「自分のおしりは自分で治す」という気持ちと姿勢が大切 | みのり先生の診察室

みのり先生の診察室

5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

今日のブログは閉鎖した診療所のオフィシャルブログに掲載していた記事をリライトしてお届け致します。

 

大切な記録としてアメブロに残したいと思います。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

昔は体力がなくてしょっちゅう風邪をひいたり熱を出していたのに、いつのまにか風邪もひかない強いオバハンになってしまった大阪肛門科診療所 肛門科女医で専門医・指導医の佐々木みのりです。

 

痔に限らず病気になったら病院へ行ってお医者さんに治してもらう・・・という意識の人が多いと思います。

 

私もそうでした。

 

医療機関を受診したからには何か(処置など)してもらって、何か(薬など)形のあるものをもらって、それで病気が治る、体が楽になると思っていました。

 

でも自分が医療を提供する側になって初めて気付きました。

 

患者さんの病気を治したいと思う気持ちと、しんどくてつらいかもしれない治療を乗り越える覚悟、そして病気を作った原因である習慣や生き方を変える行動がなければ完治はあり得ないと。

 

特に痔は良性疾患です。

命にかかわる病気ではないです。

 

排便習慣の結果起こった故障とも言えます。

 

だから患者さんの行動を変えることなく治療はあり得ないし、手術で痔を取り去っても便通が悪ければまた何度でも痔を繰り替えします。

 

ある意味、治療は患者さんの生活の中にあるし、患者さんにしか出来ないことです。

 

だから意識を変えることが大切だし、私たちの考え方や提案に賛同し実行に移す行動力が必要なんです。

 

それが伝わる患者さんと伝わらない患者さんがいます。

 

治療は先生がやってよ。

それが先生の仕事でしょ。

 

みたいな人は私はお断りです。

 

自分の体に起こっていることなのに、どこか他人事で、自分の体に自分で責任を持てないような人も、うちの診療所での治療は難しいでしょう。

 

いくら手術を頼まれても、便通を直すつもりがない人、術後の通院も出来ない人は責任を持って治療を引き受けられないのでお断りしています。

 

他の施設の受診をお勧めします。

 

わざわざ自由診療の大阪肛門科診療所を選ぶ意味がないと思うからです。

 

治療費だって高いし、治療は人任せに出来ません。

 

だって、代わりに便を出してあげることは出来ませんから(笑)

 

毎日の排便は患者さんの重要な仕事です。

 

ここを改めずして治療はあり得ないと考えていますので、その考えに賛同してくれる人だけ、診療所で治療してもらっています。

 

それを最初から分かった上で、受診して下さる患者さんは治療がスムーズにすすみます。

 

ブログでちゃんと伝わっていたのだと嬉しい気持ちになった患者さんをご紹介します。

 

妊娠中にブログを読んで出産後2年たってから受診された脱肛の40代女性患者さん

 

わざわざノートに書いて受診の感想を提出して下さってありがとうございますニコニコ

 

多くを語られるタイプの患者さんではありませんでしたが、凜とした姿勢に強さと覚悟を感じました。

 

結局、この患者さんは日帰り手術を受けられ、術後の痛みもあまりなく、完治して今は通院されていません。

 

でも年に1回の「おしり検診」には必ず来られています。

 

自己管理も完璧にできていて肛門もずっとキレイなまま保たれていますドキドキ

 

せっかく治したオシリだもの。

 

大切にしてほしいですね。

 

 

痔を治してからの生活が大切!

 

痔が治ったら治療が終わり!

 

と思われる人が多いと思います。

 

確かに正解です。

 

「治療」は終わりです。

通院も終わりです。

 

でも、手術して痔を治しても、「便通」は治ってません。

 

だから便通の管理は続くんです。

 

患者さんの日々の生活の中で。

 

患者さんによって痔の原因となった生活習慣は異なります。

 

だから気を付けることも一人一人違うのですが、一つだけ共通していることがあります。

 

それは排泄です。

 

毎日出ていてもスッキリ出し切れずに肛門の中に便が残っていると、また肛門に負担がかかって痔になってしまいます。

 

それを「出残り便秘」と名付けました。

 

詳しい解説はコチラ↓

 

出残り便秘・鈍感便秘 〜その残便感は便秘かもしれない〜

 

 

手術で痔を治すことは出来ても、痔の原因となった便通や生活習慣は手術で直りません。

 

だから便通は痔が治っても、肛門科の通院が無くなっても、生活の中で続けていく必要があるんです。

 

それをするのは患者さんの仕事。

 

私たちじゃない。

 

毎日トイレに行って指導も出来ないし、トイレのあと毎日診察も出来ません。

 

便出しだって自分でやるんです。

 

そこをちゃんとやれるかどうかで、また痔になるかどうかが決まると思っています。

 

だから痔を治してからの生活が大切!

 

 

大阪肛門科診療所は明治45年創立の歴史のある肛門科です。

 

50年前に手術を受けた患者さんが受診されることもあるわけです。

 

その時にまた痔になっている人と、きれいなままの肛門の人に分かれます。

 

何が違うのかは明確。

 

便通です。

 

痔の手術をしてから便通に気を付け続けている人は手術して50年たっても痔になっていません。

 

痔だけ治して便通を直してない人は何度も痔を繰り返していました。

 

3〜4回手術を受けている患者さんもおられました。

 

 

また痔になっても構わない

手術して治せばいいんだし

 

と割り切っている患者さんもおられますので、自分たちの考えや治療方針を押しつけることはしません。

 

どうするかは患者さんが決めることですから。

 

 

でも、

 

もう二度と痔になりたくない

痔の手術をもう一度受けるのはゴメンだ

 

と思っておられるのであれば

どうぞ、痔の原因となった便通は日々の生活の中で直し続けて下さいね。

 

それが出来るのは、あなた自身をおいて他にいませんから。

 

中之島公園のあちこちに

バラが咲き乱れています

見頃は5月ですが

今の季節でも咲いているバラがあります赤薔薇

 

診療所のセラピードッグ「ラブ」あしあと

左側がラブですしっぽフリフリ

お友だちの琥珀ちゃんと一緒に

ドッグカフェに行きましたしっぽフリフリ

 

 

クリックお願いしますお願い

にほんブログ村 病気ブログ 痔(ぢ)へ
にほんブログ村

 

患者さんのリクエストで復活させた

化粧品と発酵素するりの記事は

コチラ下差し

 

便通・腸を整えて美肌を目指す 元皮膚科・現役肛門科の女医が教えるキレイ術