受診する患者さんから人気の高い記事が、患者さんが書いて下さったアンケートを掲載したものなんですが、い〜っぱい溜まってまして・・・
多分1000枚くらいありますかねぇ・・・
1日1枚掲載しても3年くらいかかる
それじゃあまるで患者さんの声ブログになってしまう。
え
そのほうがいい
かもしれませんねぇ
私の言葉よりも実際に痔になって苦しんだ患者さんの言葉のほうが胸に響くようですから。
今日ご紹介する患者さんは遠方から新幹線で受診された40代女性。
通院しても治らない切れ痔で悩んで受診されました。
まずはアンケートから。
キレイな字でビッシリ書いて下さいました。
(私が気になった箇所と解説したい部分を太字や大文字にしました)
とても嬉しかったです。
ありがとうございました
ハンカチは大切に使わせて頂いています。
お手紙の内容も、治療している患者さんのためになる内容なので、後日ブログでアップしたいと思っています。
さて、この患者さんは半年間切れ痔が治らず近医で手術と言われていました。
この患者さんに限らず、手術宣告を受けた患者さんのセカンドオピニオンが多いです。
その中で手術でしか救えないオシリは本当に一握り。
多くの患者さんが手術をせずに治っています。
特に肛門狭窄を伴わない切れ痔(裂肛)は2週間くらいで完治することが多いです。
今までの治療では何故、治っていないのかと言うと、皆さん、便通を治さずに薬だけ使っているのです。
診察すると肛門の中が便まみれ・・・ということが多く、傷に便が付いていると切れ痔は治りませんから、まずは便をちゃんと出すことから治療が始まります。
治療の第一歩は正しい排泄からなんです。
診察で便を確認したら必ず坐剤で排便をしてもらって、もう一度診察。
ほとんどの患者さんがそれで便を出し切れているのですが、長い間、痔を患っている患者さんは1回で出し切れないこともしばしば
何度か浣腸して、やっと肛門の中が空っぽになった・・・ということも。
痔がなかなか治らない患者さんには必ず理由があるということを、排便を通して納得。
こんな便通だから半年間も切れ痔が治らなかったのです。
原因がわかればあとは簡単。
毎日ちゃんと排泄するようにすれば、それだけで、別に注入軟膏などを使わなくても切れ痔は治るのです。
この患者さんにも薬は出していません。
ただただ毎日、便をちゃんと出してもらって、傷口に薬ではなく、ワセリンとミツロウで作ったSザルベを塗るだけ。
それだけで切れ痔は良くなる。
この患者さんのように、あんなに痛かったのに診察が終わって帰る頃には痛みが消失していることもしばしば。
そりゃあウンコまみれだったら痛いわな
多くの患者さんが言われる「お尻が軽い」という言葉。
これを味わって、肛門が空っぽという状態を当たり前にしてほしい。
なぜなら肛門は便の通り道。
便が通過していく所であって、便を溜めておく場所じゃない。
いつも空っぽなんです。
そこに便はないんです。
そこに便があるのが当たり前になってしまっているので、この空っぽ状態をもう一度お尻と頭に覚えさせる。
空っぽが普通だよと。
そうすれば、だんだん残っているかどうかわかるようになったり、便が下りてくると感じるようになる。
そうやって排便トレーニングをもう一度やり直す。
いわば「オシリのリハビリ」のようなもの。
機能が元に戻ったら、自然に坐薬は必要なくなっていきます。
実際に、今では年に数回しか坐薬を使っていない患者さんもおられます。
どれくらいの期間、オシリのリハビリが必要なのかは、便を溜めて、便を残して生きてきた年数による。
だから気長に頑張って下さい
この患者さんも予定通り2回目の通院で治療が終了して、あとは年に1回のオシリ健診となりました
年に1回なので遠方の人も必ず来られています。
切れ痔は治っても出残り便秘は治っていないので、便秘治療は患者さんが生活の中でずっと続けてもらわなければなりません。
どうか頑張って下さいね
診療所のセラピードッグ「ラブ」
ラブは土曜日以外は
診察室に居るのですが
遠方の方は土曜日に
来られることが多いので
なかなか会えないですね
クリックお願いします
患者さんのリクエストで復活させた
化粧品と発酵素するりの記事は
コチラ
便通・腸を整えて美肌を目指す 元皮膚科・現役肛門科の女医が教えるキレイ術
2020年12月25日に本を出しました
是非、本屋さんで買ってください