溜まりに溜まっている患者さんが書いて下さったアンケートを今日もご紹介。
今日ご紹介する患者さんは院長の診察を受けられた40代女性。
院長は現在、脳出血で右半身麻痺となってしまったため肛門科の診療は行っていません。
だいぶ前のアンケートになります。
ご紹介する時期がこんなに遅くなってしまいスミマセン
この患者さんのように診療所のホームページやブログを読んで涙が出たと言われる患者さんは多いです。
とても救われたと。
遠方から来られる患者さんのほとんどが地元の肛門科を受診されていて、そこで手術と言われて、手術以外に治せる方法がないのか、本当に手術が必要なのか、セカンドオピニオンで受診されます。
うちの診療所の治療方針を読んで「もしかしてここに行けば手術せずにすむかも」という期待を抱いて来られる方が多いです。
まず最初に
患者さんが何で困っているのか?
痛みがつらいのか
出血がこわいのか
脱出してくるのがイヤなのか
明確にします。
そして「どうなればいいのか」というゴールも確認。
例えば、いぼ痔(痔核・脱肛)があっても、痛みさえ無くなれば「でっぱり」はあっても構わないという人も意外に多くて、医学的に手術適応であっても、症状がおさまれば患者さんは手術を希望されません。
肛門科に通院して、痔の薬と下剤をもらって痔の治療はしているけれど、便通を直してない人が本当に多い。(だから痔が良くならないんだけど・・・)
逆に便通を直せば痔の症状が改善したり消失することも多くて、手術と言われた患者さんが、これならまだまだ手術せずに付き合って行けると手術をやめるというケースもたくさんあります。
患者さんは手術をしたいのではなく、今困っている痔の症状をなんとかしたいだけ。
いぼ痔(痔核・脱肛)を取り除きたいのは医者だけで、患者さんはそれを望んでいないケースも多い。
痔はどこまでいっても良性疾患。
だから直ちに手術をしなければならないという緊急性もなければ、絶対に手術しなければならないという縛りもない。
痔があっても、何も困ったことがなければ、手術せずに痔を持っていてもいいんです。
さっさと手術をして痔を取り除きたい人にとったら、うちの診療所はまわりくどくて面倒くさい所かもしれない。
便通なんて直したくない
そんなしんどいことできない
という人が受診したら満足出来ないと思います。
だからこの患者さんのようにホームページやブログをしっかり読み込んで、ここで治療したい、便通を直したいと思った人に来てほしい。
治療は患者さんの日々の排便の中にあるので、患者さんが便を出してくれないと何も変わりません。
痔の原因は出口の便秘だと考えて排便管理をメインとした治療をしているため、坐薬を入れたくない、便を出したくないという人は診療所の治療を受け入れられないと思います。
この患者さんはすんなり受け入れられて坐薬も毎日使われました。
最初は挿入も慣れず大変でも、2週目に入ると上手に入れられるようになってきます。
坐薬を入れて便が出るということは出口の便秘の証拠。
なぜなら肛門は便の通り道だからです。
便が通過していく所であって、便を溜めておく場所ではありません。
いついかなる時も空っぽ。
そこに便はないんです。
私が診察しても便は無いのが普通。
坐薬入れても何も出ないことが正常。
だから便が出るっていうことは、それだけ肛門に便を溜めているということ。
そうやって長年便を溜めて生きてきたから痔になったのです。
その便通を直さずに、肛門に溜まった便を出さずして痔の完治はあり得ないと考えて、私たちはまずは便を出してもらっています。
便を出して肛門を空っぽにしたら
肛門が軽い
腫れがひいた
でっぱりが入った
でっぱりが出なくなった
ということも多く、便がある時と無い時とでは肛門が随分違うのだということを患者さんのオシリを通して経験させてもらいました。
排便管理がちゃんとできている患者さんは痔が悪化せず、10年、20年、付き合っているという人も多いです。
いつまで付き合えるかは分かりません。
突然悪化して辛いことになるかもしれません。
そうなってから手術を考えても手遅れになりませんので、納得できるまで痔と付き合ってもらっていいんです。
安心、嬉しい、感無量。
そんな治療と場所を提供していきたいと思います。
嬉しいアンケートをありがとうございました。
診療所のセラピードッグ「ラブ」
ボクも一緒にお待ちしてます
診察室のカゴの中で寝てますので
遠慮なく声をかけて下さいね
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