痔で受診して、ボラザGや強力ポステリザンなどの痔疾薬と一緒に、酸化マグネシウムなどの下剤を処方されて内服している人も多いでしょう。
もともと毎日便通があるのに
どうして下剤を飲まないといけないの?
と疑問に感じながらも
先生の指示だから・・・と飲んでみた。
すると
軟便が出る
何度も頻回に便が出る
最後は下痢・・・
という患者さんを多く見かけます。
なのに出始めの便だけは硬くて切れてしまう・・・
というのもよくあるパターン。
害がないのならまだしも
酸化マグネシウムを飲んでから
切れ痔が悪化した
ずっと飲んでいたら細い便しか出なくなってきた
何度も便が出るから脱肛がひどくなって痛い
と、かえって痔の症状が悪化してしまっているケースも意外と多いのです。
何度も説明していますが
酸化マグネシウムは「やわらかい便を作る薬」です。
決して「便を出す」薬ではありません。
大腸を刺激して動かしたりしないので、癖になることも、腸が真っ黒になることもないため、よく処方されるのですが、便が毎日出ている人には必要のないものです。
毎日排便はあるけれど、出てくる便が最初から最後までカチカチコロコロの硬い便しか出ない・・・という場合は酸化マグネシウムがよく効きます。
水分の少ない便が作られているケースには良い適応です。
ところが「出始めの便だけが硬くて、あとは普通便もしくは軟便」という場合は、酸化マグネシウムを内服すると軟便・下痢・頻便になってしまいます。
なぜなら
問題は腸内で起きているわけではなく、出口(直腸・肛門)で起きているからです。
つまり
便の「製造」と「運搬」は上手くいっているのに、出口での「排泄」でつまずいているのです。
腸は正常に機能し、良い便を作って出口まで運んでくれているのに、送り届けられた完成品である便を排出するところがうまくいっていない。
毎日便が出ていても
スッキリ出ずに
中に残っていれば便秘です。
私たちはそれを患者さんに説明するときに「出残り便秘」と言っています。
とても分かりやすく理解しやすいと患者さんからは評判です。
腸は正常に機能している出残り便秘に下剤を処方すると、薬の効果で腸は過剰に動き「おなかの急降下」を起こします。
それだけではありません。
必要の無い人が酸化マグネシウムを飲むと「ねちょっとした軟便」となるため、かえって肛門に残りやすいです。
切れ痔(裂肛)の人は傷が軟便で汚染され、さらに悪化してしまうのです。
ねちょっとした便ほど傷に付きやすいですからね・・・
酸化マグネシウムを飲んでから見張りイボが腫れて痛くなった
という患者さんもたくさんおられます。
出口の便秘には、どんな内服薬も効きません。
排泄の問題だからです。
必要の無い下剤を飲んで痔を悪化させている人が本当に多いです。
だから
酸化マグネシウムをやめたら調子が良くなった
という結末になった患者さんがたくさんいるのです。
コラムにも記事を書きました
酸化マグネシウムをやめたら便通が良くなったという人、本当に多いです
あなたは必要のない下剤を飲んでいませんか?
本当にその下剤、必要ですか?
飲まないと便が出ないですか?
飲まなくても便が毎日出ているなら必要ないかもしれません。
今一度、飲んでいる下剤について考えてみて下さいね。
診療所のセラピードッグ「ラブ」
犬のようちえんからお散歩で
梅田に遊びに行ったようです♪
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化粧品と発酵素するりの記事は
コチラ