坐薬を使ってもうまくいかない時は相談を | みのり先生の診察室

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5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

溜まりに溜まっている患者さんが書いて下さったアンケートを今日もご紹介。

 

今日ご紹介するのは遠方から来られた40代女性。

 

2回目の通院で治療終了となって、年に1回のオシリ健診に来られたのですが、その間にオシリ以外の体調不良が色々あったようで・・・。

 

アンケートには初めて受診された時の感想と、この1年にあった体調不良について書かれていました。

 

 

初めて受診される患者さんで、便がスッキリ出し切れた状態で来られる方はほぼゼロです。

 

なぜなら、スッキリ出てないから痔や肛門のトラブルが発生したのです。

 

肛門に何か困ったことが起こっている人が受診されているので、当然、皆さん、便通が悪いわけです。

 

痔や肛門のトラブルの背景には必ずと言っていいほど出口の便秘があるので、診察したら便を確認できることが多く、この患者さんのように2〜3回排便してきたのに残っている状態の人もおられます。

 

っていうか、スッキリ出し切れずに便が残ってるから2〜3回出るんですけどね滝汗

 

何度も短時間に便が出るのは残ってる証拠ですよグラサン

 

残っていると残便感や気持ち悪さがあるのですが、肛門のセンサーが鈍ってしまうと残便感も気持ち悪さもありません。

 

便があることが当たり前になってしまっているのです。

 

 

そもそも肛門は便の通り道

 

便が通過していく所であって、便を溜めておく場所ではありません。

 

いつも空っぽなんです。

 

そこに便は無いんです。

 

 

便が残るようになると、肛門が便に慣れてしまい、気持ち悪さも残便感もいつしかなくなり、さらにもっと感覚が鈍くなると、1日分の便が溜まっても便意が起こらなくなります。

 

そうやって毎日出ていたのが2日に1回になり、もっと便を溜められるようになると3日に1回になっていきます。

 

鈍ってしまったオシリの感覚を取り戻すためには、通り道である肛門から便をどけてあげないといけません。

 

本来空っぽが普通なので、本来の状態に戻してあげる必要があります。

 

自分で空っぽに出来ないので、坐薬や浣腸を使って空にします。

 

そうしてもう一度、オシリに、体に、頭に、肛門が空っぽである状態を教えてあげる。

 

これが普通なんですよ〜と。

 

そうしていくうちに鈍っていた肛門の感覚が元に戻ってきて、

 

便が分かるうんち

便が下りてきたのを感じるうんち

少し便意がくる

出したあとに残っているのが分かる

スッキリ出たかどうか感じ取れる

 

という風に、徐々に改善していきます。

 

これ、治療している患者さんから教えてもらったこと。

 

 

そうやって感覚が戻ってくると、ちゃんと便意が来て、スッキリ全部出し切れるようになる。

 

そうなると坐薬は必要なくなります。

 

 

最初は毎日使ってもらうのですが、だんだん残便が減ってきて、坐薬を入れても何も出なくなったら毎日使う必要はありません。

 

残ったときだけ

出にくいときだけ

 

使えばいい。

 

 

そうなるまで何ヶ月、何年かかるのかは患者さんによって違います。

 

1年経たないうちに週に1回くらいで済むようになっている患者さんもいるし、5〜6年経っても出残り便があるから毎日入れている患者さんもいる。

 

あるいは肛門が鈍感になってるから坐薬を入れて便を出しているという人も。

 

本当に人によって様々。

 

 

年に1回のオシリ健診に来られていても、1年の間に色々と体調が悪かったり、オシリ以外の病気で悩むこともあるでしょう。

 

便通だって体調と同じように変わります。

 

だから困ったときは遠慮なく相談して下さいニコニコ

 

受診して頂くのが一番確実ですが、受診できないときはお電話でも構いません。

 

私が電話に出るわけではないので、その場で回答できませんが、患者さんからの相談はコールセンターが全て記録し、私は毎日目を通しています。

 

お返事をするのが診療が終わってからになるので、夜遅くなることもあります。

 

その場合は回答が翌日になってしまいますが、自己判断せず相談して下さいね。

 

 

この患者さんが書かれたアンケートの内容は、診察室でもお話しされたので解決済みですが、「こんな時、坐薬はどうしたらいい?」という場合は必ずお電話くださいねウインク

 

 

年に1回のオシリ健診だと期間があきすぎると言われて年に2回来られている患者さんもおられます。

 

通院のペースはご自身で決めてもらっていいんですよ。

 

年に1回しか来てはいけない・・・ではありませんので滝汗

 

ある患者さんは別に肛門に異常がないけど、診てもらわないと不安だからと、何も困ってないのに、必ず月に1回来られて、何も無いことを確認して帰られています滝汗

 

 

だから心配や不安がある場合は、その都度、受診してもらってもいいですよ。

 

ただ、うちの診療所、自費なんで費用のことを考えて年1通院にしているという理由もあることをご理解くださいお願い

 

患者さんにとって負担が少ない方がいいかな・・・とあせる

 

 

それに医療機関ってリピートしない方がいいじゃないですか。

 

飲食店なら美味しいから何度でも通いますが、病院はねぇ・・・滝汗

 

しかも肛門科ですから・・・ニヤニヤ

 

 

だけど、うちの診療所には楽しみに通ってくださっている奇特な患者さんが結構おられます爆  笑

 

ブログも毎日チェックして楽しみにして下さっているので、こうして患者さんに向けて私も頑張って書こうと思えるわけです。

 

 

またこの患者さんのようにイボ痔に気付いていない人もおられます。

 

痔の診断をされるとショックかもしれませんが、気付いていないということは症状がなくて何も困ってないということ。

 

だから手術は勧めません。

 

イボ痔だからって手術というわけではないのです。

 

何も困ってなければ手術せずに痔とうまく付き合っていくこともできますし、困ったらその時に治療を考えればいい。

 

そうやって痔を手術せずに、ずっと痔を持ったまま快適に過ごしている患者さんもたくさんおられます。

 

 

ただね

 

やっぱり便を溜めると痔は悪化します。

 

 

便意を感じたらスグにトイレに行って欲しいなぁ。

 

だってね

よーく考えてみて。

 

 

便意があるってことは、便が肛門に下りてきて出ようとしてるってこと。

 

そこで便意を我慢したらどうなる?

 

我慢できてしまうということは「便意が消失する」ということ。

 

そして出かかった便は?

 

出口に溜まったまんまになりますよグラサン

 

 

ホンマに肛門に便を挟んでいる人もいますから・・・あせる

 

 

そうやって便意を消失させていたら、もう便意が起こらなくなってしまうのです。

 

だから会社でも我慢せずにトイレに行って欲しいなぁ。

 

 

その我慢習慣が出口の便秘を作り、便秘のせいで痔になったワケだから。

 

そういう意味で便秘も痔も便意を我慢することから始まるとも言える。

 

 

皆さん、トイレには行きましょうね。

 

大も小も滝汗

 

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