最近、外来で点滴療法について質問を受けることが増えてきたので、記事にしておきたいと思います。
私と家族が週に2回、コロナ予防のために受けている点滴は
高濃度ビタミンC点滴12.5g
です。
一般的なビタミン点滴と何が、どう違うのか
というご質問をたくさんの患者さんから頂いているのでお答えしたいと思います。
国内で保険診療においてよく使われているビタミンCはフソーのビタミンC。
(扶桑薬品工業のページから画像を拝借しました)
1アンプル2gのビタミンCが入っています。
それに対して私たちが点滴療法で用いるビタミンCは12.5〜70g。
使用量が全然違うのです。
じゃあ、このフソーのビタミンCを例えば6〜7アンプル使えば12.5gになるじゃないか
という疑問を持った方もおられるでしょう。
これを6〜7本もアンプル切って準備するのも大変ですが、大量に使えない理由があるのです。
それは防腐剤の存在です。
防腐剤が入っているため点滴療法研究会では使用を3Aまでとしています。
高容量のビタミンC点滴にするためには、防腐剤フリーの高濃度のビタミンC製剤を用いる必要があります。
診療所で使用しているのはマイラン社製の注射用ビタミンC製剤。
この製剤の重要な点は必ず冷蔵保存しなければならないということ。
ビタミンC(アスコルビン酸)は水溶液の状態で不安定になり、酸化されてしまうからです。
アスコルビン酸が酸化されるとデヒドロ・アスコルビン酸になるのですが、これだと抗腫瘍効果が非常に弱くなってしまうのです。
ビタミンCの効果が減弱してしまうので癌治療以外の目的での点滴でも勿体ないです。
だからちゃんと冷蔵されていることは重要。
しかも輸入品なので、温度が一定に管理された冷蔵コンテナで製造工場から医療機関に届けられなければなりません。
通関待ちに1週間くらいかかるのですが、その間も冷蔵庫内で温度を一定に管理されていることも必要。
とにかくコストがかかるのです。
このコストを削減するためでしょうか・・・。
この基準を遵守しないビタミンC製剤が国内でも流通しているようです。
常温で輸送して、通関後にクールで輸送するという悪質な業者もいるようですから注意が必要ですね。
点滴の中身は患者さんには確認出来ないだけに注意したいもの。
クリニックがどういうルートでビタミンC製剤を手に入れたのかなんて患者さんには分かりませんからね
アスコルビン酸がデヒドロ・アスコルビン酸になってしまっては、せっかくの効果も期待できません
中身を確かめようのない点滴だからこそ、きちんとやっている施設で受けて下さいね。
というわけで、一般的な保険診療で風邪の時などに受けるビタミン点滴と点滴療法の高濃度ビタミンC点滴の違いは
- ビタミンCの量
- 用いる製剤
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