小学生が書いてくれたアンケート | みのり先生の診察室

みのり先生の診察室

5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

うちの診療所には小児の患者さんも結構多いです。

 

下は生後6か月くらいの赤ちゃんから上は中学生まで年齢層も幅広いです。

 

子供が痔!?

 

と驚かれる方も多いでしょう。

 

 

痔は排便がうまくいかなければ誰でもなる病気なので、年齢は関係ありません。

 

子供だって痔になります。

 

 

 

子供の痔で最も多いのが切れ痔(裂肛)

 

小児科にかかっている患者さんが多いです。

 

そこで酸化マグネシウムマグミットマグラックスなど)やモビコールなどの下剤を処方されていることが多いのですが、

 

下剤を飲んでも出始めの便が硬くて切れ痔が治らない、

 

治ってもまた切れるの繰り返し、

 

あるいは

 

下剤が効きすぎて下痢・・・なのに切れ痔が治らない。

 

 

そのうち排便を嫌がるようになったり、泣き叫びながら排便をするようになって困り果てて受診に至るケースが多いです。

 

 

小児科で治療しても治らずに肛門科を受診するケースがほとんど。

 

 

「小児科で下剤をもらって飲んで、注入軟膏を毎日入れてるんですが、治ってないのか排便の時に痛がります・・・」

 

「もともと毎日排便はあったので便秘ではないと思うんですけど・・・。処方された下剤を飲むと何度も便が出て、その度に痛みで泣き叫んで・・・。出てくる便はびちびち・ドロドロなのに痛がるんですよ・・・」

 

 

と困り果てているお母さん。

 

 

診察をすると(もちろん小児でも肛門の診察はします)予想通り肛門の中が便まみれです・・・。

 

何度便が出ていても・・・です。

 

 

当然、傷も便まみれうんちうんちうんち

 

 

これじゃあ治らないよね笑い泣き

 

 

というわけで坐剤を入れて残った便を出し切ってもらいます。

 

 

意外と嫌がらずに坐剤を入れさせてくれます。

 

 

オムツを当てている年齢のお子さんはオムツの中で排泄してもらってOKOK

 

 

トイレトレーニング中のお子さんは「行きたくなったら教えてねウインク」と言っておくと、教えてくれる子もいます。

 

 

そして排便後・・・多くのお子たちが笑顔で診察室に入ってきてくれます。

 

 

「痛くない」と笑顔になるお子さんも照れ

 

 

肛門でトラブルを起こしているお子さんは、やっぱり出口の排泄がうまくいっていません。

 

 

下剤を飲んでも解決しない。

 

なぜなら口から飲む薬は「おなか(腸)」に効くのであって、出口(肛門)には効かないから。

 

 

便を「造る過程」には効くけれど、出来上がった便を「出す過程」には効かない。

 

 

だからいくら薬を飲んでもオシリの症状は良くならなかったわけです。

 

 

「便秘」とは便を秘めること。

 

どこにも「便が出ない」とは書かれていません。

 

毎日排便があってもスッキリ出ずに中に残っていれば便秘です。

 

出残り便がある状態を私たちは「出残り便秘」と呼んでいます。

 

 

年齢関係なく小さなお子さんにも見られます。

 

 

治療はシンプル。

残った便を坐剤で出し切ってもらうだけ。

 

 

お子さんでも小学校高学年以上になると自分で坐剤を入れてくれます。

 

ヘタしたら大人よりも聞き分けが良かったりします滝汗

 

 

今回、小学校高学年の患者さんがアンケート用紙に書いてくれた言葉がとても簡潔にまとめられていて、ちょっとハッとさせられたのでご紹介します。

 

 

 

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すごくていねいで分かりやすい説明だったし、

 

やさしい対応で、すごくいい場所だった。

 

治療経過

 

だいぶ良くなった。

 

便が出やすくなったし、

 

それに気づけるようにもなった。

 

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小学生と言えど「肛門科」という敷居の高い診療科を受診することに少しはためらいがあったと思うのですが、そんなところを「すごくいい場所だった」と書いてくれたことが私は嬉しかった。

 

 

肛門科が「怖い所」「痛いことをされるイヤな場所」ではなく、通うのが楽しみな所になれば嬉しいな・・・と思って小児を診てきたので、本当に嬉しかったですね。

 

 

実際、今までもたくさんのお子さんたちが笑顔で楽しそうに通ってくれました。

 

 

ちゃんと排便管理をすれば2週間で切れ痔は治るので、次に受診した時には完治終了となります。

 

 

そのあとは1年に1回のお尻健診。

 

 

おしりのトラブルは全くないけれど、年に1回、会いに来てくれる子供たちも多いのです。

 

 

幼稚園から通ってきていた子が高校生になっていたり、高校生から通ってきていた子が大学生になり、社会人になり、そして結婚して出産を終えて・・・という、本当に月日が経つのを感じながら、嬉しく成長を側で見させて頂いています。

 

 

10年以上、お付き合いのある患者さんを診ていて思うのですが、「排便の管理がちゃんと出来ていれば痔にならない」のです。

 

 

だから

 

本当は

痔になる前に来て欲しい

 

教えてあげたい

正しい排泄

 

 

そうすれば

この世から痔という病気がなくなるかもしれない

 

とすら思っています。

大まじめに。

 

 

アンケートの中に書かれている言葉が素晴らしいです。

 

便が出やすくなったし

それに気づけるようにもなった

 

 

今までは便が下りてきても分からなかったのに、ちゃんと排泄するようにしたら便が分かるようになり、そしてちゃんと便意が来て便が出るようになったのです。

 

 

小さいお子さんほど治りが早いです。

 

 

便秘歴が長いほど治療に時間がかかります。

 

 

だから子供の時に「正しい排泄」を習慣化すると一生痔にならずにすむのではないかと思っています。

 

 

そういう意味では子供たちにこそ「うんこの話」したいですね〜爆  笑

 

 

小学校の授業科目に入れて欲しいくらい。

 

 

みんな

行きたくなったら

我慢せずに

すぐにトイレに行こうねウインク

 

我慢すると

我慢できる肛門になっちゃうよグラサン

 

今日は含蓄のある素晴らしい小学生の言葉をお届けしました照れ

 

 

1日1花赤薔薇

今日の花は

 

診療所のセラピードッグ「ラブ」あしあと

娘に撫でられて満面の笑み爆  笑

犬って本当によく笑うんですよしっぽフリフリ

 

 

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