溜まりに溜まっている患者さんのアンケートをご紹介。
今日ご紹介する患者さんは60代女性。
便秘に悩み遠方からわざわざ車椅子で受診されました。
この患者さんは下半身不随のため車椅子で遠方から来られました。
14歳の時に脊髄腫瘍の手術をしてから車椅子生活になったそうです。
言葉に出来ない苦しみやご苦労があったと思います。
でもとても明るい方でした。
8年前に脊柱管狭窄症の手術をしてから便意も尿意もなくなってしまい、尿のほうはカテーテルを入れています。
困ったの排便のほう。
プルゼニドを処方され飲んでいますが、効かせすぎたのでしょう。
就寝中に便が出てしまい、便が出たことすら分からず、悲しくて泣いてしまったそうです
現在は訪問看護師さんが週に3回来てくれて、摘便をしてもらい、そのあとに浣腸をして便出しをしてくれているそうです。
酸化マグネシウムを毎日内服し、看護師さんが来る前日にプルゼニドを飲んで排便をコントロールしています。
診察しようと肛門を見ると、肛門周囲にベットリと軟便が付いています。
昨日、看護師さんに摘便してもらったそうですが、軟便だったので昨日は浣腸をしなかったそうです。
出し切れなかった便が漏れ出てきたのでしょう。
直腸診をすると肛門と直腸に泥状便が大量に充満しています
昨日の残便でしょう。
浣腸は漏らすと大変なので坐薬を入れました。
そしてトイレへ。
軟便が少量と、そのあと便がどぼっと出て感動した
こんなこと普段ないので
喜んでトイレから出てこられたのですが、もう一度診察するとまだ便がありました
粘土状の便です。
今度は摘便をしてから坐薬を2コ入れました。
再度トイレへ。
出ました
粘液状の便がそこそこ出たと。
もう一度診察
まだ便があります。
しかもコロコロ便です。
いつの便やねん・・・
古くなった便が溜まってたんでしょうね。
摘便をして全て出し切りました。
やっと空っぽになりました。
脊髄の病気と手術で排便の機能がかなり麻痺してしまっています。
だから肛門のしまりもゆるいです。
これは致し方ないこと。
しまりがゆるいのに軟便を出そうとすると便漏れが起こりやすくなるので、どんな便を出すのかがすごく大切。
軟便・下痢便にしない工夫が必要です。
この患者さんは酸化マグネシウムを大量に飲みすぎて、びちびちドロドロの便を作って、さらに週に3回、追い打ちをかけるようにしてプルゼニドを飲んでおられました。
これじゃあ便が漏れる、勝手に出る、下着も汚れる。
このような患者さんにも出口の便秘治療は非常に有効です。
なぜなら出口に便がなければ、肛門のしまりがゆるくても漏れないからです。
肛門は便の通り道なので、いつも通路をキレイにしておけば下着も汚れることはありません。
まず酸化マグネシウムの分量を減らして形のあるしっかりとした便を出すよう指示し、坐薬を毎日入れてもらうことにしました。
坐薬はご主人が入れてくれるということで安心です。
そして2週間後・・・。
酸化マグネシウムは量を減らして飲んで、坐薬は朝と夕と1日2回入れておられました。
入れるとコロコロ便が出るそうです。
訪問看護師さんに直腸診をしてもらったら何も無いと言われてビックリされたそうです。
いつも摘便+浣腸だったので。
ビックリされたそうです
もう週に3回の摘便+浣腸の便出しも必要ありません。
坐薬を入れてもらって、自分で排泄をして肛門を空っぽにできるようになりました。
遠くから車椅子でわざわざ受診して良かったと大層喜んで帰って行かれました。
こうやって排便管理の方法を患者さんに教えてやってもらう。
それでうまく行くなら通院は不要。
この患者さんも完治終了となりました。
来年1年に1回のオシリ健診に来られるでしょうか。
この患者さんのように肛門のしまりがゆるい人が下剤を飲んで軟便・下痢便を出すと、当然こらえが効かず漏れ出てきますし、残った便が下着を汚染します。
だからしまりのゆるい人は、ちょっと硬めの便のほうが扱いやすい。
どんな便を作るのか、どんな硬さだと扱いやすいのかは患者さん本人に決めてもらう。
色々試してやってみて、自分が一番やりやすい方法を続けてもらっています。
酸化マグネシウムの調節も本人にしかできないこと。
毎日作られる便は違うので、日々、便を見ながら飲む量を調節する。
たまに失敗することがあるかもしれません。
それでもいいんです。
また明日調節すればいいから。
体調だって違うし、食べる物だって違う。
毎日違う便が作られる。
だから日々、調節する。
坐薬だけは毎日入れる。
便が残ったり溜まったりしないように。
出口をいつも空っぽにしていれば、しまりがゆるくても漏れる便がないので下着も汚れない。
決まった時間に坐薬を入れることが習慣化すると、便が漏れ出てくる前に坐薬で排泄できる。
とても便利だと喜ばれました。
こうして排便を自分でコントロールする。
そうすればトイレのことを考えずに快適に生活を楽しめる。
オシリのせいで人生暗くなっている人が多いので、排便を自分で管理して明るい人生を取り戻して欲しいです
診療所のセラピードッグ「ラブ」
右側がラブです
今月で10歳になったラブ
おじいさんワンコだけど
ようちえんに行っています
まだまだ若々しいラブです
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