溜まりに溜まっている患者さんが書いて下さったアンケートを今日もご紹介。
だいぶ前のアンケートですがご紹介したいと思います。
肛門そうよう症の30代女性が書いて下さったアンケートです。
なんと、2016年に書いて下さったアンケートでした
(どんだけ溜めてんねん)
この頃は「受診のアンケート」だけだったので、その後、治療してどうなったのかまでは書かれていませんが、この患者さんをはじめ、肛門そう痒症の人はほとんどの方が3回通院して完治終了となります。
何年も痒みで悩んで、皮膚科や肛門科など、何軒も回ってから遠方からわざわざ来られることが多い肛門そう痒症。
私が元皮膚科医という異色の経歴を持つ肛門科医だからということもあって、肛門のかゆみで受診される患者さんが以前から多かったです。
かゆみの背景には出残り便秘があることが多く、ここを根本的に改めなければ、ステロイドを塗っても、痔の薬をもらっても、どんな治療をしても痒みは繰り返されます。
ステロイドを塗ると炎症がおさまるため一旦、かゆみが無くなるので、かゆみが出る度にステロイドを塗っていると、漫然と長期間にわたり使用することになってしまいます。
そうなると毛細血管が拡張して皮膚が赤くなったり、皮膚が薄くなったりとステロイドによる副作用が出てしまうので、1ヶ月以上の使用はやめましょう。
またかゆくなったら塗るという「ちょこちょこ塗り」を繰り返していると、だんだん薬が効かなくなって、もっとキツイ薬に手を出すようになってしまうので逆効果。
それにね
どんなにキツイ薬を塗っても、かゆみの原因は便なので、ちゃんと便を出し切るようにしなければ根本的な解決にはなりません。
正しい排便なくして痒みの治療なしなのです。
それは何も痒みに限った話ではなく、切れ痔(裂肛)もいぼ痔(痔核・脱肛)も同じこと。
だから痔の根本治療は痔の原因となった便通を直すこと。
掻きむしって皮膚がひどいことになっていればステロイドを使います。
だいたい2〜3週間塗れば湿疹はキレイに治ります。
湿疹が治ったあと、1か月間、Sザルベを塗ってもらいもう一度受診してもらって完治終了となります。
だから初回(ステロイド治療2〜3週間)→2回目(ステロイドをやめてSザルベに)→3回目(治ったかどうかの確認に診察)で終了!というパターンで終わりになることが多いです。
参考になさってください。
痒みについての詳しい解説はコチラにありますので是非お読み下さい
肛門のかゆみ〜肛門そう痒症、痔のかゆみ、肛門の皮膚病について〜



クリックお願いします
患者さんのリクエストで復活させた
化粧品と発酵素するりの記事は
コチラ
便通・腸を整えて美肌を目指す 元皮膚科・現役肛門科の女医が教えるキレイ術
2020年12月25日に本を出しました
是非、本屋さんで買ってください