小さな子どもも受診している肛門科 | みのり先生の診察室

みのり先生の診察室

5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

肛門科っていうと何故かオッサンが行く所・・・というイメージがあるようですが、うちの診療所は患者さんの8割近くが女性。

 

男性のほうが小さくなっているくらいです。

 

若い女性が多いのですが、実は小児も多いです。

 

下は2歳児くらいから診ています。

 

相談内容のほとんどが小児科を受診しても治らない切れ痔です。

 

小児科で酸化マグネシウムをはじめとする様々な下剤を処方されて飲んでいるけれど、一向に切れ痔が治らない。

 

治らないどころか見張りイボが出来てどんどん大きくなってきている笑い泣き

 

子どもは排便を嫌がるようになりますます便秘に・・・汗

 

 

薬の量を増やしても出始めだけが硬くて、あとから出てくる便は下痢というパターンも多いです。

 

口から飲む下剤や乳酸菌や食物線維などは「これから作られる便」には効きます。

 

ところが既に出来上がって出口まで下りてきている便や、ましてや出し残した「出残り便」には効きません。

 

また残った便は傷を汚染します。

 

だから傷が化膿して炎症を起こし見張りイボを作る。

 

当然痛い・・・えーん

 

通院しているのに治らない切れ痔サイクルに入ってしまった小児の患者さんを大勢診ています。

 

そんな子どものお母さんのアンケートをご紹介。

 

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だいぶ前におしりのトラブルによって受診、手術をさせて頂きました。

 

その時は便秘、出血。痛みもあり、恥ずかしかったので女医さんが居るところを探して行ってみました。

 

最初は不安と緊張がありましたが、先生の説明を聞いてホッとしたのを記憶してます。

 

手術後は順調でしたが妊娠したことでまた症状に悩まされ・・・。

 

育児に追われ自分のことは二の次になり約10年ぶりに受診。

 

小学生になった子どもも便秘、出血に悩まされていたので今回親子受診をしました。

 

子どもはトラウマもあり先生の診察がちゃんと出来ませんでしたが治療方法を説明してもらえ、ありがたかったです。

 

 

子どもは最初、坐薬を入れる時、いやがり泣いて逃げ回ってました。

 

徐々に毎日ウンチが出ることが本人も楽だと気づき、自ら「今日もブスッ!!する?」と聞くようになりました。

 

今までおしりを拭くことも自分で出来なかったのに、坐薬後スッキリしてティッシュにもあまりウンチが付かなくなったことで出来るようになりました。

 

以前はウンチの度に暗かった表情も今では「出たよアップアップ」と嬉しそうに報告してくれます。

 

小さいうちに治療したことは本当に良かったなぁと思いました。

 

大きくなる中で私のようにならないように、おしりの付き合い方を学べて本当に本当に良かったです。

 

ありがとうございました。

 

私自身も再度手術にならないように、日々指導して頂いたことを実践し、親子で頑張って行こうと思ってます。

 

なかなか恥ずかしくて行けなかった肛門科あせる

 

今は何かあれば相談できる病院が出来て安心です。

 

これからも何かあればよろしくお願いします。

 

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この患者さんのように親子受診の方も結構おられます。

 

親子で痔だからって、遺伝ではありませんよパー

 

痔は排泄の結果なので、間違った排泄をしていたから痔になってしまったのです。

 

間違った排泄は小さな子どもの頃から始まることも多く、この時点で治療に介入できれば将来の痔を予防できると私は考えています。

 

だから小児の患者さんが受診されると嬉しい。

 

ただ小児科で痛い診察や浣腸を無理矢理されてトラウマになっている子どもも多く、診察は一筋縄でいきません。

 

当然、親の協力無くして治療はあり得ないので、お父さん、お母さんにしっかりと説明をして理解して頂く必要があります。

 

その点、親子受診の患者さんはお母さんが自分のオシリでもって体験して理解されているため治療がやりやすい。

 

痛がって嫌がる子どもに坐薬を入れるのは本当に大変あせる

 

だけどスッキリ感を味わって、排便後の痛みが無くなると、小さな子どもでも納得するようで、徐々に協力的になっていきます。

 

そして「便を出すことは、こんなに気持ちの良いことなんだ」と分かると坐薬も「入れてー」と子どものほうから催促してくるようになります。

 

そうなれば習慣化でき、切れ痔も治ります。

 

ほとんどの患者さんが2〜3週間後の2回目の通院で完治し治療が終了します。

 

あとは患者さんの生活の中で自己管理。

 

調子が悪い時に受診してもらえばいいのですが、自己管理がちゃんと出来ている患者さんは調子が悪くならないので、ほとんどの患者さんが年に1回のオシリ健診となっています。

 

こうして小さい頃から年に1回のオシリ健診で受診されている患者さんが何名かおられ、幼稚園児だった患者さんが成人し、未だに痔にならずにすんでいることを考えると、痔という病気は予防出来ると確信しています。

 

肛門科が「恥ずかしくて行けない科」ではなく、痔にならないために、痔になる前に受診する科になるといいなと思って情報発信を続けています。

 

痔は排泄の結果なので、痔の原因となった便通を治さなければ手術して痔を治してもまた痔になってしまいます。

 

そうならないためには手術して治したあとも安心せず、排便の管理はずっと続けて下さいね。

 

診療所のセラピードッグ「ラブ」あしあと

左側がラブですしっぽフリフリ

ラブに会うのを楽しみに

診察に来てくれる子も多いですわんわん

 

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2020年12月25日に本を出しました!

 

是非、本屋さんで買ってくださいドキドキ