肛門科っていうと何故かオッサンが行く所・・・というイメージがあるようですが、うちの診療所は患者さんの8割近くが女性。
男性のほうが小さくなっているくらいです。
若い女性が多いのですが、実は小児も多いです。
下は2歳児くらいから診ています。
相談内容のほとんどが小児科を受診しても治らない切れ痔です。
小児科で酸化マグネシウムをはじめとする様々な下剤を処方されて飲んでいるけれど、一向に切れ痔が治らない。
治らないどころか見張りイボが出来てどんどん大きくなってきている
子どもは排便を嫌がるようになりますます便秘に・・・
薬の量を増やしても出始めだけが硬くて、あとから出てくる便は下痢というパターンも多いです。
口から飲む下剤や乳酸菌や食物線維などは「これから作られる便」には効きます。
ところが既に出来上がって出口まで下りてきている便や、ましてや出し残した「出残り便」には効きません。
また残った便は傷を汚染します。
だから傷が化膿して炎症を起こし見張りイボを作る。
当然痛い・・・
通院しているのに治らない切れ痔サイクルに入ってしまった小児の患者さんを大勢診ています。
そんな子どものお母さんのアンケートをご紹介。
この患者さんのように親子受診の方も結構おられます。
親子で痔だからって、遺伝ではありませんよ
痔は排泄の結果なので、間違った排泄をしていたから痔になってしまったのです。
間違った排泄は小さな子どもの頃から始まることも多く、この時点で治療に介入できれば将来の痔を予防できると私は考えています。
だから小児の患者さんが受診されると嬉しい。
ただ小児科で痛い診察や浣腸を無理矢理されてトラウマになっている子どもも多く、診察は一筋縄でいきません。
当然、親の協力無くして治療はあり得ないので、お父さん、お母さんにしっかりと説明をして理解して頂く必要があります。
その点、親子受診の患者さんはお母さんが自分のオシリでもって体験して理解されているため治療がやりやすい。
痛がって嫌がる子どもに坐薬を入れるのは本当に大変
だけどスッキリ感を味わって、排便後の痛みが無くなると、小さな子どもでも納得するようで、徐々に協力的になっていきます。
そして「便を出すことは、こんなに気持ちの良いことなんだ」と分かると坐薬も「入れてー」と子どものほうから催促してくるようになります。
そうなれば習慣化でき、切れ痔も治ります。
ほとんどの患者さんが2〜3週間後の2回目の通院で完治し治療が終了します。
あとは患者さんの生活の中で自己管理。
調子が悪い時に受診してもらえばいいのですが、自己管理がちゃんと出来ている患者さんは調子が悪くならないので、ほとんどの患者さんが年に1回のオシリ健診となっています。
こうして小さい頃から年に1回のオシリ健診で受診されている患者さんが何名かおられ、幼稚園児だった患者さんが成人し、未だに痔にならずにすんでいることを考えると、痔という病気は予防出来ると確信しています。
肛門科が「恥ずかしくて行けない科」ではなく、痔にならないために、痔になる前に受診する科になるといいなと思って情報発信を続けています。
痔は排泄の結果なので、痔の原因となった便通を治さなければ手術して痔を治してもまた痔になってしまいます。
そうならないためには手術して治したあとも安心せず、排便の管理はずっと続けて下さいね。
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