マスク皮膚炎の相談が増えています。
肛門科なのに、私が元皮膚科医という経歴を持つためか、肛門の診察が終わったあとに患者さんから「おしりじゃないんですけど、肌の相談してもいいですか?」とよく聞かれます。
私で分かる範囲でお答えしていますが、マスク皮膚炎の相談が本当に多いです。
ニキビのような吹き出物がマスクをしている部分にブツブツと出来ていたり、布が当たる部分が赤くなってヒリヒリ痛いとか、かゆくて掻いてしまうなどなど、症状は様々ですが、皆さん、マスクをするようになってから皮疹が出現しています。
全例が紙マスクです。
おそらく何かの成分でかぶれているのだろう・・・と考えていたのですが、医師サイトで「これだ!」という記事を見つけたのでシェアしたいと思います。
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ポリウレタン製品でアレルギー重症化の恐れ
原料のイソシアネートにアレルギーリスク
ポリウレタンの原料となる化合物イソシアネートは、柔軟剤の香料や衣類に含まれ一部のマスクなどにも用いられているが、アトピー性皮膚炎などを引き起こし、時として呼吸器症状やアナフィラキシーショックなどの原因にもなりうる。
かくたこども&アレルギークリニック(宮城県)院長の角田和彦氏は、同クリニックで実施したアレルギー検査の結果について検討。
イソシアネートに陽性反応を示す受診者が一定数見られたとし、着用する衣類やマスクを選ぶ際は原料に注意する必要があることを第93回日本産業衛生学会(6月12~28日、ウェブ開催)で報告した。
生活環境中にある多くの製品に含まれる
微量の曝露でも経気道性、経皮性に感作して種々のアレルギー症状を誘発するイソシアネートは、柔軟剤や衣類をはじめ、家屋の壁材や家具、生活用品など生活環境中にある多くの製品の原料に含まれている。
具体例を挙げると、柔軟剤に含まれる人工香料を包むポリウレタン製マイクロカプセルの壁材や、伸縮性のあるポリウレタン製衣類の原料として用いられており、揮発し皮膚に接触するなどしてアレルギー症状を引き起こす恐れがあるという。
アトピー性皮膚炎の悪化に関与か
そこで角田氏は、イソシアネートによるアレルギー疾患の発症リスクなどを検討するため、イソシアネートの一種であるトルエンジイソシアネート(TDI)特異的IgE抗体(TDI IgE)の検査を実施した。
対象は2019年1~5月にクリニックを受診しアレルギー検査を希望した322例(男性155例、女性167例)。
対象者のうち、アトピー性皮膚炎患者は288例、気管支喘息患者は99例、その他のアレルギー疾患患者は27例(重複あり)であった。
なお、TDI IgE陽性の定義は0.34UA/mL以上である。
検査の結果、陽性者は35例(10.9%)、陰性者は231例(71.7%)で、陽性者は若年者を中心に0~80歳代まで幅広く分布していた。
また、TDI IgEが0.10~0.34UA/mLであった56例(17.4%)については、今後TDIによる感作が進む可能性があるとした。
さらに、アトピー性皮膚炎の有無および重症度別にTDI IgE値を見ると、皮膚の病変面積が広い重症例は非重症例に比べ有意にTDI IgE値が高かった。
マスクは不織布、布製の使用を
こうした状況に鑑み、角田氏はクリニックの受診者に対して初診時から柔軟剤の使用中止を依頼している。
しかし、柔軟剤非使用例にもTDI IgE値の上昇例が存在しており、こうしたケースでは、ポリウレタン含有衣類を着用していることなどが想定できるとした。
昨今、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染リスクを低減させる目的でマスクを装着する人が急増しているが、マスクがポリウレタン製であった場合には同様にTDI感作のリスクが伴うという。
同氏は、皮膚経由でTDIに感作され、その後鼻粘膜経由でTDIに感作されると気管支喘息を発症しうるとの報告(Toxicology 2019; 421: 84-92)がある点に言及。
「マスクを使用する際は、不織布製もしくは布製のマスクを使用するのが望ましい」と呼びかけた。
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マスクを購入する際は原材料もチェックしましょう。
私の患者さんは布マスクに変えたところ症状が改善しています。
布マスクの布も同様に大切。
かぶれやすい人やアトピー性皮膚炎の人はオーガニックコットンなどで作られたマスクを選ぶことをオススメします。
ちなみに私の友人が作ってくれた布マスクは素材にもこだわっています。
良質な布を使っていますので安心してお使い下さいね。
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