は、副作用については知っておいて下さいね。
ちなみにトラネキサム酸を服用すると白髪が増えるというのは間違いです。
ご安心を。
肌が白くなるので髪の毛も白くなってしまうと思っている方が意外に多いのでビックリしますが、そういった作用はありません
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