溜まりに溜まっている患者さんのアンケートをご紹介。
今日ご紹介する患者さんは40代女性。
長年治らない切れ痔(裂肛)に悩み遠方から受診されました。
3年前に受診されたのですが、アンケートを掲載するのがこんなに遅くなってスミマセン
わざわざ郵送してくださってありがとうございます
この患者さんは20代から切れ痔(裂肛)を繰り返しておられました。
そして当院に来られる前に地元の病院やクリニックを受診され、治療するも治らず、困って私の外来に来られたのでした。
前の病院で出された乙字湯やマグミットを飲むと何度も便が出たり、下痢になるので、薬をやめたり飲んだりしておられましたが、初診で受診された当時は乙字湯を1日2包内服。
診察当日も既に2回排便があったのですが、診察すると肛門に中に軟便が残っていました。
下剤がよーく効いた軟便です。
少量ですが肛門の中が便まみれ
軟便が裂肛の傷を汚染しています。
そして肛門が狭い
これじゃあ切れ痔(裂肛)は治らない。
大きな切れ痔(裂肛)があり、見張りイボと肛門ポリープもありました。
相当前から切れ痔を繰り返してきたのでしょう。
坐薬を入れて残った便を出してきてもらって再度診察。
便はキレイに出し切れています。
治療はシンプル。
坐薬を入れて便を出し切る
Sザルベで肛門マッサージ
そして飲んでおられた乙字湯やマグミットは中止です。
元々飲まなくても毎日排便がある人なので腸は問題ありません。
腸は正常に機能し、毎日せっせと便を作って出口まで運んでくれています。
だけど送り届けられた完成品である便を出すところでつまずいた。
だからつまずいた場所(肛門)でトラブルが起こったわけです。
腸には何も問題がないのに、必要のない下剤を飲むから1日3回も便が出て最後は軟便になったのです。
そしてやわらかい便ばかり出していると、肛門がどんどん狭くなっていきます。
もしかして肛門が狭くなったのは下剤のせいかもしれません。
下剤のせいで肛門を狭くしている人が本当に多いので注意してくださいね。
痔の人は出口で問題が起こっているので、腸に効く薬は必要無いことが多いです。
問題は出口で起こっているのに、腸に効く薬を飲んでも痔は治りません。
だから通院しているのに治らなかったのです。
次の診察は2週間後としました。
そして2週間後・・・なんと、血栓性外痔核ができていました
坐薬を入れてトイレに30分くらいこもったら腫れたということ・・・。
それは腫れの元です。
トイレは5分以内にしましょうね。
せっかく肛門に負担がかからないようにと坐薬を入れてもらっているのに、トイレで30分も頑張ったら本末転倒
血栓性外痔核の時は坐薬を入れるのも痛いし、肛門マッサージも痛いです。
あまりにも痛みがひどい場合は坐薬もマッサージもお休みしてもらって構いません。
3〜4日ほどで痛みは治まってくるので。
疑問点に関しては診察の時にお答えしたと思うのですが、他の患者さんにも参考になるのでブログでもお答えしますね。
・まだ切れているところがあり指を入れると指サックに血が付いているときがありますが、そのときもマッサージを続けた方がよいのでしょうか。それとも最初に教えていただいたぐるっと1周Sザルベを塗る程度にした方がよいのでしょうか。それとも切れてる面だけ除いてマッサージをした方がよいのでしょうか。
どんなに痛くても、出血があっても肛門マッサージは頑張ってやってください。
狭いと傷は治りません。
肛門を安静にして傷がひっついて治ると、肛門がさらに狭くなってしまいます。
傷に新しい上皮が再生すれば広がって治ります。
診察でお伝えしたように4方向しっかりと伸ばしてください。
切れているところにはSザルベをすり込むように塗りましょう。
痛いけれど傷が治ってきます。
傷が治ってくると痛みも出血も治まってきますので、それまでは辛抱です。
辛いけれど頑張って下さい。
頑張った分だけ肛門に結果として表れるので。
努力は裏切りません。
・マッサージしたところが軽い筋肉痛になるようなことはありますか。最初だけでしょうか。やりすぎでしょうか。
筋肉痛ではなく傷の痛みだと思います。
たくさん傷がありましたからねぇ・・・。
またマッサージのあと肛門がしばらくジーンと痛かったり、腫れぼったい感じがしたりすることはよくあることです。
この痛みも肛門が拡がれば無くなります。
・先生は「狭いからまだ切れやすい、切れても頑張って」とおっしゃいましたが、切れるとやはり痛いです。薬を飲みたい程ではありませんが、痛みを緩和できる方法はありませんか。
痛み止めの軟膏や麻酔のクリームがあります。
あまりにも痛い場合はSザルベの代わりに使ってもらっています。
特に麻酔のクリームはよく効きます。
20分ほどすると麻酔が効いてくるので、麻酔が効いてから肛門マッサージをしてもいいでしょう。
結局この患者さんは3回目の通院(初診から1か月半後)の時には、肛門も拡がって、長年治らなかった裂肛も完治しました。
切れ痔(裂肛)は治りましたが便秘は治っていませんので、坐薬は便秘が治るまで続けて下さいね。
虫歯が治ったら歯磨きをやめる人はいないように、痔が治っても排便管理は続けましょうね。
痔は排泄の結果です。
間違った排泄をすればまた痔になります。
痔は例えて言うなら肛門の虫歯のようなもの。
歯磨きをしないとまた虫歯になります。
毎日歯磨きをしますよね?
だから日々の排便が大事。
痔にならないために排便管理は続けて下さいね
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