溜まりに溜まっている患者さんのアンケートをご紹介。
ようやく追いついてきて今年に入ってから受診された患者さんのアンケートになります。
今日ご紹介する患者さんは50代女性。
出産後に痔になり、騙し騙しやってきたけれど、出血することが増えてきたため受診されました。
この患者さんは出産で痔になったと思い込んでおられましたが、脱肛は出産によって発生したものではありません。
出産前から元々あったのです。
それが出産のいきみによって腫れて脱出し明らかになっただけ。
出産によって痔に気付いたということ。
私の著書
の83ページにも書いていますので是非お読み下さい。
この患者さんは脱肛でした。
そして切れ痔(裂肛)を繰り返してこられたのか、見張りイボや肛門ポリープもありました。
便通は2〜3日に1回。
下剤の服用はなし。
診察すると便が大量に溜まっていました。
昨日排便があったとのこと。
ということはペース的にいうと今日は排便がない日ですね。
だけど出口には大量に便がスタンバイ
なのに全く便意なし。
相当、肛門の感覚が鈍ってます
坐薬を入れて出して来てもらいました。
まだ出そう
紙にも便が付く
とのこと。
再度診察
まだまだ大量に残っています
次は浣腸をしました。
トイレで出して来てもらってもう一度診察
便出たけど、まだあるような気がすると患者さん。
ありました
残便の量はだいぶ減りました。
つぎは浣腸の量を増やしました。
再度トイレへ。
便がまた出ました
これで終われるかな・・・
もう一度診察
やっとカラッポになりました
結局、この患者さんは、2〜3日に1回しか便が出ないのではなく、2〜3日分の便が溜まらないと便意がこない鈍い肛門になってしまっていたということ。
かなり鈍感です。
出残り便秘がひどくなって鈍感便秘になってしまった状態。
こうして出口に便を詰め込んで生きてきたから、いぼ痔(痔核・脱肛)ができたのです。
妊娠したから、出産したから、いぼ痔(痔核・脱肛)ができたワケじゃない。
鈍った肛門の感覚を取り戻すためには、常に肛門をカラッポにしてあげる必要があります。
なぜなら肛門は便の通り道だから。
便が通過していく所であって、便を溜めておく場所ではありません。
いつもカラッポなんです。
カラッポの状態が普通なんだと、もう一度体に教えてあげる。
その作業が坐薬を入れること。
坐薬を入れて肛門を常にカラッポに保つ。
そうすれば感覚が元に戻ってきます。
2週間後に来られた時には、かなり肛門の感覚が戻っていました。
なんと、毎日便が出ると
つまり腸はちゃんと動いている証拠。
腸は毎日せっせと便を作って出口まで運んでくれているのに、出来上がった完成品である便を出すところでつまずいた。
だからつまずいた場所である肛門にトラブルが生じた。
その排泄を正さなければ手術して痔を治しても、また痔になってしまう。
そんな患者さんを大勢診ているので、手術の前に便通を治す提案をしています。
この患者さんは脱肛だったので、残念ながら便通を治してもイボ痔は無くなりませんでした。
だけど出血もない、痛みもない、何も困ってないのであれば、手術せずに痔を持ったまま生きてていいんです。
手術だと言われたヒドイ脱肛の患者さんで、10年以上手術せずにうまく付き合っている人が大勢います。
手術はしたくなった時にすればいい。
今やろうと、ひどくなってからやろうと大して何も変わりません。
手遅れになることもないので、焦らずゆっくり考えて下さい。
結局、この患者さんは2回目の通院で終了となり、手術せずに痔と付き合う選択をされました。
来年、1年に1回のオシリ検診で来られると思います。
排便管理ができていれば痔は悪化しないことが多く、トラブルも少ないです。
だから頻繁に通ってくる患者さんはほとんどおられません。
排便管理と肛門の管理を自分でできるようにしてあげれば医者いらず。
自分のオシリだもの。
自分で管理しましょうよ。
排便は毎日行う大切な行為だからこそ、そこを間違えないようにしてくださいね
診療所のセラピードッグ「ラブ」
犬も人間と同じ
便意を我慢すると
出口の便秘になります
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