出残り便秘を治したら体調まで良くなった | みのり先生の診察室

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5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

先日来られた患者さん。

 

 

数年前から脱肛症状があり、排便の度に出てきた痔核(イボ痔)を中に押し込んで戻していました。

 

 

痛みや出血などの症状がなく、別に困ったこともないため長年ずっと痔と付き合ってこられていました。

 

 

ところが・・・

 

 

突然、痛みと出血が・・・。

 

 

便を出す時も痛いし、出てきた痔核(イボ痔)を戻すときも激痛。

 

 

排便の時にはポタポタと出血も・・・。

 

 

しかも排便後にも痛みが持続し生活に支障を来すようになってきました。

 

 

そこで私の外来に来られました。

 

 

診察すると痔核(イボ痔)の根元が裂けて随伴裂肛になっていました。

 

 

とても痛そうでした。

 

 

痔疾患の中で激痛で耐えられない疾患の1つです。

 

 

緊急手術になることも多い随伴裂肛。

 

 

詳しい解説はコチラ下矢印

 

 

脱肛のせいで起こる裂肛が随伴裂肛(激痛)

 

 

とても痛そうだったのですが出残り便がたくさんあったので坐剤を入れてトイレで排泄してもらいました。

 

 

毎日排便があるのに便秘だと!?

 

 

とビックリされていましたが、残った便を見て納得されたようです。

 

 

随伴裂肛は脱肛のせいで生じた傷だから、通常は脱肛を手術しないと治らないことを説明し、出残り便秘を治したら、もしかして傷が治るかもしれないこと、治った患者さんがたくさんいることもお話ししました。

 

 

次の受診は2週間後。

 

治ってなければ手術を検討しなければならないかもしれないこと、2週間も痛みに耐えられないのであれば早めに受診して下さいとお話しして診療を終えました。

 

 

そして2週間後・・・

 

 

なんと

随伴裂肛は治っていました!びっくり

 

 

痛みも出血もなくなって快適だと大変喜んでおられました。

 

 

それだけではありません。

 

 

便をちゃんと出しきるようにしたら体調まで良くなったと。

 

 

今までおなかがはったり、ガスが溜まってオナラがしょっちゅう出たり、げっぷもよく出て食欲もなかったそうです。

 

 

そのせいなのか眠りも浅く、寝ても疲れが取れずしんどかったと。

 

 

ところが出残り便秘を治したらお腹の張りが全く無くなり、オナラも出なくなり、食欲も出てきて、夜もぐっすり眠れるようになって体のだるさもなくなり、すごく元気になったと嬉しそうに報告して下さったのです。

 

 

本当に生き生きとされてましたキラキラ

 

 

随伴裂肛も治り痛みからも解放されましたが、残念ながら痔核(イボ痔)は無くなっていません滝汗

 

 

立派な脱肛なので医学的には手術適応です。

 

 

患者さんにどうしたいか尋ねたところ、今まで通り痔と仲良く付き合って行きたいと希望されました。

 

 

だから治療も通院も今日で終了!

 

 

あとは生活の中で排便管理を続けるよう指導し、1年後に受診して下さいと言うとビックリされましたびっくり

 

 

えっ!?

1年後でいいの??

ずっと通わないといけないのかと思ってた・・・

 

 

と。

 

 

痔は糖尿病や高血圧と違って定期的な通院は必要ない疾患です。

 

 

調子が悪い時や何かあった時に受診してもらえればOKOK

 

 

排便管理がちゃんとできていれば皆さん、調子を崩されないので頻繁に受診されることもありません。

 

 

多くの患者さんが年1通院になってますニコニコ

 

 

また立派な脱肛があっても必ず手術をしなければならないというわけでもありません。

 

 

出血や痛みなどの症状がなく、何も困ったことがないのであれば、手術せずに痔を持っていてもいいのです。

 

 

困ったことになったら、その時に治療を考えても手遅れになりません。

 

 

そうして痔と20年近く付き合っている患者さんも当院にはたくさんおられます。

 

 

このまま棺桶まで持って行くわ〜

 

 

と言っている患者さんもたくさんおられます。

 

 

イヤになったら手術はいつでも受けられるので、焦って受ける必要もないです。

 

 

それにね

 

手術して痔を治しても

痔の原因となった便通を治さなければ

また痔になります。

 

何度でも痔を繰り返します。

 

 

だからまずは便通を治して欲しい。

 

 

そうすれば、ほとんどの痔が手術せずに良くなると思います。

 

 

それでも良くならなかったら手術を考える。

 

 

そんな方針で治療をしているので手術件数は少ないです。

 

 

手術が必要な痔は本当に少ないです。

 

 

安易に手術を受けずに、まずは便通を見直してみて下さいね。

 

 

治療の第一歩は正しい排泄から。

 

 

1日1花赤薔薇

今日の花は

 

診療所のセラピードッグ「ラブ」あしあと

犬にも痔疾患があるそうです

ラブは大丈夫なようですしっぽフリフリ

 

 

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