今後の人生、切れ痔の恐怖と毎日戦いながら我慢するしかないのか | みのり先生の診察室

みのり先生の診察室

5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

溜まりに溜まっている患者さんが書いて下さったアンケートを今日もご紹介。

 

だいぶ前のアンケートになりますがあせる

 

掲載するのが遅くなってごめんなさいお願い

 

今日ご紹介する患者さんは30代女性。

 

通院しているのに治らない切れ痔(裂肛)、繰り返す切れ痔に悩んで受診されました。

 

あとで解説する部分を太字や大文字にしてあります。

 

 

この患者さんのように10年くらい切れ痔に悩んでいる人は多いです。

 

病悩期間が長ければ長いほど切れ痔は慢性化し悪化していきます。

 

ひどくなると肛門ポリープ見張りイボが出来てしまい、肛門が狭くなっていることもしばしば・・・。

 

肛門が狭くなると2週間では治りません汗

 

肛門が狭くなければ、便通を治すだけで2週間で完治します。

 

だから長く患う前に早めに受診して欲しい。

 

 

何もせずに放置しているワケではなく、勇気を振り絞って肛門科に通院している人が多いのも事実。

 

だけど切れ痔は治らない。

 

治ってもまた切れるを繰り返す。

 

このような通院しているのに治らない切れ痔一旦治ってもまた切れるを繰り返す切れ痔の背景には、必ずと言っていいほど出残り便秘があります。

 

「切れ痔は肛門のケガで防ぐことは出来ない」

 

と他院で言われたそうですが、確かに手術をしても「切れない肛門」を作ることはできません。

 

ですが防ぐことはできます。

 

これは断言します。

 

 

ではなぜ、この患者さんのように通院しているのに切れ痔が治らなかったのか?

 

それは薬だけ使って便通を治してないからです。

 

具体的に言うと、出口に便が残っているのに、それを放置したからです。

 

 

残った便は傷を汚染します。

 

便で汚染された傷は炎症を起こし腫れ上がったり硬くなったりします。

 

そして残った便は時間が経つと水分が直腸から吸収されて、どんどん硬く古くなります。

 

翌日には1日経って古くなった便が出口を占拠。

 

その便が出ないと奥の新しい便は出ない。

 

出始めの硬い便でまた切れる。痛いえーん

 

 

毎日排便があっても出始めだけ硬いという人は出残り便秘の可能性大。

 

切れ痔の人のほとんどがこれ。

 

 

ウンコ出さずして傷は治りません。

 

 

逆に便をちゃんと出したら切れなくなります。

 

切れ痔は防げるのです。

 

痔は予防できるのですよ。

 

「切れ痔に悩んでいない人もいるのに自分との違いは何なのか、なぜ自分はこうなってしまったのかと、思い悩む日々でした。」

 

と書かれていますが、痔になる人とならない人の違いは排泄です。

 

スッキリ便を出し切れている人は痔になりにくいです。

 

排泄が違うのです。

 

 

 

 

「はじめたばかりの時は、腸が強めに反応してしまうのか、坐薬を使うと、その後、5〜6回はトイレにかけこみ下痢が出ることが続きました。」

 

 

出残り便秘の治療に炭酸ガスの坐薬を使うのですが、この患者さんのように腸に刺激が強すぎて、お腹が痛くなったり、グルグルしたり、お腹が張ったりすることもありますが、使っていくうちに慣れてきます。

 

坐薬の刺激が強すぎる場合は半分だけ使ってもいいでしょう。

 

使う量や回数も患者さんによって違いますから、ここはブログではアドバイスするのが難しい。

 

あくまでも診察して、実際に現場で坐薬を使って、患者さんの反応を見て、使う個数やタイミングを決める。

 

便が出る時間だって人によって違うし、同じ人でも日によって違ったりする。

 

その都度、アドバイスが変わる。

 

だからこれを使えば治るとか気軽に言えないあせる

 

 

 

「坐薬を使う時間を1回目の排便からだいぶ時間を空けて使用してみると下痢は減りましたが、肛門の中の痛みが強くなり、日中痛みを感じることがありました。」

 

なぜ、排便後、肛門の中の痛みが強くなったのか分かりますか?

 

残った便が傷を汚染していたからです。

 

傷に便が付いた状態だと痛いですよね汗

 

だから排便したらすぐに坐薬を入れて残った便をどけてあげる。

 

傷があると坐薬を入れるのも痛いけれど、痛くてもすぐに坐薬を入れて残った便を出してあげた方が、傷の痛みは和らいでいきます。

 

傷に便が付いたまま放置しない。

 

これが切れ痔の治療でとても大切。

 

それは患者さんが日常生活で身をもって体験されること。

 

痛いけれど、ちゃんと坐薬を使った方が痛みが楽になると多くの患者さんが言われましたから。

 

それを頑張って乗り越えて下さい。

 

そしてちゃんと坐薬を使うとこうなる↓

 

「1回目の排便のすぐ後に坐薬を使うようになると、自分の体も慣れたのか過剰に下痢をすることもなく、更に肛門の中の方の痛みもかなり減りました。」

 

こうなればあとは日にち薬。

 

痔の注入軟膏を使わなくても、便を出して傷を保護するSザルベを塗るだけで、切れ痔は良くなる、治る。

 

 

だってそうでしょう?

 

想像してみて下さいよ。

 

便まみれの肛門に痔の注入軟膏を入れたって便と混じって効果半減ですよニヤニヤ

 

 

膝を擦りむいて泥だらけの膝に薬付けないでしょう?

 

泥を洗い流してから薬つけませんか?

 

肛門のケガである切れ痔の傷にも同じことをしてあげてほしいのです。

 

しかも便は泥よりもキタナイですよね滝汗

 

ちゃんと洗い流してあげよう。

 

 

この患者さんのように10年近く患っていた慢性化した切れ痔は治るのに1ヶ月以上かかることもありますが、手術しなくても、時間がかかっても治りますからあきらめないで頑張って下さいねウインク

 

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