溜まりに溜まっている患者さんが書いて下さったアンケートをご紹介。
今日ご紹介する患者さんは30代女性。
子どもの頃から悩んでいた切れ痔と肛門の痒みで受診されました。
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<初めて受診された時の感想>
恥ずかしいなと思いました。
少し涙が出そうになりました。
<治療してみて、どうでしたか?>
毎日トイレに行って便が出るようになり、お腹が少し小さくなったように感じます。
かゆみもお薬(塗るSザルベ)でなくなりました。
子どもの頃から悩んでいたので、もっと早く知りたかったです。
長い間悩んでいたこともあり、すぐには治らないと思いますが、根気よく続けてみたいと思います。
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「肛門科」って受診するのが恥ずかしい・・・そんな患者さんの声をたくさん聞いてきました。
うちの診療所の建物に入ってくるときも、人通りがなくなって、誰も見ていないのを確認してから、忍者のようにササッと入って来られる患者さんがおられました。
だから正面玄関の看板を外したのです。
昔は正面玄関の入口にデカデカと「大阪肛門病院」と壁に打ちつけてありました。
入るのが恥ずかしい・・・
そんな患者さんの声を聴いて、何の建物か分からないようしたのです。
正面玄関の入口も分かりにくくなっているため、初めて来られたときに通り過ぎてしまう人もいるくらい
恥ずかしさだけではありません。
肛門科って痛いことされるところ
行ったらスグに切られる
きっと怖いことするんだ・・・
そんな風に思っている人が多く、診察当日は緊張しまくってる人も
だから診察後、説明をしている時に涙を流す人が結構おられるのです。
皮膚科医から肛門科医に転身した時に衝撃を受けたのが「診察室で涙を流す人がこんなにいるの」ということでした。
それだけ重いものを背負って生きてこられたのでしょう。
命に関わる病気ではないけれど、オシリのせいで人生暗くなってる人がいかに多いことか
だから一人で悩まずに、その荷物を下ろしに来てほしい。
排便の悩みは家族にすら言いにくいようで、一人で悶々と悩んでいることが多いです。
大出血とか耐えがたい痛み、大きく脱肛しているなどの症状であれば、まだ相談しやすいみたいなんですが、かゆみや拭き取りにくさや便秘などは、病気とは思えないだけに、かえって相談しにくいと言われます。
排便は密室の行為ですから、間違いがあっても誰も指摘できません。
そもそも何が正しいのか分からない。
そして正しさも時代とともに変わることもある。
この患者さんは切れ痔(裂肛)と肛門そう痒症だったのですが、出残り便秘を治すことで毎日便が出るようになりました。
こんな単純なことだったの
とよく言われますが、そんな当たり前の排泄が間違った方向に行くと肛門にトラブルが生じる。
子どもの頃から悩んでいたなんて・・・
本当につらかったでしょうね
でも、だからこそ、当たり前の今のトイレ生活が幸せに感じられるはず。
そしてひどい痔になる前に受診出来て良かったと思います。
だからね
本当は
痔になる前に
来てほしい
教えてあげたい
正しい排泄
痔になってから通う肛門科ではなく、痔にならないために行ってみる肛門科を目指しています。
痔は間違った排便の結果なので、正しい排便をすることによって予防出来ます。
だから肛門予防医療を世に広めたいと思って頑張っているのですが、まだまだ世の中や学会は、やれ注射だ、やれ手術だ、と治療の話ばかり。
便通の話なんてほとんどない。
当然、出残り便秘なんて私たちが勝手に名前を付けただけなので知られてない。
それを広めて認知してもらうのは至難の業。
だけど私の講演を聴かれた内科の先生方で、出口の便秘治療をして下さっている人が増えてきています。
何も肛門科で認知されなくても、内科や外科、便秘の相談を受ける診療科の医師に知ってもらえれば便秘治療も変わるでしょうか。
変わると信じて便秘治療革命を起こしたいと思います。
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