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コロナ患者使用のリネン、標準洗濯でOK

メディカルトリビューン

2021年05月10日 05:05
 
 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者が使用したリネン類の回収、洗濯に伴う感染リスクは不明であり、宿泊療養施設や医療機関などでは一様に廃棄されているケースが少なくない。

 

国立感染症研究所は、COVID-19患者が使用後のリネン類を取り扱う際の感染リスク、および洗濯方法別に感染性を有する新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の残留頻度を調査。

 

その結果、無症状、軽症患者が使用したリネン類には、少なくとも入院または発症後5日目まで感染性を有するSARS-CoV-2が付着している可能性があるとしつつも、家庭用洗濯機を用いて標準的な洗濯を行えば、洗剤の種類にかかわらず感染リスクは低いと報告した(IASR 2021年4月30日速報版)。

 

なお、COVID-19患者使用後のリネン類を安全に運搬し、洗濯機に入れることができる場合、洗濯前の熱湯・化学消毒は不要という。

患者使用後のリネンや空気検体など多数で検証

 SARS-CoV-2は飛沫感染接触感染に加え、換気が悪い密閉空間をはじめとする特定の状況下で空気感染を引き起こすとされている(N Engl J Med 2020; 383: 1757-1766)。

 今回の調査では、COVID-19患者が使用したリネン類による感染リスクと安全かつ効果的な洗濯方法について検証した。

 検体採取の対象施設は、COVID-19の無症状または軽症患者が入所する宿泊療養施設および軽・中等症患者が入院する医療機関(一般病床と陰圧室)各1施設。

 

SARS-CoV-2の排出を確認するため、入所・入院翌日(Day1)とDay3に鼻咽頭検体がともにSARS-CoV-2陽性と判定された患者を対象とした。

 接触感染リスクの評価では、患者が使用したシーツ、ワンピース型寝間着、枕カバー、かけ布団カバー、バスタオル、フェースタオルの表面から、Day1以降1日置きにDay7までウイルス輸送液入りの拭き取り検査用キットを用いて検体を採取した。

 

なお、検体を採取したリネン類の素材は綿、または綿・ポリエステル混合であった。

 さらに、リネン類の回収直後および鼻咽頭検体採取後には、対応した担当者が着用した個人用防護具〔PPE:N95マスク、ゴーグル、ガウン上部(胸部)、ガウン下部(膝部分)〕の表面からも25cm2の範囲で検体を採取した。

 飛沫・空気感染リスクの評価では、患者が使用していた部屋の窓などを閉めた状態で、リネン類の回収前(ベースライン)および回収後に空気検体2,000Lを、MD8とゼラチンフィルターを用いたエアサンプリング法で採取した。

 Day1とDay3に患者使用後のリネン類を水、洗剤、柔軟剤を用いて洗濯した。

 

次に80℃の熱湯に10分間ひたす処理、および次亜塩素酸ナトリウム250ppmを用いた5分間の浸漬処理を行った後のすすぎ水を500mL採取し、ポリアクリル酸沈澱法により250倍に濃縮した液体を検体とした。

 RNAの調製は0.2mLの検体から磁気ビーズによる自動抽出・精製装置を用いて実施、ウイルス検査はN2領域を標的とするリアルタイム逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)法により行った。

 

ウイルス分離はCt値34未満の検体を、濾過滅菌後に培養したVeroE6/TMPRSS2細胞(0.1mLを12ウェルプレートで培養)に接種し、7日間培養した。

 細胞変性効果が確認できなかった場合には、培養上清0.1mLを接種材料として同様の培養を2代行った。

リネン交換時の空気感染リスクは低い

 対象は、宿泊療養施設が6例、医療機関が7例の計13例〔女性7例(54%)、年齢中央値46歳(四分位範囲33~55歳)〕。

 

8例(62%)が軽症、その他は無症状だった。

 宿泊療養施設と医療機関各4例の使用後のリネン類からSARS-CoV-2のRNAが検出された。

 

検出頻度はシーツ、ワンピース型寝間着、枕カバー、かけ布団カバーが8~29%、バスタオル、フェースタオルが4~8%で、宿泊療養施設と医療機関で差は認められなかった


 Ct値34未満のウイルス検出は宿泊療養施設ではDays5まで、医療機関ではDay3まで確認されたが、各検体からSARS-CoV-2は分離されなかった。

 PPEについては、リネン類回収直後にはガウン上部1検体(2%)、ガウン下部5検体(10%)からRNAが検出されたが、N95マスクとゴーグルからは検出されなかった。

 

患者の鼻咽頭検体採取後のPPEからの検出例はなかった。

 空気検体では、宿泊療養施設(回収前4検体、回収後7検体)の方が病院(同2検体、3検体)より高頻度に検出されたものの〔回収後29%(7/24検体)vs. 11%(3/28検体)〕有意差はなかった。

 

PPE検体および空気検体から検出されたSARS-CoV-2のCt値は、いずれも34以上であった。

 洗濯後のすすぎ液については、水洗いではSARS-CoV-2のRNAは検出されず、洗剤洗い1検体(20%、Ct値40)、柔軟剤洗い1検体(17%、Ct値37)でRNAが検出された。

 以上から、COVID-19患者が使用したリネン類からは、一定の頻度でSARS-CoV-2が検出されることが示された。

 

ウイルス分離が可能とされるCt値34未満の検体(Euro Surveill 2020; 25: 2001483)は、Day5以降は確認されなかったが、それ以前には患者のリネン類に感染性を有するSARS-CoV-2が付着している可能性が示唆された。

 また、ウイルスは環境表面で3日間生存するとの報告があることから(N Engl J Med 2020; 382: 1564-1567、関連記事「新型コロナ、環境内で数時間~数日生存」)、同研究所はCOVID-19患者が使用したリネン類を交換・洗濯する際は、入院または発症後8日間程度は長袖ガウンと手袋の着用および手指衛生の遵守が必要とした。

 一方、感染性が疑われるSARS-CoV-2が患者のリネン類に付着している場合でも、空気検体およびリネンなどの交換担当者が着用していたN95マスクやゴーグルからは感染性が疑われるレベルのSARS-CoV-2は検出されなかった。

 

これは、リネン類に付着したSARS-CoV-2による空気感染リスクは低いことを示している。

 

ただし、感染性を有するSARS-CoV-2が付着している可能性があるリネン類を扱う際は、十分な換気を行いつつ、患者と接する可能性も考慮し、サージカルマスクと眼の防護具を着用することが重要だとした。

 リネン類を水洗いした場合はウイルスが検出されていないこと、その他の洗濯方法によるすすぎ液中から検出されたウイルスのCt値は34以上であったことから、家庭用洗濯機で標準的な洗濯を行えば、洗濯後のリネン類の取り扱いに伴う感染リスクは低いとした。

 

また、COVID-19患者が使用したリネン類を安全に運搬し洗濯機に入れられる場合、洗濯前の熱湯・化学消毒は不要との見方を示した(ドライクリーニングとウエットクリーニングについては未評価)。

 今回得られた知見から、同研究所は「COVID-19患者が使用したリネン類を廃棄せず安全に洗濯することで、資源を有効活用することができる」と結論している。

(渕本 稔)

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PCR陽性で自宅療養されている人もおられるでしょう。

 

同居しているご家族が居る場合、洗濯物ってどうすればいいの・・・?と肛門科の診察室で尋ねられることはありませんが、標準洗濯で良いようですね。

 

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