災害と女性 現場で起きる性暴力・性虐待・性支配 | みのり先生の診察室

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5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

災害時の性被害については大々的に報道されることも行政機関から周知されることもありません。

 

ですが実際に起きている事を是非知って欲しいと思い記事にします。

 

阪神大震災の時、研修医だった私は医療ボランティアで現地に入りたいと申し出ました。

 

ちょっとした怪我ならナート(縫合)できるし、傷の手当てならできるだろうと思ったのです。

 

ところが・・・

 

上級医から返ってきた言葉が衝撃でした。

 

「女医さんはダメ。被災地では女性が強姦されたりする被害が起きてるから。危険だから行かせられない」

 

と。

 

 

私はその時、初めて災害時の性被害について知りました。

 

現場で起きた生々しい話を聴かされ気分が悪くなったことを覚えています。

 

阪神大震災をきっかけにそういった情報を目にするようになりました。

 

2011年東日本大震災の時に「女のしんぶん」に投稿された「性を語る会」代表の北沢杏子さんの記事をご紹介します。

 

目を背けたくなる内容ですが全文そのまま掲載させて頂きます。

 

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3万人を超える犠牲者、行方不明者を出し、加えて原発事故を起こした3・11東日本大震災。

 

連日、映像で流される被災者の方々の姿に胸がしめつけられる。

 

私はここに、今回の大災害の、特に「女性と子どもへの対策」に資するのではと考え、1995年に起こった阪神淡路大震災時に、各避難所を回って「性暴力・性虐待・PTSD」の被害者からの聴き取りと相談の巡回ワークショップを行った際の実況を報告する。

 

あの時、行動を共にしたのは、私が代表を務める「性を語る会」関西の会長で、主に保健師や教職員、女性支援プロジェクトのメンバーたち。

 

巡回したのは神戸、尼崎、西宮の避難所になっていた小学校の体育館である。(当時避難所には、まだ5200人もの被災者がいた)。

 

 

◆暗闇のガレキの中で

 

誰かが背中のリュックを捕まえる

 

顔にビニールシートが被される

 

両腕をすごい力が捕らえる

 

あっという間にガレキの闇の中で。

 

まるで轢き殺されたような

 

泥と唾と精液にまみれた彼女を野ざらしにし

 

去りゆく男達の笑い合う声

 

私はもう殺されたのだろうか

 

(女たちが語る阪神大震災 ウィメンズネット・こうべ編 木馬社館 1996年刊)

 

 

阪神大震災が起こった数日後、私は友人の消息を訪ねて半壊の家並の中をさまよっていた。

 

両側のガレキと化した家屋は青いビニールシートで覆われ、その下敷きになって圧死した人を弔う花束が置かれてあった。

 

あとになって上記の詩にあるような、半壊の家々を覆っていたビニールシートをかぶせての強姦、輪姦があちこちで起こっていたことを知るのだが、その時は想像もつかなかった。

 

こうしたどさくさ紛れの性暴力、性虐待が横行し始めるのは震災後1カ月過ぎた頃からで、2月、3月がピーク。

 

私たちが巡回を始めた4月に入ってからは、不自由な避難生活のストレスからくる無月経膀胱炎カンジダ症

 

また、子どもへの虐待、夫からのDV、強姦・輪姦による妊娠の中絶とその費用の相談などに移っていた。

 

だが、その後も続くこうした性に関する個々の相談については守秘義務がある。

 

なので、巡回した各メンバーからの報告に止めたい。

 

 

◆子どもたち

 

・避難所の運動場で遊んでいる幼児を対象に、外から侵入してきた男性が性器を露出、または無理やり幼児の口の中に挿入するなどの行為が頻発

 

・避難所の体育館の照明は夜通し点灯。「明るくて眠れない」と文句が出るが、同じ避難所内の痴漢が、眠っている少女達の胸や性器を触り歩くため、やむをえない。

 

・震災で職場を失った10代の男女が、昼間から避難所の布団の中でセックス。幼児たちが見せつけられ、困っていた。

 

 

◆母親たち

 

夫が出勤したあとの避難所で、乳児に添い寝していた若い母親を外から侵入してきた男がレイプ。止めに入った巡回中の教職員が暴力をふるわれ、全治1週間の怪我。

 

・震災のPTSDから夫との性生活が苦痛。夫の強制的なセックスが耐え難い。

 

・半壊の家に置いてきた犬に毎日餌をやりに行っていたところ、中に潜んでいた男に2度、3度と強姦され、その家で首つり自殺。

 

 

◆ボランティアの女子学生たち

 

・避難所への道を聞いた女子学生がリュックをつかまれ、半壊の建物に引きずり込まれて強姦された。

 

・軽トラックで避難所にやってきた男たちが、女子学生数人に「銭湯に連れて行ってあげよう」と誘い、半壊のビルで輪姦。

 

・トラックの運転手同士が、どこに行けば土地に不案内なカモ(ボランティアの女子学生)がいると情報交換をしている・・・。

 

 

こうした性暴力に対し、被害を受けた女性たちが勇気を鼓舞して警察に通報しても、「女性側に落ち度があったのだろう」と言われる始末。

 

行政に訴えると、市のイメージダウンに繋がると取り合わないばかりか、「”親告罪”で訴えるなら証拠が必要。証拠はあるのか」と、追い返されたとか。

 

 

◆防災フォーラム報告

 

2005年11月、「阪神大震災10周年ー今後の防災事業に女性の視点を!」をテーマに、あすてっぷ神戸でフォーラムが開かれ、東京から私が招かれた。

 

パネラーは「ウィメンズネット・こうべ」代表の正井礼子さん他、阪神大震災の折に活躍した4人の女性たちである。

 

紙幅の都合で、私からの強い要望のみを書きとめておく。

 

①避難所に婦人科専用の診療室を設置せよ。

 

②女性と女の子のための専門医、保健師、カウンセラーの定期巡回。

 

③望まない妊娠を防ぐためのコンドームと緊急避妊薬ピルの配布。

 

④PTSDに苦しむ女性のためのシェルターの設置

 

⑤災害時の性暴力、性被害防止のための罰則規定(司法)制定

 

の5項目である。

 

 

3.11東日本大震災の4月、5月・・・、阪神大震災の時のような女性への性暴力、性虐待、性支配が起こらないよう、女たちはしっかり監視しなければならない。

 

性は人間の基盤となる人権そのものなのだから。

 

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阪神大震災の時の性被害を教訓に、3.11東日本大震災では有志の産婦人科の先生方が避難所にピルを無償配布して回られたのです。

 

そういったことは全く報道されていませんが事実です。

 

阪神大震災から29年、3.11東日本大震災から13年。

 

状況は何も変わっていません。

 

北沢杏子さんが要望された5項目のどれ一つとして実現していません。

 

 

私たち日本人は人を疑ったりする習性がないため、困った人にそんなひどいことをする人間なんて居ないだろう、困った時は互いに助け合って生きていくもの・・・と思いがち。

 

大部分の良識ある日本人はそうかもしれない。

 

でも実際に被災地では数々の性被害が起きていた事実に目を背けてはいけない。

 

 

行政が何もしてくれないなら、自分の身は自分で守るしかない。

 

だからこうしてブログで伝えたいと思う。

 

 

私と同じように警鐘を鳴らしていたドクターがおられました。

 

 

 

他にもこんなtweetがありました。

 

 

 

 

 

「性を語る会」

 

 

 

 

 

どうか被災地の女性の方々、ボランティアで被災地に入られる女性の方々、過去の震災で起きたことを胸にとどめ、被害に遭わないよう、くれぐれも注意してください。

 

 

 

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