溜まりに溜まっている患者さんが書いて下さったアンケートを今日もご紹介。
だいぶ前のアンケートになりますがご紹介したいと思います。
今日ご紹介する患者さんは院長の診察を受けられた40代女性。
診断は外痔核でした。
うちの診療所は自由診療。
保険が効きません。
保険診療に比べると診察代が高いです。
だから保険診療の肛門科を受診して満足できなかった患者さんが多く来られています。
満足できない理由は何か
その多くが「説明が無かったこと」を挙げられます。
医学的には外痔核ですよという「診断」と、それに対する薬を処方するという「治療」をされているので、何も間違っていませんし、それが標準治療だと思います。
でもそれだけでは満足できない患者さんがおられます。
私の外来に来られる方は
と言われます。
通院歴の長い患者さんが多く、痔が治らないこと、痔を繰り返すことに疑問を持っておられます。
悪くなる度に薬を使う、あるいは調子悪いからずーっと薬を使うという治療に「一生、このまま肛門科通いが続くのか・・・」と絶望されている方も・・・。
私たちはそんな患者さんのニーズに応えようと説明をしてきました。
最初からこんなに時間をかけて説明をしてきたわけではありません。
25年間の診療の中で、患者さんの疑問や要望に応えていくうちに、どんどん診療スタイルも変化していき、今があります。
25年前は初診の患者さんを15分くらいで診てましたからね・・・。
今では考えられないです。
患者さんと一緒に悩み、考え、治療を共にしてきた中で
患者さんは肛門科に通いたいわけではない
痔を治したいのだ
という当たり前の事に気づき、何としても治して通院を終わらせようと頑張って来ました。
治療の手段は最初は手術でしたが、手術してもまた痔になって戻ってくる患者さんや、他院で手術を受けて痔が治っていたのにまた痔になったと言って来られる患者さんをたくさん診ていくうちに、痔にならないためにはどうすればいいのだろう・・・と考え、たどり着いた結果が排便の管理でした。
痔になって受診される患者さん、痔を繰り返している人に共通していたのが出残り便秘でした。
出残り便秘・鈍感便秘 〜その残便感は便秘かもしれない〜
この考え方に行き着いてから手術は激減しました。
手術しなくても便通を治したら痔が良くなってしまうからです。
手術が最善の治療だと信じてきた私たちには思考の切り替えが必要でしたが、痔の治療から予防へと大きく舵を切りました。
その方が患者さんのためになると考えたからです。
患者さんは手術がしたくて肛門科に来てるわけじゃなく、痔を治したくて受診している。
手術せずに治せるならそっちのほうがいい。
そんな患者さんの本音を聞くことが増えて、手術せずに痔と上手く付き合う方法を提案して今の出残り便秘治療があります。
治療の合う合わないもあるでしょう。
でも9割以上の方に痔の改善が見られます。
またこの患者さんがアンケートに書いておられるように、まだ治療してないのに、気持ちが楽になると痛みが軽減することもしばしば経験しています。
「気持ち」って大きいですね。
患者さんの気持ちを楽にするためには説明は欠かせません。
だからこれからもしっかり患者さんの話を聞いて、納得できるまで説明していきたいと思います。
患者さんのおかげで私たちも随分、説明が上手になりました。
患者さんとの対話の中での気づきもたくさんありました。
これからもしっかりと患者さんと向き合っていきたいと思います。
ありがとうございました。
診療所のセラピードッグ「ラブ」
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