溜まりに溜まっている患者さんのアンケートをご紹介。
昨年来られた30代女性患者さんのアンケートです。
治っては切れるの繰り返す切れ痔に悩み遠方から来られました。
ポイントだらけのアンケートですので解説していきます。
まず治っては切れての繰り返す切れ痔の背景には必ずと言っていいほど出残り便秘があります。
出残り便秘についてはコチラ↓
出残り便秘・鈍感便秘 〜その残便感は便秘かもしれない〜
食べもの・飲み物に気を付けても、それはお腹(腸)に効くのであって、出口(肛門)には効きません。
これから作られる便には効きますが、既に出来あがって肛門まで下りてきている便や、ましてや出し残した出残り便には効かないのです。
だから出始めが硬い。
出始めの便は昨日の出残り便だから。
酸化マグネシウムも同じ。
これから作られる便に効く。
出し残した出残り便には効かないから、飲んでるのに出始めだけが硬かった。
そして出始めの硬い便のあとから酸化マグネシウムがよーく効いた軟便が出てくる。
出始めが硬いのに、そのあとは下痢・・・なんてこともよくある。
何度も便が出て困るという患者さんも多いです。
酸化マグネシウムをやめたら、軟便が治りました。
と、この患者さんが書いているように、こういうことは本当に日常茶飯事。
必要の無い下剤を飲んでいる患者さんがいかに多いことか

軟便・下痢便は、かえって肛門に残りやすく、切れ痔の傷を汚染する。
医師から処方された下剤のせいで切れ痔を悪化させている皮肉な結果も山ほどあります。
ウォシュレットが要るのも便が残っているから。
スッキリ排泄できていれば洗う必要はないので、坐薬を使用してそれを思い知る。
これは診療所の患者さんがみんな通る道。
切れ痔の人は傷があるワケだから当然、診察は痛い。
直腸診も痛いし、肛門鏡診も痛い

そして直腸・肛門に残った便を出すために坐薬や浣腸を使うのだけれど、切れてるから出すのも痛い

患者さんが痛がっても、便まみれの肛門のまま帰せないので、心を鬼にして便出しをする



ここ、本当につらいけど一番大事。
だから私も妥協しない。
だけど痛いのを頑張って便を出し切ったら、傷は快方に向かう。
だって便まみれだったら傷も治らんからねぇ

便を出すだけで痛みが軽減、あるいは消失する患者さんもいる。
排便後いつまでもダラダラ痛みが続いていたのは、傷に便が付いていたから。
傷が便まみれだと痛いですよ

坐薬は最初は皆さん、悪戦苦闘されます。
奥まで上手に入れられないし、お腹はしぶるし、腸液はあとでダラダラ出てくるし、慣れるまでちょっと大変かもしれない。
だけど、それを乗り越えて使い続けると
スッキリ出せると、日中に便意が来ることもなく、快適に過ごせました。
となる。
今まで日中に便意が来てたのは、出し残した便があとからチョロチョロ出てきていただけ。
スッキリ出しきって肛門が空っぽになれば、あとで何度もトイレに行くこともなくなる。
だから頑張って続けて下さいね。
坐薬をいつまで続けないといけないのかは患者さんによります。
便を残して生きてきた年数だけ必要
と説明していますが、いつから出し残しがあったのか分からない患者さんも多く、数年に及ぶことが多いですが、それでもだんだんちゃんと排便できるようになってきて、今では月に数回しか使っていないという患者さんも増えてきました。
だからあきらめず、かと言って負担に感じず、淡々と日々の習慣にして続けて下さい。
毎日歯を磨くように出口もケアする。
肛門に歯はないけれど、ある意味、出口の歯磨きのようなもの。
たべる物が入る「口」は歯磨きしたりうがいをしたりしてケアするくせに、たべた物が出て行く出口は皆さんノーケア。
だからトラブルが起こっちゃうんですけどね

トイレの時間が怖くなる前に、排便について見直してみて下さいね

診療所のセラピードッグ「ラブ」

左側がラブです

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