久しぶりに患者さんのアンケートをご紹介。
あまり書かないとまた溜まってきました
コロナやワクチン後遺症対応で忙しく、オシリの記事を書けずにいました。
久しぶりに肛門ブログを書いていてしみじみと思いましたね。
オシリって平和やわ〜って
だってほとんどの患者さんが完治して喜んで帰って行かれるから。
ワクチン後遺症はゴールが見えないことも多く、治療しても改善しないと患者さんも凹みますが、私たちも落ち込みます
また効果があったとて、それをいつまで続けないといけないのかも分からない。
まさしく出口の見えないトンネルのような状態。
肛門の病気ってゴールが見えることが多いから診療していてこっちも元気になる。
今回、患者さんのアンケート用紙に私もスタッフも癒されて疲れが吹っ飛びました。
これです↓
この患者さんは7歳の男の子。
関東地方からお父さん、お母さんと一緒に受診されました。
2年くらい前から便秘で2〜3日に1回の排便しかなく、巨大な便が出て出血。
地元の肛門専門の医療機関を受診し、裂肛、見張りイボと診断され酸化マグネシウムと強力ポステリザンを処方されました。
酸化マグネシウムを飲めば肛門は切れないけれど、オシリがべちょべちょして気持ち悪く、だんだん服用しなくなったそうです。
その後、排便は1日1回あるものの、巨大な便が出て排便時に痛みと出血があるため、遠方からわざわざ受診されました。
診察すると便がたんまり溜まっています。
昨日は排便があったけれど今日の排便はまだです。
これだけ出口のスグそこに大量に便が溜まっているのに便意もなく出そうな感覚もないので、肛門の感覚が鈍っています。
ウォシュレットを使っているせいで肛門周囲の皮膚が荒れて赤くなっています
肛門鏡で診察すると大きな傷が2ヶ所もありました。
これは痛そう
坐薬と浣腸で便出しをして肛門を空っぽにしSザルベを塗って処置は完了。
翌日からはお母さんに坐薬を入れてもらうことにしました。
そして約1か月後・・・
切れ痔(裂肛)は完全に治っていました
なんと、受診して5日目くらいから痛みも出血もなくったそうです。
酸化マグネシウムは飲んでいません。
坐薬は毎日入れていて、すっかり慣れていました。
小児の裂肛に対して酸化マグネシウムやボラザGなどの注入軟膏で保存治療を行うことが一般的ですが、酸化マグネシウムでかえって裂肛が悪化することがあるので注意が必要です。
酸化マグネシウムは「やわらかい便を作る薬」であって「便を出す薬」ではありません。
これから作られる便には効きますが、既に出来あがって出口まで降りてきている便や、出し残した「出残り便」には効きません。
このお子さんのように「2〜3日に1回しか便が出ない」のではなく「2〜3日分の便が溜まらなければ便意が来ない」状態の出口便秘は意外と多いです。
そんな出口便秘に対して酸化マグネシウムを処方すると、出始めの便は硬いままなので肛門が切れます。
そしてそのあとから出てくる便が薬がよーく効いた軟便なので、かえって傷に付きやすく切れ痔(裂肛)が悪化してしまうことがあるのです。
問題は出口で起こっているのにお腹に効く薬を飲んでも根本的な解決になりません。
出口にトラブルがあるということは、出口の排泄がうまくいっていないはず。
特に小さな子どもは集団生活が始まってトイレを我慢する機会が増えると出口に便が溜まりがち。
出口からアプローチしてあげることで問題は解決。
この男の子は本当にお利口さんで、診察も嫌がらず、切れて痛かったはずなのにちゃんと肛門鏡を入れることができました。
またラブにオヤツを持って来てくれてラブのことをかわいがってくれました
ありがとう
というわけで2回目の通院で完治終了となりました。
また来年、年に1回のオシリ健診で来て下さいね
診療所のセラピードッグ「ラブ」
オヤツ、とっても美味しかったよ
ありがとう
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