うちの診療所には海外からも患者さんが来られます。
主に海外在住の日本人の方が多いのですが、中には外国人もいます。
アメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリス、フランス、ドイツ、中東など様々な地域から来られているのですが、来られた患者さん全員が口を揃えて言われるのが
「日本の医療費は安い
」
ということ。
うち、自由診療なんで、高いんですけど･･･
国にもよるのですが、日本ほど（保険が効かなくても）安い国はないと言われます。
何がどう安いのか、患者さんにツッコんで聞いてみたところ･･･
先生ね
例えば今日、私、
初診で受診したじゃないですか
で、今、
どれくらいの時間経ってます？
1時間以上ですよね？
アメリカだとね
初診でドクターと1時間、
診察にかかったら
20万じゃすまないと思いますよ
だいたい長くて30分
それでも10万以上しますから
それが普通ですから
で、このあと
またもう一度診察でしょ？
便出しして
何度も診察して
こんなに丁寧に長時間説明受けて
多分2時間近くかかりますよね？
1人の初診患者に。
これで薬代全部入って
5万円って安すぎますよ
アメリカでこの診療なさったら
20万以上は取れますね
と、以前、アメリカから来られた患者さんに言われました。
その患者さんが大腸内視鏡検査を受けたいというから、いつも紹介している杉安先生の所に行ってもらったんです。
当然、保険証ないから、そこでも自費。
大腸内視鏡検査、
5万円ちょっとだった
安かった
あれだけの技術で
至れり尽くせりだから
10万とか
20万とか
とっても
アメリカから受けに来ますよ
そのほうが安いから
と、これまたビックリすることを聞きました。
日本の医療費、保険が効くから安いのだと思っていたら、自費で換算しても安いらしいです
一体、海外の医療費はどうなっているのか
調べてみたらこんなサイトがありました↓
表を抜き出しました↓
ビックリしたのは救急車。
日本だと無料じゃないですか。
アメリカだと救急車呼ぶだけで16万〜24万かかる
だからみんな何かあっても自家用車で行くようにしてるんですって･･･
初診料も患者さんが言っていた通り約3万〜5万円ですね。
しかも時間制らしくて時間オーバーすると加算されるらしいです
そりゃあ海外の患者さんたち、うちの診療費が安いって言いますわ
いや〜、日本ってものの値段だけじゃなく医療まで激安国なんですね。
だから医療ツーリズムで隣国から大量に押し寄せてきてるわけですか。
そもそも日本の医療が安いのは国が値段を決めているから。
そして国民皆保険制度というありがたい制度があるから。
でも本当にありがたいのでしょうか？
自己負担が1〜3割ですむのは、その残りの7〜9割を社会保険料から支払われているだけ。
原資は国民が払ったお金です。
税金のようなものですね。
だって強制的に取られるんだもん。
だから病気もせず病院にもかからない人たちは払い損ってこと。
どこに行っても同じ値段で医療が受けられるというのは、とっても有りがたいことなんですけど、その有り難み、日本の人たち、分かってないような気がします。
また制度自体、ちょっと矛盾が多すぎて、医者にとってもどうなのかな･･･と思うことがしばしば。
保険診療をやっていないからこそ、保険制度を外から俯瞰して見れる立場なので、言いたいことは山ほどあります。
言うとバッシング受けると思うので言いませんが、本当におかしな制度だなぁと思ってました。
だって、治したら儲からない仕組みだから。
治さずにダラダラずーっと通ってくれた方が医療機関は儲かるわけです。
医療って病気を治す、病気を無くすことがゴールなはずなのに、そうすると自分の食いぶちが減る仕組み。
また「安い」からコンビニ受診も多いと聞いています。
救急車のタクシー利用も･･･
大切な医療のインフラ、医者も国民も自分の利益ではなく、社会の利益を考えて利用しないと枯渇するのも当然です。
このままだとどんどん医療費が増大して、医療貧乏国家になっちゃいますよ。
もう制度自体が疲弊していると思います。
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