痔になって、お尻の不調を抱えて受診される患者さんを診ていて思うのですが、その背景には便秘や間違った排泄習慣があるんです。
何もしていないのに、勝手に、お尻が悪くなったり痔になったりしてません。
必ず理由が、原因があります。
それに気付いていないだけ・・・ということが多いですね。
お尻が鈍感になっている人が本当に多いです。
いや、もしかして、お尻だけじゃなくて体に対しても鈍感になっているのかもしれません。
そして痔になってから初めて便秘や悪習慣に気付く・・・みたいな
ある意味、不調や病気は身体からのサイン、悲鳴。
本当は悲鳴を上げる前に、病気になる前に気付きたいものですね。
でも、幸い、痔や肛門の不調は命に関わりません。
見つかってから直しても間に合います。
悪習慣が長くなればなるほど悪化するため、対処は早い方が当然、治りも早いです。
若い人ほど悪習慣で生きてきた年数が短いため、改善も早いです。
今日は遠方から来られた20代女性患者さんの衝撃をお届けしたいと思います。
初診で来られた時も、2回目の再診の診察でも、衝撃であっけにとられていた姿が印象的でした。
自分が便秘をしていたなんて考えてもみなかった衝撃
診察の予約までに、かなり長い間悩んでのですが、思い切って足を運んで本当に良かったです。
今までの痔に対する考え方が全く変わりました。
自分では早く治そうと思ってしていたことが逆効果であったり(ウォシュレットや肛門をよく洗う等)、
自分が便秘をしていたなんて考えてもみなかったため衝撃でしたが、
初めてきちんと自分のおしりのトラブルの原因や今までの生活習慣と向き合うことができたと思います。
坐薬も最初は抵抗がありましたが、思ったほど手間ではなく、なんとか2週間続けられました。
肛門が空になるのが普通になるまで自分でコントロールしていかなければと思います。
正しい排泄ができると本当におしりが切れることはないんだ!!
とここでも衝撃を受けました。
トイレで座るたびに身構えるのがくせになっていたので、
ストレスなくトイレに行けるのが(坐薬のおかげではありますが)こんなに気分が良いことだとは・・・。
また、院の雰囲気も、いかにも病院といったこわいものではなく、担当して下さったみのり先生の気さくな雰囲気やしっかりとした説明、看護師さん方の対応にもとてもホッとしました。
本当に良い病院にめぐり会えたと思います。
待合室で患者さんの声などを拝見して、同じような悩みのある方や、治療を続けている方がこんなにいるんだ、と気付いて私もいつ便秘が治るかわかりませんが、改善に向けて頑張っていけそうな気がしました。
本当はない方が良いですが、また何かトラブルがあった時にはお世話になります。
本当にありがとうございました。
これから暑くなりますが、お体に気をつけて。
「毎日出てるか」よりも「スッキリ出てるか」が大切
毎日便が出ていたら「便秘ではない」という意識の人が多いです。
医学的にも「便秘ではない」と言えます。
教科書的にも診断基準的にもそれが正しいです。
でも、私たちの考える便秘とは「便を秘めること」。
だから毎日便が出ていてもスッキリ出ずに中に便が残っていたら便秘と捉えます。
それを「出残り便秘Ⓡ」と呼んでいます。
痔になって、あるいは肛門の不調を抱えて受診される患者さんのほとんどに、この「出残り便秘Ⓡ」を認めます。
そしてこの「出残り便秘Ⓡ」を直すことで肛門の不調や痔の症状が改善してしまうことが多いです。
この女性患者さんに限らず、大阪肛門科診療所を訪れた患者さんの多くが便秘の診断に衝撃を受けられます。
毎日出てるし、
毎日どころか、
「食べる度に便が出る」という人や、
1日に何度も便が出るから
「自分は快便だ」
と思っておられたり、
「下痢気味」と
思い込んでいる人が多いです。
だから「便秘」って言われたらビックリしますよね
はい。
それで普通だと思いますよ。
私たちの考え方のほうが変わっているわけですから
最初は
ビックリしている患者さんも、
理解できない患者さんも、
中には
認めたくないと
拒絶する患者さんも、
一度、
ちゃんと便を出してもらって、
全部スッキリ排泄してもらうと、
お尻で、
体で
感じてもらえることが多く、
理屈じゃなくて、
お尻で、体で、
「体験」「学習」
してもらうことで、
あとから理解が付いてくる・・・
ということもしばしばあります。
また今、理解できなくても、
受け入れられなくても、
時間をかけて
ゆっくり分かってもらったり、
一度離れても、
また戻ってきてもらってもいいんです。
受け入れるか、
受け入れないか
やるか、
やらないか
それを決めるのも患者さん。
私たちは、お尻が良くなって患者さんが快適な生活を送れるようになれば、なんでもいいんですよ。
温水便座でよく洗うことが逆効果であったことの衝撃
うちの患者さんの「衝撃あるある」で多いのがこれ。
洗い過ぎ・・・
痔にならないように
あるいは
痔になってから
念入りに温水便座で洗うようになった
という人も多いです。
でも。。。 それは逆効果だったりする
洗えば洗うほど、お尻は悪くなります。
これ、うちの患者さんたちが証明してくれています
お尻に不調を感じているのであれば、一度、洗うのをやめてみてください。
もしかして、それだけで良くなるかもしれません。
痔と肛門の不調の背景には便秘と洗い過ぎがある
というわけでして。。。
痔と肛門の不調の背景には
便秘(主に「出残り便秘Ⓡ」)
と
洗い過ぎ(温水便座症候群や温水便座依存症、過剰衛生症候群)
があります。
その間違った習慣を改めなければ、手術しても、薬を使い続けても、何度でも痔を繰り返します。
だから痔の根本治療は痔の原因となった便通を直すことなんです。
そこを直さずに手術だけ受けても、また痔になっちゃいますし、最悪の場合、痔が治らなかったりします。
だから考えて欲しいのです。
なぜ痔になったのか?
何が悪かったのか?
きっと、患者さん一人一人、その原因となる習慣は違うでしょう。
でも、肛門科でずっと診察をしてきて、共通する習慣に気付きました。
それが「便秘」と「洗い過ぎ」です。
皆さんが考えている便秘とは違います。
私たちは毎日出てても残ってたら便秘と捉えます。(出残り便秘Ⓡ)
1日に何度も便が出ていても残便が出ているだけなら便秘と捉えます。(出残り便秘Ⓡ)
洗い過ぎについても同様です。
自分では大して洗っているつもりがなくても、肛門周囲の皮膚がボロボロになっていたら、それは「あなたにとって」洗い過ぎなんです。
温水便座が普及してから本当に肛門周辺のトラブルが増えました。
今までなかった病気もあります。
だから上手に使う、
あるいは一旦、完全にやめることが必要です。
それを指導するのも私たち肛門科医の大切な仕事だと思っています。
2回目の診察で完治終了して通院が終わることに唖然・・・
この女性患者さんもそうでしたが、ほとんどの患者さんが2回目の通院で完治終了することに衝撃を受けられます。
だって今まで何年もずーっと肛門科通いしてきたから。。。
頻度の多い患者さんだと2週間に1回、4〜5年通院されていたりします。
なぜ通うのか?
それは痔が治ってないからですよね?
症状が無くならないからですよね?
痔って、ちゃんと治療したら治るんですよ。
一生治らない不治の病じゃないです。
そして治ったら終わりなんです。
治ったら患者さんが来なくなるんですよ。
クリニックにとったらリピートしてくれる方が収入になりますから有り難いんですけど、うちの診療所ではリピート率が低いので患者さんはどんどん減っていきます。
だって治るんだもん
初診で来られて、2〜3週間、便通を直してもらうと、次に来られた時には、ほとんどの患者さんが治ってしまっています。
だから治療終了!
もう来なくていいんです。
「何かあったら来て下さいね」
と言ってお別れします。
でも、便通の管理がちゃんとできている患者さんは痔にならない、あるいは痔が悪化しないため、受診されることはほぼありません。
だけど最近は、年に1回だけ「お尻健診」に来られる患者さんが増えてきました。
だから年に1回通院ですね。
「自由診療で費用が高いと思ったけど、今まで保険診療のクリニックにずっと通って支払った年間額よりも、はるかに安いしかもちゃんと治るし
」
と言われる患者さんが多いです。
というわけで。。。
この女性患者さんとも「元気でね〜」とお別れしました
「また来年来ます楽しみにしてます
」と言って帰って行かれました。
だから大阪肛門科診療所では年に1回しか受診されない患者さんが多いです。
遠方から飛行機や新幹線で会いに来て下さる患者さんも増えてきました。
せっかく行くなら・・・ と、家族連れで旅行を兼ねて来られる患者さんも多いです。
私たちが大切にしていることは
お尻の治療を通して患者さんを幸せにすること。
あなたがお尻の悩みから解放されて、幸せな人生を歩めることを心から願っています。
ちゃんと治療して肛門科通いを終わらせて下さいね
診療所のセラピードッグ「ラブ」
右側がラブです
満面の笑みです
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