1日1回便が出たら便秘が治ったと思っていたのですが、実は未だ残っていた事にびっくりしました | みのり先生の診察室

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5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

溜まりに溜まっている患者さんのアンケートをご紹介。

 

今日ご紹介する患者さんは妊婦さん。

 

あちこちの肛門科(を掲げる施設)を回ってから困り果てて受診されました。

 

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受診して本当に良かったです。

 

有難うございました。

 

妊娠していたので、とても不安でしたが、手術せずに排便を改善することで良くなると言われて安心しました。

 

また、1日1回便が出たら便秘が治ったと思っていたのですが、実は未だ残っていた事にびっくりしました。

 

最初は自費診療で悩んでいましたが、今まで数カ所肛門科に行きましたが、薬(飲み・座薬)を出されて、何回も通いました。

 

この回数を考えると、自費診療分を超えていたと思います。

 

これから排便を見直して出産を乗り越えたいと思います。

 

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時々問い合わせがあるのですが、妊娠中でも肛門科の診察は可能ですし治療もできます。

 

妊婦さんの糞詰まりも多く、今までに何度も摘便をしてきました。

 

妊娠中だからできないことは手術くらいですかね。

 

なので安心して受診して下さい。

 

 

この患者さんのように、あちこちの肛門科(と書いてあるクリニック)を受診しても痔が良くならず、困り果てて最後に受診される方が多いです。

 

自費診療ですからね。

 

保険診療で治せるなら、そっちのほうがコスパがいいです。

 

 

だからうちの診療所に来られる方のほとんどが、色々な肛門科を回ってから最後に来られます。

 

その方が「なぜ自由診療なのか」理解してもらいやすいので、全然嫌な気持ちになりません。

 

患者さんの中に時々、違う病院にかかっていることを隠そうとしたり、「先生に悪い」とすまなさそうにしている方がおられます。

 

そんなこと、全くありませんので、何でも話して下さい。

 

 

この患者さんは数件の肛門科を掲げるクリニックにずっと通っておられました。

 

そこで出される薬はどこに行っても似たり寄ったり。

 

便を柔らかくする飲み薬(酸化マグネシウムやマグミットなど)と、強力ポステリザン軟膏やボラザG軟膏などの痔疾薬。

 

だけど飲み薬は出口の肛門には効きません。

 

これから作られる便を柔らかくすることはできますが、既に出来上がって出口付近まで下りてきている便や、ましてや出し残した出残り便には効かないのです。

 

だから薬を飲んでいるのに出始めだけ硬い。

 

だって昨日の残便だから。

 

そしてずっと残便は肛門に挟まったまま。

 

 

肛門は便の通り道。

 

便が通過した後は何も落ちてないはずの通路。

 

そんな所に便を落としていくから痔になってしまう。

 

 

だからこの便をどけてあげるだけで肛門が軽くなる。

 

残った便を出し切って肛門を空っぽにするだけで、治らなかった切れ痔が治ったり、出ていたいぼ痔(痔核・脱肛)が中に入ったりすることは私の診察室ではしばしば経験しています。

 

 

妊娠中は便秘になりやすいです。

 

そこで飲み薬という選択をする人が多いですが、実は出口に便が溜まっていたりする。

 

問題は出口で起こっているのにお腹(腸)に効くモノを飲んでも根本的な解決になりません。

 

 

便がどこで溜まっているのか?

 

お腹(腸)なのか?

出口(肛門)なのか?

 

あるいは両方なのか?

 

 

それによって治療法が変わってきます。

 

 

的外れな便秘治療をしている人が多いから、痔が治らない。

 

 

痔があると言うことは出口に便を溜めているはず。

 

痔は間違った排泄の結果なので、その間違いを正さなければ手術をしても、注射療法を受けても、薬を使い続けても完治しません。

 

 

痔の根本治療は痔の原因となった便通を直すこと。

 

 

毎日便が出ていても、スッキリ出ずに中に残っていたら便秘です。

 

痔になっている患者さんのほとんどが毎日排便がある人です。

 

 

なぜ痔になったのか?

 

その答えが出残り便秘でした。

 

知らない方はコチラの記事を読んで下さい↓

 

出残り便秘・鈍感便秘 〜その残便感は便秘かもしれない〜

 

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