今日のブログは閉鎖した診療所のオフィシャルブログに掲載していた記事をリライトしてお届け致します。
大切な記録としてアメブロに残したいと思います。
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実は患者さんよりも痛がりで、隣の患者さんがドン引きするくらい整骨治療院では「痛い、痛い」と叫んでいる大阪肛門科診療所 肛門科女医で専門医・指導医の佐々木みのりです(笑)
今日は手術の話です。
大阪肛門科診療所では入院手術と日帰り手術の2種類があります。
入院と日帰りで術式(手術方法)が違うのです。
全然違うので、よく理解してから選択してもらっています。
今まで私たちの「強み」であった「痛みの少ない手術」は「入院手術」です。
痛みに弱い人、痛くないことが最重要・最優先の方は入院手術を選んでもらっています。
だって日帰り手術は痛いから・・・。
日帰り手術の場合、痛み止めが必要なのは2週間まで
痛みって測れないし、人によって痛みに強い人弱い人、色々だと思うのですが、日帰り手術が痛いと言っても、それは入院手術に比べて痛いというだけで、世間一般的には普通だと思っています。
だってね
日帰り手術を受けた患者さんは、手術を受けた翌々日から仕事に行っています。
職場に内緒で受けている人も多いので、普通に出勤されています。
もちろん痛み止めは必須です。
1日3〜4回定時に飲んでもらっています。
痛み止めを飲んでいても痛いという人もおられます。
逆に全然痛みがマシだから痛み止めを飲まなかったと言われる人もおられます。
同じように手術していても・・・です。
だから本当に痛みについては個人差があります。
一概には言えませんが、普通、手術したあとって、痛み止めを飲むのが一般的だと思うのです。
他の施設のことは分かりませんが、時々、セカンドオピニオンで他の施設で手術を受けられた患者さんが来られるのですが、術後1ヶ月経っているのに歩くのもつらくて痛み止めが欠かせない・・・というケースもあり、痛み止めの処方も1ヶ月分もらっていることもしばしばあります。
それに比べると、うちの診療所の術後は2週間で痛み止め不要になることを考えると、さほど痛くないのでは・・・と
それにね
本当に死ぬほど痛かったら術後に仕事に行けませんよね?
痛いと言いながらも出勤できているわけで、動けなかったり寝込んだりするような痛みではありません。
どんなに痛くても、いつか無くなる痛みです。
ずっと続きません。
だから
どんなに痛くても2週間だけ頑張って!
と励ましています。
実際に今までの経験上、2週間たったら痛み止めを飲んでいる人がほとんどいないからです。
日帰り手術は結紮療法なので、糸が取れると痛みが激減する
なぜ2週間経つと痛み止めが必要なくなるのか?
明確な理由があります。
日帰り手術は「分離結紮」「振分結紮」という独特な術式で手術をしています。
簡単に言うと、イボ(痔核)を糸で縛って壊死脱落させる方法です。
手術したあとは、くくられたイボ(痔核)が肛門のふちに付いている状態です。
それが腐ってポロッと落ちるのに、だいたい2週間くらいかかるんです。
もちろんケースバイケースです。
大きなイボ(痔核)は落ちるのに時間がかかりますが、小さなイボ(痔核)は早く落ちます。
イボ(痔核)が腐って落ちて糸が外れたら痛みが激減するようです。
だからイボ(痔核)が落ちるまでの辛抱です。
落ちたあとは、そこに傷が出来てるので、傷のヒリヒリするような痛みに変わります。
排便の時は痛いけど、普段は全然大丈夫と言われる患者さんが多いです。
実際に受けられた患者さんのアンケートをご紹介しましょう。
日帰り手術を受けられた遠方の40代女性の手記
長年かかって大きくなったイボ痔。
押し込んでもすぐ外に出てくるようになり排便後には、お風呂で押し込むことが、毎日の日課になっていました。
地元の女医さんがいる病院に意を決して受診し、手術をすることに。
しかし、手術は3ヶ月後と言われ、それまで待つしかありませんでした。
手術を待つ間に行った海外旅行中に、今までにないほど大きく出てきて、押し込んでも、押し込んでも戻らず。
このまま手術を待ってられないと思いこちらを受診しました。
受診前に、切羽詰まって送ったメールに、院長先生からすぐお返事をいただき、それも背中を押された感じです。
手術をするつもりでの受診で、みのり先生はしっかり話を聞いてくれ、「大変だったね~。」と声をかけてもらい、心の中で泣いていました(笑)。
手術のための検査をして、気がつけば2時間以上いました。
こんなにしっかりと対応してもらえるなら間違いないと感じました。
10日後の手術までがとても待ち遠しく、やっと毎日の大変さから解放されると思うと、不安は1つもありませんでした。
地元の病院で手術を受ければ安く済んだとは思いますが、待つ間の辛さを考えると、通院日、診療日もかかりますが、すぐ手術してもらえることが私にとっては最優先でした。
手術には、ラブちゃんも一緒にいてくれ、話しかけている間に終わってました。
4つも大きなイボ痔があったと言われびっくりしました。
手術後は、麻酔が効いていて、お尻のあたりが重く感じましたが、痛みはあまり感じませんでした。
近くの中華料理店でランチを食べ、大阪城を見学に歩いていけました。
しかし、良かったのはここまでで、この先、2週間が精神的に大変でした。
痛みの覚悟はしていたのですが、それ以上に精神的な辛さがありました。
たくさんの飲み薬、注入軟膏、座薬、塗り薬と、やることが多く、日々、それをこなしていくことで精一杯でした。
傷口からは出血がずっとあり、ナプキンを変えても止まらないことに不安になりました。
傷があっても、座薬を入れ、便を出すことになかなか慣れませんでした。
仕事をしながらも頭がお尻のことでいっぱいでした。
早く治ってほしい気持ちと焦りがピークでした。
10日ほどして次々と糸が取れ、出血も減っていき、分泌液のようなものに変わっていくと、治っている実感がわき、前に進んでいると思えるようになりました。
みのり先生が言われていたように、2週間は本当に大変でした。
毎週の診察でだんだんと薬が減っていき、塗る薬が変わっていくことが何よりも励みになりました。
みのり先生は、いつもわかりやすく現状を説明してくれ、こちらの質問にも丁寧に答えてくれました。
毎週出てくる不安が安心に変わっていきました。
傷がなかなか治らなくても大丈夫だと思えるようになりました。
2ヶ月が経ち、もう少しで完治というところまでやっときました。
まだ、しばらくは、お世話になると思いますが、ひとまず、本当にありがとうございました。
初診の時からそうでしたが、看護師のみなさんの細やかな心配りが、不安でいっぱいの患者としては、とても心強く、安心できました。
素晴らしい看護師さんばかりです。
この診療所にして良かったと本当に思います。
みのり先生、これからもお尻で悩む女性をたくさん救ってください。
痛い思いをさせてしまったのに感謝して下さることに感謝です
この患者さんは嵌頓痔核でした。
すごく痛そうでした…>_<…
嵌頓痔核についてはコチラ↓
遠方から来られた患者さんでしたが、最初から手術希望でした。
地元に専門医が居るので、そちらで受けるようオススメしたのですが、本当につらそうで、出来るだけ早く手術をしたいと希望されました。
遠方の患者さんは、術後の通院のことを考え、完治までの期間が短く、通院回数の少ない入院手術をオススメすることが多いのですが、手術日まで待てないということと、通院も覚悟しての受診だったため、遠方でしたが日帰り手術を選択しました。
手術当日だけ近隣のホテルに宿泊し翌日の診察に来られましたが、その時は大阪観光が出来るくらいお元気そうでした。
ですが、自宅に戻ってからの1週間が地獄だったようです
遠方ですぐに受診できないという不安もあったのでしょう。
不安は痛みを増強しますからね。。。
また痛みを感じる時期も患者さんによって違うようです。
手術直後の3日間が一番痛いですと説明しているのですが、その時期は全く痛みがなくて、何ともなかったのに1週間くらいしてから痛くなってきたという患者さんもおられ、一概には言えません。
でも、どんなに痛くても、2週間くらいすると、かなり楽になります。
ほとんどの患者さんが痛み止めを飲まなくなります。
それが術後2週間。
3週目に入ると排便時の痛みはありますが、それ以外は痛み止めを飲まなくても過ごせるようになります。
この患者さんは痔核がかなり大きかったので、くくられたイボが腐って落ちるのに時間がかかりました。
痛い時期が長くなってしまったのですが、それでも2週間で峠を越えて痛み止めも必要なくなりました。
完治まで約2ヶ月。
2ヶ月もかからずに治る人、2ヶ月過ぎてしまう人、これも色々です。
早く治るからいい、とか、治りが遅いから悪い、ということでもないんですよね。
キズの治りは人それぞれ。
難治創になっていなければ心配ありません。
この患者さんも2ヶ月を少し過ぎましたが完治終了となりました。
こんな痛くて辛い思いをさせてしまったのに、喜んでお礼を言ってもらえる仕事って、なんて貴重で有り難いんだろうって思います。
日帰り手術が痛みなく出来れば最高なんですけどね。
私の方こそ、こんな感想を頂いて感謝です。
ありがとうございました。
大坂城公園も徒歩で行けるのですが
私は中之島公園のほうが好き
バラの見頃は5月ですが
年中楽しめますよ
診療所のセラピードッグ「ラブ」
ラブのお散歩も中之島公園
ちょうど歩くのにいい距離なんです
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患者さんのリクエストで復活させた
化粧品と発酵素するりの記事は
コチラ