何かが変わる、そんな気配を感じてます。 | みのり先生の診察室

みのり先生の診察室

5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

今日は久々に患者さんが書いて下さったアンケートをご紹介。

 

また溜まりに溜まっていますあせる

 

ワクチン後遺症の治療もやっているため、オシリのことよりもそっちの質問が多くて、最近ブログの内容がワクチンや後遺症の話ばかりになっていましたあせる

 

今日ご紹介する患者さんは80代女性。

 

LINE動画を観て名古屋から受診されました。

 

80代というとスマホを持ってない人が多いですが、この患者さんはスマホユーザーで、見た目も20歳近く若く見える元気ではつらつとしたキレイな女性でした。

 

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たかが便秘、されど便秘。

 

ここ4,5年、自発便が(なくですかねー)感知されず、この世におさらばが近づいた今、一番の悩みでした。

 

大阪にまで診察を受けに出向き、というのも何かに救いを求める行為のはて?でした。

 

出口便秘と言う言葉に触発され、先生にお会いしたいと思い、はるばる名古屋から(もっと遠い所から来院されている方が多数おられることでしょう)伺いました。

 

予約日7月19日までの日々の緊張は自分でも(私はなんでも平気な人間なのですが)おかしい位でした。

 

お会いしたみのり先生は少女のような可愛い方。

 

その先生の口から「要するに糞詰まりやね」が発せられた時は、いちどに緊張もとれ、リラックスした気分でお話できました。

 

イイね大阪弁!

 

何かが変わる、そんな気配を感じてます。

 

LINEで講座を受けるか迷ったのですが、せっかちの私は早く解決すると受診しました。

 

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この患者さんは便秘肛門のかゆみべたつきを主訴に来院されました。

 

3年半前に名古屋にある便秘外来を受診。

 

「こんな高齢者は治せない」

 

と言われ下剤やレシカルボン坐剤を処方され、毎日使用するよう言われ治療をしておられたのですが、ご主人が亡くなられたこともあり中断。

 

昨年からはオシリがかゆくてたまらず地元の肛門科を受診。

 

「痔も大したことないし、便秘のせいではないですか?下剤を好きに飲んで出しなさい」

 

と言われ途方に暮れていたところ、私のLINE動画に出会って受診を決意されました。

 

下剤をたくさん飲んでおられました。

 

麻子仁丸

酸化マグネシウム

グーフィス

センナ入りのハーブティー

 

まさしく下剤のチャンポン

 

しかも腸を黒くするアントラキノン系の下剤が2種類も。

 

アントラキノン系下剤についてはコチラの記事をお読み下さい↓

 

腸を黒くする下剤や健康食品に要注意 〜大腸メラノーシス〜

 

麻子仁丸とセンナ入りのハーブティーは中止してもらうことに。

 

薬を飲んで毎日便を出すようにしておられましたが、診察するとコロコロの便が出口に溜まっています。

 

昨日の出残り便ですね。

 

典型的な出残り便秘です。

 

そして洗い過ぎ、拭きすぎ、こすりすぎで肛門周囲の皮膚が赤くなっています。

 

何度拭いてもキレイにならないのも、ウォシュレットで洗いたくなるのも、便がスッキリ出ずに中に残っている証拠。

 

問題は出口で起こっているのに、一生懸命、お腹に効く下剤を飲んでも肛門のトラブルは解決しません。

 

下剤を増やしてもお腹がグルグル動くだけで、出口に便は残ります。

 

残った便は時間が経つと、直腸から水分が吸収されて硬くなります。

 

一晩寝かせて熟成された便は、翌日の排便で「出始めの硬い便」として排出される。

 

出始めの硬い便は昨日の出し残し。

 

その後から出てくる便が今日の新しい出来たての便。

 

 

口から飲む下剤は「これから作られる便」には効くけれど、もう既に出来上がって出口付近に降りてきている便や、出し残した「出残り便」には効きません。

 

どこに便が停滞しているのかで治療が違うのです。

 

お腹(腸)に便が停滞しているのであれば下剤。

 

出口(肛門)に便が溜まったり残ったりしている場合は坐薬。

 

 

この患者さんは両方のタイプの便秘でした。

 

つまりお腹(腸)でも便が停滞し、出口の排泄もうまくいってないという「お腹の便秘」と「出口の便秘」両方あったのです。

 

だから下剤も調節して服用してもらう必要がありますし、下剤が効いて排便があっても、出し残した便を坐薬で出してもらう必要がある。

 

下剤は人によってどの薬がいいのか、合う合わないがありますし、日によって便通が違うので、その都度調節する必要があります。

 

そこはお腹の調子と出てきた便をチェックして、毎日、患者さん本人がさじ加減するしかありません。

 

排便があっても下痢便は困ります。

 

ちょうどいい硬さになるよう、飲む下剤の量を調節しましょう。

 

私が推奨するちょうどいい便の硬さとは

 

歯磨き粉よりちょっと硬め

しっかりとした形のある便

便器の水が濁らない便

 

です。

 

目安にしてみてくださいウインク

 

結局この患者さんは以前使ったことがあるということもあってか、坐薬を完璧に使いこなし、出口の排泄はバッチシで、2回目の通院で完治終了となりました。

 

ただしお腹(腸)の便秘に対しては日々、下剤を調節して飲んでもらう必要があります。

 

こちらは内科でも治療できますし、そちらで薬を出してもらった方が価格が安いので、出してもらえる薬は保険診療のクリニックでもらうよう勧めて終了しました。

 

肛門のかゆみも無くなり、また荒れて赤くなっていた肛門の皮膚もよみがえったかのようにキレイになり、肛門の治療は終了ですチョキ

 

来年、年に1回のオシリ健診に来られるでしょうかキラキラ

 

是非とも、お元気で会いに来て頂きたいものです飛び出すハート

 

 

診療所のセラピードッグ「ラブ」あしあと

ボクもお待ちしてますしっぽフリフリ